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保育士として復職したい!~ブランクがある方の復職準備~

活躍している保育士の8割以上は女性であるため、結婚・出産などで一度職場を離れる方が数多くいらっしゃいますが、一度職場離れた保育士は残念ながら「低い給料」に見合わない「労働環境」などを理由にそのまま潜在保育士として、給与が高く、働きやすい別の仕事に就いている方が大半を占めます。
しかし、現在は補助金や処遇改善などで、保育士の給与や待遇が徐々に改善されてきており、過去に保育士にやりがいを感じながらも給与や労働環境が理由で復帰を諦めざるを得なかった方が、もう一度保育士として活躍しているケースが増えてきています。
そこで今回は保育士の復職事情や、復職のメリットなどについて詳しくご紹介したいと思います。
いま現在、復職をお考えの方や、将来的に復帰が可能なのかお悩みの保育士さんにぴったりの記事となっています。ぜひ最後までご覧ください!

保育業界の問題について―保育士不足解消のカギは潜在保育士の復帰にあり―

昨今の保育業界は待機児童問題や保育士不足などの問題が多く取り上げられていますが、“潜在保育士”の増加も大きな問題のひとつとされています。潜在保育士とは、保育士資格を持っているにもかかわらず、保育士として働いていない方のことを指します。実はこの潜在保育士の数は全国で約76万人もいるのをご存知でしょうか?(厚生労働省「平成27年 保育士等に関する関係資料」より)
せっかく時間と費用をかけて努力して取得した保育士資格も、”保育士として就職しない”あるいは”一度保育士として働くも、その後復職を望まない”という方が多く、年々増加傾向にあります。
潜在保育士が復職しない理由の多くは、「給料が低い」「残業が多い」「人間関係が悪い」となっています。保育士は多くの子どもの大切な命を預かっているので、非常に責任の大きな仕事であるにもかかわらず、中には月の手取りが12万円という保育士もいるほど給料の低さに問題があります。
 
また、勤務時間内では到底こなせないほどの業務量の多さも、残業や持ち帰り仕事を生んでしまう原因となっています。
さらに女性が多い職場のためか、人間関係が複雑な保育園が多く、それが仕事にも影響してしまいます。
また潜在保育士の増加は保育士不足や待機児童問題の改善の妨げにもなります。保育園や認定こども園などの保育施設をどんなに増設しても、当然ながら保育をする保育士がいなければ入園数を増やすことはできません。
そのような状況なので、預かる子どもの定員にまだ余裕があるはずの保育園が、保育士がいないことで入園を制限せざるを得ない状況となっているのです。
そのような状況を打開するには、一人でも多くの潜在保育士が復帰がしやすい環境作りが必要となります。行政や各自治体も、潜在保育士の方が保育士として再び働いてくれるようにとさまざまな施策や改善提案を打ち出しています。今後復職を望む保育士がさらに増え、保育士不足の解消に結びつく政策を期待したいところです。

増える保育士の需要!復職は”今”がチャンスです!

保育士として働く中で、結婚・出産や病気等でどうしても一時的に職場を離れなければならない時期があります。上述したような保育現場の状況から推測すると「落ち着いた頃に復職をするか」「そのまま別の仕事に就くか」悩んでいる方が多いのではないでしょうか。
もし、保育士の仕事自体が好きでやりがいを強く感じていたり、職場の人間関係が良く、ここでまたみんなと働きたいという意志が強いなど、少しでも自分に合っていると感じているならば“復職”をオススメします。
なぜかというと、行政は総合的かつ長期的な少子化に対処するための指針として「少子化社会対策大綱」というものを平成27年3月20日に策定しました。これは「待機児童解消加速化プラン」という保育の受け皿を増やし待機児童解消を目指す計画を推進しており、これによっては保育士の需要は今よりもかなり増えています。さらに「保育士確保プラン」も推し進められていて、保育士の待遇・処遇改善や人材育成を含めた保育士の確保も前向きに進んでいるのです。
 
まさに“今”が復職をするグッドタイミングといえるでしょう。東京都の有効求人倍率を見ても、年々上昇傾向が続いており、平成28年度の有効求人倍率はついに5.68倍にまで上がり、一人の求職者に対して約6件の保育士求人がある状態となっています。さらに世間的にも「子育て」についての理解が進んできたこともあり、保育園のICT化による事務仕事の効率化を図ったり、残業や持ち帰り仕事を減らす動きや、福利厚生に育児時短勤務制度を設ける保育園が増えてきています。一部の自治体では、保育士資格をお持ちの方が職場復帰すると補助金として10万円が支給されるとこともあるようです。
このような動きから保育園自体でも長く働いてもらえるようと様々な取り組みを行っています。そのため、今より良い条件や環境で働くことは決して夢ではないでしょう。

保育士が職場復帰するメリットとは? “経験”は強い味方です!

復職することでどうしても不安になるのが「ブランク」。でも保育園側はあなたが思うほどブランクは気にしていません。保育士の経験があることは保育園にとって非常に貴重でとても有り難い人材なのです。

「学問なき経験は、経験なき学問に勝る(英)」
意味:実際の経験を積まなければ学問(知識)があっても役に立たない。経験がある人の方が学問や理屈を知らなくとも勝っている。

このようなことわざがあるくらい、「経験」は現場で最も重要な保育士の要素になります。とくに保育士の仕事は、何をするか行動が読めない子どもや、イレギュラーな保護者の対応などをしなければなりません。教科書通りにいくことのほうが少ないのが現実。なので、これまで培ってきた経験をどれだけ活かすかが大切であり、保育園側もその経験を求めています。
そのため、経験者である復職者は保育園側にとって即戦力となるので、新人の教育コストを考えると非常に魅力的な存在なのです。保育園の中には「経験加算」「経験を考慮します」など、給料にも経験をしっかり反映してくれる職場もあるので、復帰をお考えの保育士さんにおススメです。
どんな職種でも職場に復帰をするには”もう一度のこの仕事をしたい”という熱意が必要となります。保育士の場合は”保育士への熱意”を伝え、過去の経験をどのように活かしていくのかをアピールすることが大切です。
ただし、復職者に対して保育園側も懸念する部分があります。それは「長く現場から離れていたが、ハードな保育現場に戻れるのか」ということです。しかし前述したとおり今は保育士不足のため、経験者であればシフトや人員配置などある程度考慮してもらえるでしょう。

保育士が不安になる“ブランクと人間関係” 解消のコツをご紹介!

復帰するにあたって、ブランクや人間関係のの悩みや不安はどうしても出てくるかと思います。そこでそれぞれの対処のコツをご紹介します。

復職の悩み「ブランク」への対処ポイント!

保育の現場はナマモノなので、やり方や考え方も当たり前のようにその時代によって変わってきます。なので、一時期でも保育の現場を離れた方からすると、今の現場についていけるのか不安になってしまうのも当然かもしれません。そこでそのような不安を解消するための3つのコツについてご紹介したいと思いますので、ぜひ参考にしてください。

ブランク明けの不安解消のコツ1

細かい保育内容においては、現場を離れている間にどうして法改正などで変わってしまうことがあります。しかし保育の基本は“子どもと接すること”です。泣いている子どもをあやすのにAIロボットなどを使う園や保育士は未だ見当たりませんよね。かつての保育経験は必ず活かせることができ、また自身でも子育て経験をしている方なら尚更自信を持って大丈夫です!

ブランク明けの不安解消のコツ2

誰かに頼られたり、何かを人に教えることが好きな人が保育士の方に多い特徴だと思います。そのため頼られることにやりがいを感じる方が多くいるので、ブランク明けだからといって周りの保育士さんに気を遣いすぎることはありません。分からないことは素直に聞いて、その保育園のやり方やルールを早く覚えていくことが大切です。むしろ知ったかぶりな行動で勝手な保育をされてしまう方が周りの保育士さんに迷惑をかけてしまうでしょう。

ブランク明けの不安解消のコツ3

現場復帰する保育士さんの理由として一番は「子どもが好きだから」という方が多いかと思います。子どもはブランクの有無にかかわらず、あなたを「保育園の先生」また「第二のお母さん」として接してくれます。その想いに応えて、一生懸命に子どもに接していくだけでも、不安解消に繋がることでしょう。

復職の悩み「人間関係」への対処ポイント!

人間関係に引っかかりを覚えながら現場復帰をしようと思っている方は、復帰する先の保育園でも人間関係にとても不安を感じていることでしょう。そこで人間関係の不安解消のポイントをご紹介します。

保育の現場は意外かもしれませんが体育会系の色が強く、上下関係に厳しい環境です。復職する場合、周りの保育士さんは自分より年下である可能性が高いでしょう。しかし、年下だからといって初めから慣れ慣れしく接するのは禁物です。年齢は下でも、勤務年数では“先輩”にあたります。初めは年齢に関係なく誰に対しても敬意を払い、挨拶や礼を明るく気持ちよく行いましょう。ついつい「何でも知ってる」「私の時は…」など”自分はできる”という態度を出してしまうと、周りの保育士さんも話かけづらくなってしまいます。どれだけ経験があっても復帰する新しい職場では新人の気持ちになって望みましょう。

復職においてより良い人間関係を築くための6つのポイント

以上の6つのポイントは復帰したい方に限らず、職場で人間関係を円滑にするポイントとなりますのでぜひ活用してみてください!

保育士に復帰する際に気をつけたいことは?

それではここで、実際に保育の現場に復帰するにあたって気をつけておきたいポイントをご紹介します。スムーズな復帰と復帰後のことをしっかりと考えて職場を選びましょう。

勤務形態を考えよう!

さまざまな理由で職場を離れてしまったと思いますが、多くは出産や育児、病気・ケガが考えられます。復職したはいいものの、無理な労働環境で心身ともに支障をきたしては本末転倒です。とくにお子さんがいるご家庭の場合は家庭と仕事を両立しなければなりません。フルタイムで働く際にはしっかりと自分の子どもの事も考えて、保育園入所や学童などの施設の利用、急病などの場合に両親や旦那さんが協力してくれるか等の確認をした上で、きちんと職場に自分の現状を話しておくことが大切です。
しかし、以前の正社員の時のように残業もいとわず働いていては、とてもとても家庭にまで手が回らないでしょう。
効率良く働く為にも“パート・アルバイト”“派遣”などの自分の時間に合わせられ、残業も少なく、生活に見合った勤務ができる雇用形態をオススメします。もちろん正社員でも保育園によってはきちんと育児時短勤務などの福利厚生が整っているところもあるので確認してみると良いでしょう。

研修制度が充実した職場を選ぼう!

復職するにあたりブランクが長く、保育の現場でうまく働けるか不安な方は“研修制度が充実している”保育園を選びましょう。中にはブランク明け専門の研修制度が整っている園もあり、潜在保育士を受け入れる体制が整っている保育園が増え始めているようです。
ブランクの有無にかかわらず、新しい職場で働くことは誰しもが不安になるものですが、しっかりした研修制度はかなり心強いといえるでしょう。

“保育士証”の書換え交付の申請手続きは忘れずに!

保育士として働くためには“保育士証”が必要となりますが、保育士証は結婚などで姓や本籍地が変更になった場合、申請手続きが必要になります。
保育士証書換え交付までにおおよそ2ヶ月程度かかってしまうので、書換えが必要な場合は余裕をもって事前に申請を行っておくことをオススメします。
※書類送付の際には戸籍抄本(個人事項証明書)が必要になりますので先に用意しておくとかなりスムーズに手続きを行うことができます!
書類の取り寄せや書換えについては下記のリンク先をご覧ください。
保育士登録事務処理センター

まとめ
深刻な保育士不足や待機児童に悩む保育業界。その解決の糸口となる潜在保育士の復帰は、保育業界が一番に望んでいることでしょう。
保育士としての誇りややりがいを持ちながらも、現場を離れてしまいブランクがあることで、復帰を躊躇してしまっている方が今回の記事を読んで一人でも多くの方がもう1度保育士として勝活躍されることを願っています。
もし、復職する強い気持ちを持ちながらも、「なかなか希望する条件の求人が見つからない」という方は、ほいくジョブで現場復帰にピッタリの保育園を見つけてみませんか?あなたのライフスタイルに合った働き方ができますよ!