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幼稚園教諭二種免許から一種免許に切り替えできる?一種と二種のメリット・デメリットについても詳しくご紹介!

最近は待機児童の解消を目的とした幼保一元化による認定こども園の増加により、幼稚園教諭免許の取得を希望する方が増えてきていますが、その幼稚園教諭免許には“一種”“二種”と種類があることをご存知でしょうか?
この「一種」と「二種」の幼稚園教諭免許はどっちを取得したら良いのか、違いは何なのか悩む方も多いかと思います。そこで今回は一種・二種免許の違いから取得方法、それぞれのメリット・デメリットまで詳しくお伝えします!二種免許から一種免許への切り替え方法もご紹介しますので、将来的に園長を目指したい方やキャリアアップを目指したい方も必見です!

幼稚園教諭一種免許と二種免許それぞれの取得方法

まずは、幼稚園教諭一種免許と二種免許の取得方法について見ていきましょう。

幼稚園教諭“一種”免許状の取得方法

文部科学省が指定している幼稚園教諭を養成する4年制大学(教育学部など)の所定課程を履修し卒業することで幼稚園教諭一種免許状が授与されます。
また、すでに幼稚園教諭二種免許を取得している方は実務経験と必要な所定の単位を修得すれば切り替え可能です。

幼稚園教諭“”二種”免許状の取得方法

幼稚園教諭を養成する短大や専門学校など、文部科学大臣が指定する学校で所定課程を履修し卒業することで幼稚園教諭二種免許状が授与されます。
また、保育士資格所有者は保育士としての実務経験を3年以上(勤務時間の合計が4320時間以上)積み、幼稚園教員資格認定試験に合格することで幼稚園教諭二種免許状の取得が可能になります。
このように、どの養成施設で単位を取得し、卒業するかによって「一種」と「二種」が分かれています。どちらも幼児教育のプロとしての技術や知識を学ぶことに変わりはありません。
詳しい幼稚園教諭の免許取得の取り方や“幼稚園教諭について”を知りたい方は、下記の関連記事もご参考にしてください。

幼稚園教諭「一種免許」と「二種免許」を比較してみました!

幼稚園教諭の一種免許状と二種免許状の違いは、養成施設だけではありません。その他の大きな違いについて下表にてまとめましたのでご覧ください。

  幼稚園教諭免許一種 幼稚園教諭免許二種
養成機関 4年制大学
※通信制大学含む
短大・専門学校
将来的な役職 園長まで
※制限なし
主任まで
給料 二種に比べて比較的高い 一種に比べて比較的に低い

このような違いはありますが、幼稚園教諭免許の「一種」と「二種」の違いは基本的に幼稚園教諭として優劣をつけるものではなく「どのような学校で学んできたのか」の違いを示すものです。
したがって、「一種」「二種」どちらあっても“幼稚園教諭”であることに変わりはなく、仕事内容に差はありません。その理由について次項にてご説明します。

仕事内容において“一種”も“二種”の違いはありません!

幼稚園教諭としての仕事内容においては一種でも二種でも大きな差がないため、幼稚園の現場では全体の75%(※文部科学省の平成13年発表データ)が二種免許の幼稚園教諭で成り立っています。これは、幼稚園で働く場合には二種免許状を取得していれば十分就職・転職ができ、実際に幼稚園教諭として活躍する上でも全く問題なく働くことができているからです。
主な理由としては、より早い段階で戦力化できる人材に長く働いてほしいと二種免許を好んで採用する幼稚園が多いからだと考えられます。また、社会人や保育士から幼稚園教諭を目指すケースが多くみられるため、二種のような短期間で学費面も抑えられることを利点に感じる方が多いようです。
ただし、二種は将来的なキャリアは主任までとなります。園長を目指したい方や保育事業を運営する一般企業に就職し安定したいという方は、一種免許の取得を目指すと良いでしょう。

幼稚園教諭一種免許と二種免許それぞれのメリット・デメリットは?

ここで一種と二種それぞれのメリット・デメリットをまとめてみました!どちらの免許にするか迷っている方はぜひ参考にしてください。

幼稚園教諭一種免許のメリット・デメリット

メリット
・広がる将来性! 幼稚園のトップとなる園長になれる資格のため、キャリアアップを考えている方には大変メリットとなります。また、他の先生を管理する指導者や保育事業の一般企業の就職にも有利です。
・給料を優遇している園があります! 多くの時間と学費をかけて4年制大学を卒業して取得した一種だからこそ、二種よりも初任給や昇給額を高くしている幼稚園が多い傾向にあるので、あまり給料事情が良くない保育業界としては嬉しい恩恵を受ける場合があります。
・希望の幼稚園の就職間口が広がる! 幼稚園の中には「一種免許取得者のみ」という採用条件を設けている園もあるので、選択肢を狭めることなく、条件の合う求人に応募することができます。
デメリット
・働ける年数が短い 4年制の大学を卒業してから幼稚園勤務をするので必然的に2、3年制の短大を卒業した方に比べて、約2年ほど幼稚園の現場で働くのが遅くなってしまいます。
結婚や出産を機に現場を離れることが多い幼稚園教諭は、幼稚園側にとっては少しでも長く勤務してほしい為、新卒採用では大卒よりも短大・専門卒の学生をほうが採用のバーが低いことがあります。
・職場での上下関係がややこしい 上記のように働き始めた“歳”が違うため、同い歳や年下の職員が自分の「先輩」になる可能性があります。そこに強いストレスを感じてしまい、働く上でやりにくさや人間関係に亀裂が生じてしまうことが考えられます。

二種免許のメリット・デメリット

メリット
・免許取得にかけるコスパがいい! 4年制大学に比べると安い学費で、幼稚園教諭に必要な知識や技術を短期間で学べます。社会人の方や保育補助をしていた方にはピッタリの免許です。
・早く幼稚園の現場経験が積めます! 早ければ20歳から幼稚園で働ける二種免許は、大卒の人より2年も早く実務経験を積むことができます。
もしそこでもっとキャリアを積みたいとなれば一種の切り替えを視野に入れることも可能です。
デメリット
・給料面で不満が出てしまうかも 一種免許と同じ待遇という幼稚園も中にはありますが、比較的に一種に比べて給料を低めに設定している幼稚園が多いようです。「実務経験としては先輩なのに…」と疑問が嫉妬などに変わってしまう可能性があります。
・役職は高くとも主任まで 二種免許では園長になることができないため、経験を積んで「自分の理想とする幼稚園を作りたい」と思っても園長になることは基本的にできません。将来的に園長を目指すのであれば、やはり一種免許を頑張って取得する必要があります。

幼稚園教諭二種免許から一種に切り替える方法!

幼稚園教諭免許の“二種”を取得したものの、将来のことや給料のことも考えると、一種免許に切り替えたいと思う方も少なくないでしょう。
もちろん努力次第となりますが、二種から一種への切り替えは可能となります!二種免許を取得していて、幼稚園教諭として実務経験5年以上の方なら各自治体が定めている大学などの養成機関で所定の単位を取得するだけで一種免許が得ることができます。

幼稚園教諭二種から一種への「実務経験年数と必要単位数表」

実務経験年数 最低修得単位数
5年 45単位
6年 40単位
7年 35単位
8年 30単位
9年 25単位
10年 20単位
11年 15単位
12年 10単位

このように幼稚園教での最短実務経験5年では45単位必要となりますが、実務経験が12年あれば10単位で取得できます。つまり実務経験が長いほど単位取得数が少なくなり、一種免許を取得しやすくなります。ぜひ、上記の表を確認して計画的に一種免許取得目指しましょう!

公立幼稚園や保育事業の一般企業への就職を考えている方へ

採用されるのが難しいとされる公立幼稚園や保育事業を展開する一般企業に就職を考えている方には“幼稚園教諭専修免許状(通称:専修)”の取得もオススメです。
幼稚園教諭を養成する大学院の所定修士課程また専攻科で学び修了した方が“専修”を取得することができ、一種免許からの切り替えも“幼稚園での3年以上実務経験と所定15単位修得”で可能となります!

まとめ
幼稚園教諭として働く上では一種免許も二種免許も違いがないということは、どちらも肝心なのは「教諭・教師」としての技量ということになります。子どもの教育がメインとなる幼稚園教諭は、子どもたちの発達状況や個性を十分に理解し、一人ひとりに応じたきめ細かな指導やさまざまな活動を育んでいくことがどちらの免許を取得しても必要になります。
ただし、今回ご紹介した通り、将来のキャリアビジョンによって一種・二種どちらの免許を取得すべきかが変わります。「ゆくゆく自分で幼稚園を運営したい」「なによりも子どもたちと関わっていく時間を持ち続けたいと」など何を自分の未来の目標にするかを考えることが重要となってきます。
また、一種や専修への切り替えのチャンスはたくさんあります。今からでも遅いということはありませんので、自分がどう子どもたちと向き合っていきたいのか一度考えてみてはいかがでしょうか。