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資生堂とJPHDがタッグを組んだ!業務連携と企業主導型保育事業について分析してみよう

最近ニュースにあった資生堂とJPHDの業務提携。
興味を持っている保育士さんも多いでしょう。そこで今回は、資生堂とJPHDのニュース解説は勿論、その背景や今後の見通しなども合わせてお伝えしていきます。また、企業主導型保育事業について全く知らなかった人でも理解しやすいようにお話していくので、ぜひ最後までお読みください。

資生堂とJPHD、合弁会社設立へ

「資生堂とJPホールディングス、事業所内保育所の運営受託を事業の柱とした合弁会社を設立」

株式会社資生堂(本社:東京都中央区、代表取締役 執行役員社長:魚谷雅彦 以下資生堂)と株式会社JPホールディングス(本社:愛知県名古屋市、代表取締役:荻田和宏 以下JPHD)は、2017年2月をめどに、事業所内保育所の運営受託を事業の柱とした合弁会社を設立します。
事業所内保育所設置に関するコンサルティングや運営受託を通じて、未来を担うこどもたちの健やかな成長と、仕事と子育てを両立する保護者の双方にとって最適な保育事業に取り組みます。新会社の出資比率は資生堂が51%、JPHDが49%です。
出典:(株)資生堂

●資生堂&JPHD合弁会社設立の背景

男女問わず誰でも社会参加できるような環境を実現していくには、仕事と子育て両立しやすい体制が必要です。しかし現在の日本では保育所不足という問題があり、女性の職場復帰が難しくなってきています。出産後も働きたいと思っても、子供を預ける保育所がなければ物理的に働きに出る事は不可能ですよね。

この問題を打破しようと資生堂は、女性活躍支援制度や子育て&仕事の両立支援のために、事業所内保育所に関心を持つ企業に総合的な保育サービスを提供する事にしました。
さらに同志社大学赤ちゃん学研究センターと協力し、子供たちの発達行動研究を行い、親子の「生活リズム」調和にチャレンジしていきます。

資生堂は掛川工場の敷地内に事業所内保育所を来年2017年に開設する予定で、すでに内閣府へ「企業主導型保育事業」を申請しています。この保育所は資生堂社員だけでなく、工場周辺の住人も使えるようにする予定です。
この活動を拡大するために、全国たくさんの企業から積極的に事業受託をしようとしています。

●資生堂と合弁会社を作るJPHDとはどんな会社?

資生堂と手を組んだJPHDは、保育園や学童クラブ運営を中心とした子育て支援事業を行っています。2016年4月から始まった「企業主導型保育事業」は、保育の受け皿整備をさらに推進するために取り入れられましたが、これはJPHDが今まで軸としていた認可保育所の運営とは違い、働く保護者の生活と育児両方のサポートをしていくサービスです。そのため、新たな価値創造の可能性があるとJPHDは考えました。

資生堂は人々のライフスタイルを支える豊富なサービスを提供している会社です。資生堂が、子育て中の保護者とその子供たちにも支援の矛先を向けた事により、JPHともビジョンが一致し、新パートナーが誕生したのです。新合弁会社においては、子育て支援だけでなく生活支援もまじえた活動をしていきます。

●資生堂がJPHDとパートナーになったワケ

資生堂は女性が豊かな生活ができるような事業を展開しています。
会社の未来を創造していく部署「未来創造局」のスタッフが全国の社員と未来について語り合う「未来創造マラソン」を実施したところ、育児と仕事の両立の難しさに苦しんだ経験のある社員から、同じような悩みを抱える人たちに「新たな価値」を提供できないかどうかという意見が多く寄せられました。

この意見を生かし、資生堂が保育事業、大学や行政、病院に対しヒアリング調査したところ、妊娠期、育児期には「安心感」が特に欠如している事がわかりました。そして親子双方に安心感をもたらすためにも、企業自体が保有する「事業所内保育所」を用意するのが最適だという結論が出たのです。
これにより、資生堂の保育事業への参入が決定しました。

保育に関する専門知識がないにしても、業界最大手として保育に関するノウハウを持つJPHDは、資生堂にとって重要なパートナーだと判断しました。親子の生活リズム調和を目指す活動に共感し合う事ができたため、合弁会社設立に向けた基本合意に至ったのです。

資生堂は女性社員が多い!その理由と特徴は?

●女性が働きやすい会社だからこそ女性社員が多い

資生堂と言えば女性の化粧品開発や販売している会社ですよね。化粧品を扱っているせいか、資生堂には女性社員が圧倒的に多く、しかも美人が多いと言われています。
しかしただ女性の美容促進に関わる会社だから女性が多いのではなく、女性にとって働きやすい環境である事も、女性社員が集中する理由だと言えます。
女性社員が多ければ職場環境も整備しやすいです。資生堂の商品は女性向けの化粧品が多いので、女性が働きやすいように積極的に動いています。
その証拠として、資生堂では育児休暇制度も比較的早くから導入し、一年以上育児休暇がとれる事もあります。さらに休暇後、もとのポジションに戻りやすいのも魅力です。育児時間を考慮して勤務シフトも考慮します。土日出勤や遅番など、女性の活躍推進に積極的な姿勢を見せています。
「自助努力」を軸に、今では働く女性に優しい会社として代表格にもなっています。

●他社より「女性の働きやすさ」にこだわる資生堂

資生堂は男女共に子育てや介護しながらもキャリアアップしやすい会社を目指しており、今後は女性リーダー比率向上も今後期待できるはずです。
資生堂が他社よりも秀いでているところは、仕事プラス家庭を両立する事ができるところです。例えば以下のような組み合わせが両立しやすくなっています。

  • 仕事と出産
  • 仕事と育児
  • 仕事と介護

資生堂はこれらの両立支援をしっかりしてくれている会社です。だからこそ女性社員が長く働きやすいのです。
また、「魅力ある人で組織を埋め尽くす」というすてきなビジョンがあります。これを実現するためにも、資生堂では会社をあげて社員の心身の健康に配慮しています。健康作りは「人作り」にもなるという考えです。
資生堂はまさに、「働きやすさ」を重視し、育児休暇などの整備は他企業より率先して取り組んでいるのです!

●化粧品を扱う会社だからこそ女性社員を大事にしたい

20年前はまだまだ女性も苦労をしていましたが、最近では再雇用や、定年まで働きたい人も働けるようになっています。企業としては長年働いた人が結婚や育児を機に辞めてしまうのは実際大きなダメージです。特に化粧品は女性ならではのセンスやスキルが不可欠です。企業は人材育成にもコストをかけており、そのコストをかけた社員を手放すのはやはりもったいないですよね。たとえブランクがあったとしても、感覚を取り戻せば会社にとってまた大きな戦力となります。

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待機児童問題と企業主導型保育事業について

●深刻な待機児童問題

少子化対策や女性の就業機会発展など背景に、社会全体で保育に関する問題が注目されています。しかし認可保育所には入れない「待機児童」の数は、6年連続で2万人以上にも上っています。保育所や定員は増加しているものの、子育て世代の働き方の変化などもあり、待機児童問題はいまだ大きな社会問題になったままです。

●企業主導型保育事業とは

待機児童対策として、政府は今年2016年から「企業主導型保育事業」をスタートさせましたが、これは企業が整備する事業所内保育所などへの公的補助を認可保育所同様にした新しいシステムです。
一言で言ってしまえば「会社が作る保育園」で、認可外保育施設として位置付けらます。企業のニーズに応じた保育所を柔軟に設置していけるよう助成していきます。
国から保育所の整備費の助成金が出るようになるのは嬉しいポイントですね。

●企業主導型保育事業では何が変わるの?

企業主導型保育事業の主な特徴を以下にまとめてみます。

  • 自治を通さないでも補助金が出る
  • 職員の多様な働き方に適用できる
  • 複数企業の共同設置や地域児童の受け入れが柔軟になる
  • 利用者と施設の直接契約が可能になる

自治体だけにとどまらず、企業にも保育園の受け皿作りを求めるので、多くの施設では自社の職員だけでなく、地域住民の子供も受け入れています。しかし開設しやすくするために認可保育所よりも基準を緩めるため、質が低下するのではという声もあります。

今後ますます女性の就業が進んでいくと見込めます。待機児童解消が加速化プランの目標をこれまでよりも引き上げ、来年平成29年までに50万人分の保育の受け皿確保を達成するには、認可保育園などの整備によって受け皿確保に積極的に取り組む必要があります。

<まとめ>

いかがでしたか。
なぜ資生堂とJPHDが合併事業を計画したのか、また、今年始まった企業主導型保育事業についてご紹介させていただきました。
まだまだ保育に関する課題はたくさんあるものの、これからの保育事業に新たな風が吹き込み、ますます問題解決に向けた取り組みは積極的になっていくでしょう。
保育士は現在も需要がかなり高いので、求人案件数も豊富です。保育士の方で転職を考えている人は、新たな形態の保育施設で働く事も視野に入れてみてもいいですね!

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