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保育園での土曜日保育の実態とは?土曜日に利用できない場合の対応策とは?

平日、保育園に子どもを預けている保護者の方の中には急に土曜日に仕事に出なくてはならなくなった時もあるでしょう。そんな時に利用をするのが保育園で行っている“土曜日保育(以下、土曜保育)”ですが、保育士に怪訝そうな顔をされたことはありませんか?
そこで今回は肩身の狭い思いをしている保護者の方のために、土曜保育の実情についてご紹介します。実際に土曜保育を利用した保護者の体験談から、保育園の土曜保育以外の子どもの預かってもらえる制度のご紹介まで取り上げていきたいと思います。

保育園で土曜に預かってもらえるの?

そもそも土曜日に保育園に子どもを預けることはできるのでしょうか。
近年は働き方が多様化してきており、在宅勤務や夜間勤務などライフスタイルに合わせて仕事をしている保護者の方も増えている一方で、まだまだ土曜保育を利用される方も少なくないでしょう。そのため基本的にはどこの保育園でも土曜保育や休日保育を行っています。ただし園によって、土曜に預けられる条件が異なり、時には就労証明書などの書類を求められる場合があります。地域によっては土曜保育を行っていない園も存在しますのであらかじめ確認しておきましょう。

土曜保育を利用した保護者の体験談

それでは実際に土曜保育を利用した保護者の声を見てみましょう。

お願いする時はいつもギクシャク…(Jくんママ)
「仕事柄、急に土曜出勤になることがあります。しかし、通っている保育園では土曜保育の申請を木曜までにしなくてはならず、期限を過ぎて申請すると嫌な顔をされます。また平日の時とちがって少しで
「お休みじゃないの?」のと疑われます(Mちゃんママ)
「午後から仕事が入ってしまい、急遽土曜保育をお願いしたことがあります。朝、まだ仕事の準備をしていなかったため私服で連れていくと、先生にすごいイヤな顔をされました。『お母さん、今日お仕事ですよね?』と疑うように聞かれてしまい、朝からテンションが下がりました」
子どもの事を大切にしていないと言われてるようで…(Eちゃんママ)
「職業柄平日と土曜に仕事があり、平日はいつも18時頃お迎えに行っています。先日、土曜保育の日に早めに仕事が終わったため16時頃にお迎えに行くと、先生に『このくらいの年齢の子は、16時くらいのお迎えがちょうどいいですよ。あんまり遅いと可哀想そうですからね』と嫌味のように言われました。まるで子どもを大切にしていないんじゃないかというような言い方をされたのでショックでした」

以上の体験談は、土曜保育を利用した一部の保護者のお声となります。しかし、土曜保育はどこの保育園でもあまり良い顔をしてもらえないのが現実のようです。

土曜保育の利用概要~申請方法や保育時間など~

土曜保育を利用する際にはそれぞれの通っている保育園によって申請方法などが、平日に行っている通常保育と異なる場合があります。そこで一般的な土曜保育の利用概要をまとめてみましたので参考にご覧ください。

申請方法

基本的に保育園によって様々ですが、多くは「利用希望日の数日前や1週間前まで、または毎月20日までに申請用紙を提出する」というルールがある保育園が多く、このような申請方法に従わないと子どもを預かってくれないこともあるようです。こんなに申請に厳しい理由としては保育士のシフト調整や確保と給食の手配など保育園側も準備をしなければならないためです。

保育時間

通常の保育とは保育時間が異なる園が多く、朝7時~夕方18時までなどと平日よりも短めとなっており、地域によっては午前中のみという場合もあります。その上、平日のような延長保育を行っていないこともあるので、平日と同じ感覚で預かってもらうのではなく、きちんと「何時まで預かってくれるのか」事前に確認しておくことが非常に大切です。

給食・おやつ

土曜保育の場合でも給食やおやつが出る保育園もありますが、別途料金が必要だったり、希望者のみ手配ということも。またはおやつは出るけどお昼ご飯はお弁当を持参する保育園もあるなど、園によって様々です。

料金

保育園によっては基本保育料金内で預けられ、別料金が発生せずに利用できることがあります。しかし、民間の保育園や認可外保育園の場合には、別料金が発生するので平均2,000~4,000円/日のところが多く、やはり平日の保育料よりもやや割高になっているのが一般的です。
また、下記の例のようにGWなどの特別休暇の際には特例で指定の日時のみ預けることが可能等の施策を実施している自治体もあります。

例)ゴールデンウィーク中の保育について(千葉県浦安市)
日付 平成31年4月30日、5月2日
時間 7:00~19:00
場所 東野保育園、高洲保育園
対象 ①浦安市内認可保育園などに在籍していること
②勤務証明書で、保護者及び同居人家族全員の利用当日の就労が証明できること
③健康で集団保育が可能な生後4か月以上であること
定員 先着順(1日の定員各園10認程度※年齢によって受け入れ可能な人数に限りがあります)
費用 0歳~2歳:1日3,500円
3歳~5歳:1日2,500円
※食事代、おやつ代を含む
持ち物 着替え一式(2~3組)、おむつ、おしりふき、ビニール袋、食事用エプロン3枚(0歳~2歳)、食事用ハンドタオル3枚、コップ、午睡用バスタオル2枚など
申込 申し込み期間に直接保育園に電話で申し込み
申込期間 4月8日~4月12日 午前9時~午後4時

※申し込み後、書類提出し、面接が必要となります

保育園の土曜保育が利用できない時はどうすればいい?

時には、保育園の決まりである申請日に間に合わずに土曜保育が利用できなかった!など子どもを預けたいのに預けられないこともあるかと思います。そんな時に役立つ情報をご紹介します。

“一時保育”を利用する

一時保育は育児負担の軽減を目的として子どもを一時的に預かってくれる制度なため、仕事はもちろんのこと急な用事やリフレッシュなど私的な事情でも利用可能です。各自治体によって申請や利用方法が異なりますが、利用料金は平均約2,000~3,000円/日かかり利用施設によっては10,000円をも支払う場合があります。また私的理由での利用も可能なため、すぐに定員に達してしまい非常に予約を取ることが困難です。なかなか電話すら繋がらず、とある保育園が行っている一時保育では「予約の電話は通園している子ども達が昼寝中の時間帯のみ」など予約の時間帯も決められていることもあり、一時保育を利用するまでに時間が関ってしまうことがありますのでご注意ください。さらに、毎日通っている保育園ではないため子ども自身が保育士や他の子ども達に人見知りしまうことも考えられますので子どもの心のケアも必要となります。しかし、基本的に保護者の育児疲れによる身体的・精神的負担を軽くするために設けられているものなので、ややデメリットは多くありますが、心に余裕を持つきっかけとしてでも子どもを預けてみはいかがでしょうか。
※一時保育の詳細は、お住まいの実施市区町村へお問い合わせください。
※尚、東京都の一時保育施設の一覧は「東京都福祉保健局」から確認が可能です。

一時保育の利用について(一例)
対象 指定区域に居住している生後4か月以上の就学児
※定期的に集団保育(幼稚園など)に預けている場合は「緊急保育」のみ対象となる場合もあります
保育時間 一日利用・・・午前8時~午後5時(土曜日は正午まで)
半日利用・・・午前8時~午後1時、午後1時~午後5時
利用料 3歳児未満/1日2,000円
3歳児以上/1日1,000円(半日の場合は半額)
※昼食を利用する場合は、1食200円
申込 利用開始希望日の前月1日~当日までに電話で利用希望する園へ申し込み
※初めて利用する場合は原則として利用日の前日までに申し込み

“ファミリー・サポート・センター事業(子育て援助活動支援事業)”を利用する

厚生労働省が「子ども・子育て支援新制度」の開始に伴って、平成27年度から「地域子ども子育て支援事業」として実施している制度です。概要としては以下の通りとなります。

ファミリー・サポート・センター事業は、乳幼児や小学生等の児童を有する子育て中の労働者や主婦等を会員として、児童の預かりの援助を受けることを希望する者と当該援助を行うことを希望する者との相互援助活動に関する連絡、調整を行うものです。
(引用抜粋:厚生労働省

つまりは、この制度の会員となっている子育て援助を行いたい地域住民の方が、援助を受けたい方に対して育児のサポートをしてくれる“地域の中で支え合うシステム”です。そして各自治体に設けられているファミリー・サポート・センターのアドバイザーが会員同士の仲介や紹介、交流会の開催、連絡調整を行っています。

全国の実施状況(平成29年度実績)
実施市区町村数
基本事業 863市区町村
病児・緊急対応強化事業 151市区町村
会員数
援助を受けたい会員 57万人
援助を行いたい会員 13万人

こちらも会員登録さえしていれば、仕事以外にも兄弟の習い事や行事参加など短時間の利用も可能となっていますので、近くに親戚もいない方や急な残業・出張の日でも安心な制度です。
※ファミリー・サポート・センター事業の詳細は、お住まいの実施市区町村へお問い合わせください。
※尚、東京都のファミリー・サポート・センター事業の一覧は「東京都福祉保健局」から確認が可能です。

ファミリーサポート制度(一例)
対象 区または市内在住で生後57日目から小学校6年生の子供
利用料 月曜日~金曜日午前6時から午後10時/1時間あたり700円
    土曜、日曜、祝日、休日および年末年始(12月29日から1月3日)ならびに上記以外の時間/1時間あたり900円
宿泊 午後10時から翌6時まで/1泊8,000円
   前後必要な時間/通常利用料を加算
会費 1,200円(入会時のみ)
受付 月曜日から土曜日 午前9時から午後5時まで(日曜、祝日、年末年始を除く)
※アドバイザーが常駐し、入会説明などを実施

このように子どもを預けられる施設は保育園だけではありません。各役所に相談してみたり、託児所やベビーシッター、地域の子育て支援を活用してみるのも良いのではないでしょうか。
また子どもが病気にかかってしまった場合には保育園には預けられないため、病児保育室も事前に調べておいて必要な場合にすぐにお願いできるように準備をしておくと安心です。
土曜保育は保育園にすべてを任せするだけでなく、働き方や家族のサポートを含めてバランスを取りながら利用していきましょう。

気持ち良く土曜保育を利用するには早めの”相談”と日頃からの”信頼関係”

保育園での土曜保育は、現在ほとんどの園で実施しています。しかし、園の状況次第では預けられなかったり、急用時には対応してもらえなかったり、利用してもあまりいい顔されなかったり…とさまざまな問題があります。そこで少しでも保護者も保育園側も気持ち良く土曜保育を行えるように、まずは“早めの相談”から取り組んでみましょう。園側があまりいい顔をされない理由としては、保育士の人員確保からシフトの調整、給食・おやつの準備、環境整備などをしなければならず、子どもの命を預かる場としても急な対応は難しいようです。なので、出来るだけ土曜保育がお願いすることになったらなるべく早めに保育園へ相談することで保育士のシフトも調整しやすくなるでしょう。また、普段から保育園と良好な関係を築いておけば、急な調整も柔軟に対応してもらいやすくなるでしょう。

保育園と良好な関係を築くポイント
・日頃から保育士とのコミュニケーションを大切にする
・「ありがとうございます」「今日もよろしくお願いします」など感謝の言葉を伝える
・絶対に嘘をつかない
・報告、連絡、相談を迅速にする
・保育園のルールを明確にし確認する

ぜひ上記のポイントを意識して取り組み、保育園には土曜保育だけではなく、いつでも気軽に子育ての相談ができるような関係を築いていきましょう。
ただ、土曜保育をお願いする場合は事前申請が必要な場合が多く、申請期限を過ぎてしまうと預けられない可能性があります。そんな時には今回ご紹介してたような“一時保育”や“ファミリーサポート”の活用も選択肢の一つとして知っておくことで万が一の時にでも慌てずに子どもを預けることができますよ。

まとめ
保育園での土曜保育は普段仕事をしている保護者にとってはとても助かるサービスです。しかし、人手不足の現状もあって、預かる子どもの定員数はまだまだ少ないので、できるだけ家族の協力や他各自治体の制度の利用も考慮して育児疲れが生まれにくい環境作りを心がけていきましょう。
また、保育士さんはこのように苦労をしてる保護者の気持ちに寄り添うような対応をしていくことで、長期的に良好な関係を築いていくことができるでしょう。