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保育士の将来性!保育士不足の実態と需要について!

保育士を目指そうとしている方や、これから保育士の資格を取ろうと思っている方が一番気になるのは、その先の就職でしょう。
一生懸命勉強して資格をとったのに、肝心の就職先がないのでは、困ってしまいますよね。
そんな不安を持っている方に、保育士の需要の推移はどうなっているのか?!データを基に簡単に解説していきたいと思います。

保育士さんの需要と人数の推移

子供を預ける共働き世帯の増加の影響で、保育士の需要は増えており、保育不足の状態になっています。

しかし、保育士になる人が少ないわけではなく、年々保育士資格を取得する方は増えています。
それでは、具体的にどのくらい保育士が不足し需要が増えているのか、厚生労働省のデータを基に保育士不足の現状について解説します。

保育分野における人材不足の現状①

○過去をさかのぼってもわかるように有効求人倍率は、年々高くなっており平成23年度は最高1.36倍だったのに対し、平成25年度の最高求人倍率は1.74まで上がっています。
○ 最新のデータに基づくと、保育士の有効求人倍率は、平成26年度12月で2倍を超え、これからさらに高くなる傾向にあります。

○また、4月から6月は新卒の方の求職もあり、有効求人倍率は低くなっていますが、どの年も8月あたりから倍率が高くなる傾向にあります。
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出典:厚生労働省

求人倍率は、求職者(仕事を探している人)1人に対して何件の求人があるかということを表します。
そのため1倍を超えているということは、仕事を探している人よりも求人のほうが多いことになり、需要が供給を上回っていることを示しています。
需要が増えているということは、保育士になる方が減っているのかと思いがちですが、保育士の資格を取得する人は、年々増えています。
保育士試験の受験者数と合格者数を基にどれだけ増えているのかをみてみましょう。

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(参考資料:保育士試験の実施状況_厚生労働省発表)

平成20年と比較してみると平成26年に受験する人数が17393人も増えていますね!
そして合格率もあがり合格者数も平成20年と比べ倍以上に増加していることがわかります。
そうであるにも関わらず、更に需要が上回っている理由としては、大きくわけて2点上げられます。

  1. 待機児童をなくすため、国の施策として保育所の整備を進めていること、新園の拡充(運営費支援など)をしいており、保育士の方の働き口は年々増えているのです。
  2. 保育士試験に合格し保育士資格をもっているのに、職業として保育士を選ばない、保育士として働かない“潜在保育士”が多くいることがあげられます。
    保育士要請施設卒業者のうち48.8%は保育士として就業していないというデータもあります。(H.23 雇用均等・児童家庭局職業安定局調べ)

このように、保育所の整備が進む中、保育士の需要はさらに求められており、保育士の資格を保持していながら就業していない方が保育士として働いてくれるように、政府は堀り起こしの活動などに今後力をいれていく傾向にあります。

保育士さん不足の実際の原因!

保育士の需要があるというのは、つまり保育士が不足しているということになります。
では実際どれだけの保育士が不足しているのでしょうか?
民営を対象とした新人保育士の雇用状況のアンケート調査によると、約50%の保育園では必要な人数の確保ができているのですが、約30%の保育園で一部は確保できているが、必要な人数の確保はできていないという状況です。
今でさえ不足している状況なのに、これから保育の量拡大で保育士はさらに不足することになりそうです。
平成29年度末で必要な保育士数は約46万人という計算になっているのに対し、離職率などを考慮した計算で現在の保育士数を推計すると38.6万人ということになり、必要人数から保育士数を引くと平成29年度末で約7.4万人不足という事態が予測されます。
この保育士の人材不足の原因はいったい何なのでしょうか?!
保育士資格を取得しても保育士職種を希望しない人が48.8%と半数近くを占めていることは前述のとおりですが、その理由を整理してみましょう。

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(参考資料:平成 25 年 10 月 Press Release 厚生労働省)

最も多い理由として、「賃金が希望の金額と合わない」があげられています。
他にも様々な理由がありますが、やはり賃金に関する不満の声は大きいということです。
保育士さんのお仕事は精神的にも体力的にも大変であるにも関わらず、給与がそれに見合わないと感じられれば保育士以外の職を探し始めてしまうのも無理はありません。
そのような待遇が改善されたら保育士へ就業を希望すると答える人は多くいらっしゃいます。
保育士の待遇改善は現在も進められていますが、まだまだ満足のいくような水準になっていないのが現状です。
一刻もはやく現状を見直し改善を進め、保育士になりたいという意欲のある方を確保していけたらいいのではないかと思います。

保育士さんに定年はない?!

しろつめくさ

保育園での定年はほとんどのところが60歳までですが、そこまでいると園のことや子供のことを知りつくしている貴重な人材になるでしょう。
多くのケースで、保育園の方でもどうにか残ってもらいたい!という思いが出てきたりします。
そのため「嘱託職員」として、決まった時間に時間給で働き続けたり、事務やパート職員、調理担当など形を変えて残っている人もたくさんいます。
それに、保育園を定年退職した後でも、保育関係のお仕事はたくさんあります。
需要があるからこそ、年齢が高くなっても希望すれば働き続けることができるのです。
また定年退職後のパート先なども病院などにある託児所や放課後児童クラブ(学童保育)、公立保育園の土曜保育など様々な場所に必要とされるため、保育士さんを長く経験していると、高齢になっても働き続ける選択肢がたくさんあるのです。
これからますます保育機関が増え保育士や保育資格をもっている人の働き口が増えていきますから、高齢になった時のことまで考えるのなら、長く安定して働ける職業と言えるでしょう。
そういった面でも保育士という職業にはメリットがあり、とても魅力的な仕事ではないかと思います。

<まとめ>

これから保育士を目指そうと考えている方、保育関連の需要はますます増え、今後待遇改善も進み、「保育士さんが安心して長く続けられる環境づくり」は進んでいくと思われます。今はまだ納得のいくものではないかもしれませんが、保育士になりたい!と決意した志は別のところにあるはずです。
今は、目の前にいる子ども達や、日々得られる大きなやりがいを糧に、希望をもって保育士を目指し、続けていってはいかがでしょうか。

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