共働きのパパ・ママにとって子どもの保育園問題は避けては通れない道。待機児童問題がニュースでも多く取り上げられている昨今で、入園できるかとても不安になりますよね。実は保育園に入園するにはある一定の基準や条件が必要になります。この条件をクリアしない限り認可保育園には入園することはできません。特に待機児童の多い地域の場合は倍率も高く、毎年待機児童数が増えている状況です。そこで今回は認可保育園に入園できる条件や、審査に大きく関わる点数の計算方法、入園がしやすい時期などをご紹介していきますので是非参考にしてください。
「認可保育園」とは国が定めた認可基準(施設の広さ、職員数、給食設備など)をクリアし、都道府県知事に認可された施設を指します。認可保育園は公立と私立に分けられ、公立は自治体が、私立は社会福祉法人やNPO法人、株式会社などが運営しています。その他にも認定こども園、小規模保育、家庭的保育、認可の事業所内保育園などの施設も認可保育施設であり、これらに入園を希望する場合は、保育の必要性の認定(支給認定)を受けなければいけません。支給認定には区分があり、その区分によって入園できる施設が決まります。
認定区分について | |
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認定区分1号 | 保育の必要性が認められない3歳以上、幼稚園を利用することが前提 |
認定区分2号 | 保育の必要性を認められる3歳以上 |
認定区分3号 | 保育の必要性を認められる3歳未満 |
・2号認定、3号認定の子供の保育の必要量は、保育を必要とする理由や保護者の状況に応じて「保育標準時間」「保育短時間」に分類されます。(標準時間/最長11時間、短時間/最長8時間)
・認可の保育施設や自治体の助成を受けている認可外保育園の場合、原則として施設がある市区町村在住の人が優先
・自治体の助成を受ける認可保育園は住所を問わない施設もあります
認可保育園に関しては、保育園のある自治体エリアに住んでいる人が優先的に入園することができます。自治体によっては区外・市外入園を受け入れている地域もありますが、区外・市外からの優先度は低いことが多いようです。また区外・市外から入園を希望する際は、現在住んでいる地域の自治体で申請書類を揃える必要があります。
なお、現在は区外・市外であっても、入園予定の区・市へ引っ越し(転入)予定であれば、入園前に申し込むことで優先度が区内・市内と同等になることもあります。その際は賃貸契約書や住民税課税証明書のコピーを準備しておきましょう。
自治体の募集人数を超えて申し込みがあった場合、入園選考(利用調整)が行われ、選考時の資料として申請書と必要書類の指数を合わせて判断します。その合計点(保育の必要性)が高い家庭から入園の内定が決まっていきます。
【利用調整基準点数表の一例】 | |
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1週間の労働時間が40時間以上である場合 | 50点 |
1週間の労働時間が35時間以上40時間未満である場合 | 45点 |
1週間の労働時間が30時間以上35時間未満である場合 | 40点 |
1週間の労働時間が25時間以上30時間未満である場合 | 35点 |
1週間の労働時間が16時間以上25時間未満である場合 | 30点 |
※一部抜粋
【調整点の合計が同点の場合の判定基準一例】 | |
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・保護者が不存在の場合(死亡、行方不明、拘禁、未婚、離婚、離婚調停中の別居等の理由により両親不存在またはひとり親の状態にある場合) | +10点 |
・生活保護法による被保険者世帯である場合 | +7点 |
・育児休業(雇用保険の被保険者の休業に限る。)の取得に伴い、産前休暇の開始日から出産日の属する月の2か月後の月末までに市内の施設等の利用契約を解除した場合であって、当該育児休業の期間の終了により元の職務に復帰するとき | +10点 |
・内定の辞退 | -10点 |
※一部抜粋
上記のように、保育園に入園するには利用調整を受けなければなりません。この利用調整は、各世帯の状況を確認しながら行われます。なので、少しでもポイントアップをしたいと願う家庭が多く、点数アップの為に様々な方法を試みる人もいます。
例えば、就業日数や就業時間を増やすことで調整基準点数を上げる人がいますが、これはパートよりも正社員やフルタイムで就業している方が点数が高いためです。また、市区町村によっては認可外保育園に入園していると点数が上がる場合もあるので、認可外保育園へ入園させて点数を稼ぐ人もいます。
さらに祖父母と同居している場合は、「保育できる人がいる」と思われてしまうことが多く、入園ができないことがあるので、祖父母との同居をやめる人もいるようです。賛否両論ありますが、ひとり親世帯になると点数がさらに上がる為、離婚をする夫婦もいるそうです。しかし、一番大切なのは子どもと家族のために何が一番大切かということなので、行き過ぎた点数アップの方法はとらないようにしましょう。
よく待機児童問題が話題になる昨今ですが、保育園に入りやすい年齢などはあるのでしょうか。下記の例を参考に検証していきます。
平成31年4月の保育園空き状況(公立・私立) | |
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0歳 | 21人 |
1歳 | 0人 |
2歳 | 0人 |
3歳 | 9人 |
4歳 | 84人 |
5歳 | 89人 |
1、2歳児のクラスは空きがないのに対し、0、4、5歳は空きが多い事がわかります。
育休制度の影響で、1、2歳児クラスは倍率が非常に高くなっています。3歳以上のクラスに空きがあるのは幼稚園に入園させる親も多いのが要因の一つです。0歳クラスに関しては、産休明けで復職する人が主に申請を行います。育休制度を利用する人が多い為、どうしても保育園に入りたい場合は0歳から入園させることを考えてもいいのかもしれません。
自治体に提出する書類は多岐に渡ります。事前にどんなものが必要か、確認しておきましょう。
※自治体によって若干違いがあります
①支給認定申請書(2・3号用) | ・世帯の状況と保育を必要とする理由などを明記 |
②入園申込書 |
・家族全員の状況、保育を必要とする理由、希望する保育園名(第1希望~第6希望) ・入園を希望する期間、入園後の送迎をする人の氏名、別居の祖父母の状況、父母の勤務状況(または疾病や障がい、就学、介護、求職など)、申込児童の健 康状態等を記入 |
③保育を必要とする理由(保護者が保育をできない理由)を証明するための書類 |
・仕事をしている場合は就労証明書、就労予定証明書、就労状況申告書(自営業などの場合)などが、父母共に必要 ※就労証明書は、職場で記入してもらう欄がある為、作成は余裕をもって進める |
④保育料決定のための税資料 | ・主に世帯主分を用意 |
※家庭の状況によって必要となる書類
⑤延長保育申込書 | ⑥採用内定証明書 |
認可保育園の入園申込みは、かなり早い時期から始まります。必要書類を集めたり、情報収集が必要になるので早めに行動することが大切です。
※首都圏の例
10ー12月 |
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自治体にて申込み |
1-2月 |
入園選考 |
2月上旬 |
選考結果の通知 |
2月上旬 |
二次募集選考開始 |
3月上旬 |
二次募集選考結果通知 |
2-3月 |
入園内定 |
2-3月 |
面接・健康診断 |
4月 |
入園 |
自治体が入園申請書類を配布する前に、事前説明会や見学会を行う保育園もあります。特に新設する保育園に関しては注目度も高い為、事前予約が必要だったり抽選参加になることもあります。
よく保活の話で、内定をもらう為に嘆願書を作成したり、何度も自治体の窓口に通う人もいますが、一番大切なのは”保育に困っている現状を正しく伝えること”です。嘆願書を添えたり、絶対に入りたい園だけ希望欄に記入して「内定をもらえた!」という話を成功談として紹介しているのを目にすることがありますが、真に受けてはいけません。嘆願書よりも、「育休が延長できない」「同居している祖父母はいるが、病気のため保育は頼めない」など具体的な事実を記入したほうが参考されやすい傾向にあります。
また、第1希望の保育園しか記入をしていないと、他の園に空きが発生しても選考の対象として見てもらえなくなる可能性があります。特に書類不備による指数の減点はもったいないので、勤務実績や収入実績に整合性がない、前年度の収入がわかる書類に不備がないかどうか必ず確認してから提出するようにしましょう。
認可保育園の内定が取れなかったときを考えて、「認可外保育園」への入園申込みも視野に入れておきましょう。
認可外保育園とは認可基準は満たしていないが、安全な環境で保育士が子どもを保育してくれる保育園のことです。認可保育園と異なり、幼稚園のように教育に力を入れている施設も多く、最近では英語やリトミック等を教える保育園も増えています。
また、認可のようにおむつやおしりふきを持っていく必要がなく、すべて園側で用意してくれる施設もあります。認可外保育園は認可保育園と異なり、直接保育園に申込みを行います。(契約は園と保護者が直接行います)また親の就労証明書や勤務状況等の書類提出の必要性がない施設も少なくないので、園との面談で入園するかどうかを決める事が可能です。保育料金は認可保育園と異なり、施設ごとに料金が設定されています。認可保育園よりもやや高めの保育料金が設定されていることが多いです。