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保育士の仕事を体験しよう!~1日保育士体験とは~

保護者の方々にとって、保育園及び保育士の存在はとても心強いものですよね。とはいえ、実際に保育士がどのような仕事をしているのか、保育園で子供たちがどのように過ごしているのか、といったことを知る機会はほとんどありません。
今回の記事では、保護者にとっても保育園にとってもメリットのある「1日保育士体験」について紹介していきます。「興味はあるけど、参加してみようか迷っている」といった保護者の方々も、ぜひご参照ください!

1日保育士体験とは?

少子化問題に揺れる近年、家庭の教育力・養育力の低下といったことが言われています。近所ぐるみの付き合いなども希薄になり、初めて子育てを経験される方にとっては、周囲にアドバイスやサポートしてくれる人も不在で、たくさんの不安を抱えながら、どのように子どもに接すればいいのか分からない、と悩まれている方々も多くいらっしゃいます。
そんな中、保護者の保育参加事業として「1日保育士体験」の取り組みが、全国的に広がり始めています。その名の通り、保護者の方が保育士として、保育園の一日を子どもたちと一緒に過ごします。実際に遊びや手洗い、絵本の読み聞かせや給食体験、排泄補助などを体験します。1日の終わりに修了証が渡され、後日アンケート用紙などに感想等を書いていただく形が一般的のようです。何か特別なことをするのではなく、「保育園の1日を直に体験する」事業です。そんな「1日保育士体験」の意義は、どういったものになるのでしょうか。

1日保育士体験の意義について

「1日保育士体験」は、埼玉県から始まった事業です。実際に子どもが保育園でどのように過ごしているのかを知ることができるだけでなく、他の子どもと触れあい、自身の育児に対する視野を広げることができます。また、子育てのプロである保育士から多くのことを学ぶことができますし、日頃なかなか話す機会もない保育士とコミュニケーションを取ることで、お互いの信頼関係の構築にも役立ちます。埼玉県の私立保育園が中心となり、活動を続けている「親心を育む会」が提供している一日保育士体験マニュアルによると、親心を育む効果やワークライフバランス効果といった保護者にとっての意義のみならず、保育園にとっても保育士の資質向上や、保護者との相互理解が深まるといった意義が挙げられています。
※参照:親心を育む会ホームページより

1日保育士体験って実際にどんなことをするの?

それでは、「1日保育士体験」が実際にどのようなことをするのか紹介していきます。実施している保育園によって内容は異なりますので、あくまで一例として、一つの参考にしていただければと思います。

タイムスケジュール一例

  子どもの保育の流れ 体験の内容
8:30~ ・登所 ・親子で登所 ・オリエンテーションの参加 ・片付けの補助など
9:00~ ・朝の会 ・トイレ・手洗い ・自由遊び ・出欠の確認など ・排泄や手洗いの手伝い ・子どもたちと一緒に遊ぶ
9:30~ ・おやつ・体操・クラス保育など ・おやつの補助・一緒に体操に参加・一緒に活動に参加
11:00~ ・遊びの片付け・給食準備 ・片付けの補助・給食準備の補助
11:30~ ・給食開始・片付け・歯磨き、トイレ等 ・一緒に給食を食べる・片付け、排泄の補助等
12:30~ ・お昼寝の準備・お昼寝 ・絵本の読み聞かせなど・子どもの見守り・担任と懇談など
15:00~ ・めざめ・トイレなど・おやつ、自由時間 ・子どもの対応、布団の片付け・排泄補助、おむつ交換など・子どもたちと一緒に遊ぶ
16:00~ ・帰りの準備・降園 ・帰りの準備の補助・体験終了・アンケートの記入

1日保育士体験のメリットとは

「1日保育士体験の意義について」の項目でも述べたように、この事業は保護者だけでなく、保育士・保育園側にとっても大きなメリットがあります。幾つかの例を挙げていきますので、下記をご参照ください。

保護者にとってのメリット

子どもの成長を実感できる
家の中ではなく、保育園という場所で一日を過ごす我が子を見る機会はなかなかありません。積極的に片付けなどをしている姿や、他の子どもとの交流などを見て、我が子のみならず、子ども一人ひとりの成長過程や多様性などへの理解も深まります。
どのような保育を行っているのかが分かる
実際に経験してみることで、お世話になっている保育園がどのような保育に取り組んでいるのかが理解でき、保護者としての安心感が生まれます。
自分の子育てを見直す機会になる
子どもが言うことを聞かないので、度々叱りつけてしまっていた保護者の方が、保育士が積極的な声かけや小さなことでも褒めてあげることを実践しているのを見て、否定的な言葉をあまり使わないようにしよう、と反省したケースもあるそうです。保育士体験を通して、子育てのヒントを多く学ぶことができます。
保育士の凄さが分かる
個性も能力も体格も違う子どもたち一人ひとりに対して、柔軟に対応していく保育士の凄さが改めて理解できます。保育園に対する感謝も生まれますし、お互いの理解も深まるでしょう。

保育士・保育園側のメリット

保育士の資質向上に繋がる
保護者が側にいる環境で保育を行うことは、保育士にとっても緊張感が生まれ、保育士の資質向上に繋がります。
保護者との交流
保護者と直に接することで、園児の家庭環境についての理解も深まります。また、日頃どのような保育をしているのかを知ってもらうことで、信頼関係の構築にも役に立ちます。
まとめ
「1日保育士体験」に対して、「どうして参加しなくてはいけないのか」と懐疑的な保護者の方もいらっしゃるかと思います。また、保育士側にしても、保護者が側にいる中で仕事をすることに抵抗がある方もいるようです。ですが、今回説明してきましたように、「1日保育士体験」という事業は双方にメリットがあり、結果的に子どものためにも繋がっていく、大変意義のあるものです。ご自身のお子さまが通う保育園で「1日保育士体験」を実施しているのであれば、ぜひ参加してみることをおすすめします。そして、保育園側においても、積極的に「1日保育士体験」を導入してみてはいかがでしょうか。