10月31日。秋の一大イベントであるハロウィンに向けて行事の準備をしましょう!
今回は行事のアイディアに悩む保育士さんの為に、子どもたちにハロウィンの由来などを上手に楽しく伝える方法から、ハロウィンにピッタリの仮装・工作・出し物・壁面装飾・おやつのレシピまでご紹介します。
近年では大人も楽しむことの多いハロウィンですが、それに負けないくらい子どもたちと一緒に盛り上がる行事にしたいものですよね。保育園での行事ではしっかりと行事の発祥や歴史を楽しみながら教える役割をしています。ぜひ、子どもたちにとって楽しいハロウィンとなるように素晴らしい企画を練りましょう!
最近ではニュースにも取り上げられるほど、老若男女問わず盛り上がりを見せているハロウィンですが、少し前までこの行事を行っていない保育園もあるほど、日本の歴史としては目新しい行事になります。
ハロウィンは外国の風習なので、ただ楽しむだけでなく、きちんとしたハロウィンの由来を子どもに伝えてあげましょう。
ハロウィンは、日本から9,654kmも離れたアイルランドの地で2000年以上も前に行われていたサウィン祭が起源とされています。そこで暮らしていたケルト民族の一年の終わりは10月31日、11月1日が新年とされていました。そこで秋の収穫を祝う収穫祭を行うと同時に、10月31日はあの世とこの世の境目が薄くなり、死者達が現世に戻ってくるとされていました。そこには魔女や悪霊など悪さをする者もやってくると信じられていたため、悪霊を追い払ったり、身を守るための仮面を被るなどをして、魔除けの焚き火を焚くお祭りが同時に行われていました。これが今のハロウィンの始まりと言われています。
日本で言うところの、死者が帰ってくる“お盆”と季節の変わり目に生じる邪鬼を払う“節分”が合わさったものというとイメージが湧きやすいかもしれません。
保育園ではこのハロウィンを通じて、子どもたちに秋という季節を感じてもらいながら、外国の文化に触れることで、英語への興味や様々な国の多様性を知るきっかけにもつながります。今後、文部科学省の方針で小学校高学年から英語が必須科目となってくる時代に合わせて、外国語への関心を持つ機会にもなるでしょう。英語という学びも織り交ぜてハロウィンを過ごしてみましょう。
ハロウィンの由来や意味を子どもたちに正しく、楽しく伝える際には、まずはハロウィンをテーマにした絵本を活用してみることをおススメします。絵本は子どもたちにも親しみやすく理解されやすいだけでなく、落ち着かせる効果も持っています。さらに絵本のあらすじは小さい劇や遊び、オリジナルの紙芝居やペープサート、エプロンシアターなどにも使えます。
ハロウィンのかくれんぼ | |
▽出版社:ポプラ社 (2016/9/2) ▽著:いしかわ こうじ ▽推奨対象年齢:0~2歳 ▽内容紹介: ページをめくると、かくれていた形があらわれて、子どもたちの想像力を刺激!ハロウィンをテーマとした本作では、子どもたちが大好きなおばけや魔女、ジャック・オー・ランタンのかぼちゃに、お菓子などハロウィンにちなんだものがたくさん登場します。 出典:Amazon |
ハッピー ハロウィン! | |
▽出版社:講談社 (2013/9/6) ▽著:新井 洋行 ▽推奨対象年齢:1歳~ ▽内容紹介: 本作は、小さい子でもハロウィン気分が味わえる、シンプルな内容。あなた(読者)のおうちに、オバケやオオカミ男など、さまざまなモンスターが訪れ、最後にあらわれた魔女が、あなた用の仮装のお面を持ってきてくれて……という流れでストーリーが展開します。 出典:Amazon |
ハロウィーンって なぁに? | |
▽出版社:主婦の友社 (2006/9/13) ▽著:クリステル デモワノー ▽訳:中島 さおり ▽推奨対象年齢:4歳~※2歳からでもOK ▽内容紹介: 魔女のビビがおばあちゃんに聞く、はじめてのハロウィーン。 物語を読むだけで、その由来から楽しみかたまで、バッチリわかります。日本ではじめてのハロウィーン絵本。 出典:Amazon |
もう少しサクッとハロウィンを伝えたい時には、ハロウィン行事の始まりを工夫してみてはいかがでしょうか。
他の保育士とも協力をして「みんな、今日はねイタズラをする悪いお化けがやってくるよ!みんなも変身(仮装)をして、悪いお化けを追いはらおう!」などの掛け声とともに、続けてお化け役の保育士が登場をし、子どもたちに追い払わせます。そして「やったね!今日はハロウィンだから悪さをするお化けを追い払わないといけなかったの。みんな追い払ってくれてありがとう、これからハロウィンパーティーだよ♪」と、寸劇を織り交ぜることで動きのある楽しい伝え方になります。
ハロウィンといったらなんといっても仮装です!男の子も女の子も変身することは大好きですから、仮装をするだけでハロウィンが盛り上がります。
ハロウィン仮装の代表的なものとして、
大人のハロウィンではアニメキャラクターなど本来のハロウィンの仮装としては少しズレているものが多いですが、保育園ではハロウィンの正しい由来を伝える為にも定番な衣装が良いかもしれません。
しかし、大規模な園では大人数の子どもたちの仮装衣装を用意するのは大変だと思います。そこで今回はあまり凝らずに短い時間でも用意できる可愛い衣装をご紹介したいと思います。
材料は、オレンジの画用紙4枚とはさみ、ホッチキス、セロテープのみの簡単なかぼちゃマスクです。事故防止に顔となる目鼻口は大きめに切り抜けば安心です。
出典・詳しい作り方はこちら
なんといってもビニール袋(ゴミ袋)は保育園での行事では万能で欠かせないものです。もちろんハロウィンでも黒いマントから可愛いスカートまで活用できます。白いビニール袋を使えば簡単にシーツおばけも作れますよ。
出典・詳しい作り方はこちら
画用紙とテープやノリでだけで簡単にできる魔女の帽子です。また布やフェルトを使ってアレンジすることも可能なので、見栄えも可愛さもバツグンです。簡単に落ちないようにする場合には、帽子の内側にゴムやリボンをセロハンテープで貼り付けるだけで応用がききます。
出典・詳しい作り方こちら
Tips①仮装の意味は? |
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ハロウィンの仮装にもきちんとした由来があります。仮装には、あの世へと人間の魂を連れて行こうとする悪霊たちから身を守る為に、怖い姿で身を包むことで脅かして悪霊を追い返したり、悪霊達は同じ悪霊を襲わないため同じ怖いお化けなどに仮装をして仲間だと思わせることで襲わせないようにしたりするためだそうです。 |
ハロウィンで一番に目にするものといえば“かぼちゃ”でしょう。たくさんのカボチャの製作物を作り、室内中をカボチャまみれにしてハロウィンの雰囲気を高めましょう。
オーソドックスなカボチャの折り紙となっています。ゆっくりと実践していけば子どもも折れるので一緒に折ってみましょう。
おばけ単体のとても簡単なかわいい折り紙工作もいかがでしょう。製作時間も短いので保育士が子ども達に教えるのもラクラクです。
Tips②なんでハロウィンにはカボチャなの? |
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ハロウィンの代名詞ともなっているカボチャは、発祥の地アイルランド由来ではなくアメリカが広めたものになります。アイルランドでは“カブ”の中身をくりぬいて、お面やランタンを作り魔除けにしていましたが、この文化がアメリカに伝来すると当時アメリカで収穫量が多かったカボチャで代用されるようになり、世界中に定着していきました。 ちなみカボチャおばけこと“ジャック・オー・ランタン”は、諸説ありますが、アイルランドにジャックという酔っ払いの悪人がいたそうです。生前も死後も悪いことばかりをして、天国からも地獄からも締め出されてしまいました。そして、永遠に闇夜を歩き続けることとなり、その時に足元を照らすためにランタンに火を灯したところ派生したものになります。 |
ハロウィン行事で子どもたちと一緒に楽しむのは、仮装や工作だけではありません。出し物やゲームをして社交性も養いつつハロウィンをもっと充実させましょう!
ハロウィンのゲームとして「トリックオアトリート」とお菓子をあげるだけでは面白味が足りません。少し怖いムードを出すために少し照明を落とすだけでも、非日常的な空間を演出できます。そしてお化けが描かれたカードやお化けの人形を隠して、それを子どもたちに探してもらい、見事見つけつことができたらお菓子やシールをあげてみてはいかがでしょうか。
かぼちゃを模したオレンジのボールを転がして、お化けに見立て人形を倒すボーリング大会も盛り上がります。また、ボールを輪っかに変えればあっという間に輪投げゲームにもなります。
ちなみに小さなモールでも輪投げゲームが作れます。下記を参照にしてみてください。
参照:画用紙とモールで作るハロウィン輪投げの作り方♪
お年寄りの方もできる手遊びとなっていますので、ぜひ月齢の低い子ども達ともこの手遊びにチャレンジしてみてください。
この他にも「保育士によるハロウィンマジックショー」や「子ども達の仮装のファッションショー」に、子ども達が思いついた「怖いお化けのお絵描きミニ発表会」などの出し物もハロウィンをより一層楽しむものになります。
Tips③トリック・オア・トリートの由来は? |
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「Trick or Treat(トリック・オア・トリート)!お菓子をくれなきゃいたずらしちゃうぞ!」というのはハロウィンでの有名なセリフですね。この言葉とともに、子ども達が近所の家をまわりお菓子を貰っていきます。 この由来としては、お菓子は悪霊を追い払うなどの意味があることと、キリスト教徒が死者の日に亡くなった親族のために祈る代わりに「魂のケーキ」をもらいながら歩いた習慣が現代に残っているそうです。 |
保育園の行事に無くてはならないのが壁面の装飾です。今のうちからコツコツと練習しておき、作り置きしておくと効率が良く、慌てずにイベントを迎えられるでしょう。たくさんのハロウィンらしい飾りを製作して、オレンジやむらさき、黄色、黒などで室内中をハロウィンで包みましょう。
ハロウィンの色合いの紫・オレンジ、黒・オレンジ、紫・黄色の組み合わせなどで簡単なリースを作ってみてはいかがでしょうか。続くクリスマスの装飾にも使えるものなので覚えておいて損はないですよ。
少しくらい怖い飾りもあった方がハロウィンのムードが演出できます。ハサミと太いペンと折り紙でできる簡単な蜘蛛の巣なのでぜひ挑戦してみてください。最後、折り紙を開く際に破れやすいのでご注意を!
布の飾りなのでいつもと一味違う暖かみのある雰囲気になります。要らない服を保護者の方から寄付していただくと保護者の方とも連携が取れた一体感のあるハロウィンになります。
子どもたちがとても楽しみにしている“おやつ”!ハロウィンの食べ物としてカボチャを使用したお菓子が一般的ですが、本場アイルランドではリンゴが良く食べられます。そのことも伝えながら、りんご飴を子どもたちと一緒に食育の一環として作るのもオススメです。
※おやつ作りの際、子どもの食物アレルギーには細心の注意を払ってください。
まだ離乳食を食べている子ども達にも、ぜひハロウィンの雰囲気を味わせたい保育士さんへオススメのおやつです。甘いカボチャはもりもり食べてくれますよ。もし子ども達が食べにくそうなら、白湯などで調整可能となっています。
出典・詳しい作り方cookpad
定番としてやはり欠かせないのはクッキーのハロウィンアレンジです。2歳の子でも食べるものなので、子どもと一緒に型抜きやデコペンで飾る可愛く仕上げるのも楽しく食育ができます。冷蔵と打ち粉はしっかり十分にやった方が生地が落ち着きやすいですよ。
出典・詳しい作り方cookpad
ハロウィンのおやつを配る際にもピッタリの美味しく可愛いきんとんです。簡単シンプルでさらにお皿も使わずに食べれるので片付けも楽々です。バナナ以外にもあまり水気がない果物やチーズでも代用可能となっています。
出典・詳しい作り方cookpad