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保育士に求められるスキルとは?スキルアップに役立つ資格を大公開!!

保育士として子どもと関わっていくうちに「もっと子どものことを理解したい」「きちんとした知識を身に付けたい」と感じることが増えてくるのではないでしょうか。そんな時は保育士としてスキルアップのチャンスです!専門性の高い保育士だからこそスキルアップは欠かせないでしょう。保育士は保育園だけではなく児童養護施設や託児所など活躍場所が多岐にわたることから、保育園の業務に絞らずに保育に関したスキルを会得しておいて損はありません。
今回はそんな保育士のスキルアップについて、オススメの資格や研修をたっぷりとご紹介します!また、これから保育士としての活躍を目指している方もご紹介するスキルを磨いていけば、今後の保育士業務においてもきっと役立つことでしょう。

保育士が押さえるべきスキルアップとは?

保育士は子ども達を安心・安全に預かり見守るだけが仕事ではなく、未来を担う子どもたちの人間性や健やかな心身を育むという重要な役割にも務めています。だからこそ常に、自身の知識を見直し、時代に合わせて学び続けることが求められます。また、昨今では保護者や社会からの要望が多様化され、そのニーズに合わせた幅広い分野の知識が求められ、ハイレベルで質の高い保育が必要とされています。そこで保育士のスキルとして、押さえておきたい5つをご紹介します。

①保育の実技力

実際に子どもたちの保育をする上で必要なってくるのが、保育士の専門性になる“保育実技力”です。「ピアノやオルガンを弾きながら、子供達と歌ったり、リズムに合わせて体を動かしたりする際に必要な音楽技術」「年齢に合わせた絵や制作を保育に取り入れて楽しむ事が多い絵画技術」「絵本や紙芝居・ごっこ遊びや劇などを演じて表現する際に子供を楽しませる表現のスキル」これらを人よりも多く身につけて熟練度を上げることにより、日々の保育の幅は広がります。

②心理的な分野の技能

性格や家庭環境などが同じ子どもは一人も居ないので、子どもたち一人ひとりの状態やお世話の仕方を保護者や職場内で話し合いながら保育を行います。そのうえで“コミュニケーション能力”は欠かすことのできないスキルです。また、保育士は子どもと接する他に保護者や職場内の関係者とも上手に付き合っていくことが必須とされるためコミュニケーションは必須です。くわえて、心理的な分野というのは“子どもの心のケア”という面でも押さえておきたいスキルです。家庭環境も様々なご時世なことから子どもの心理的なダメージやストレスをケアをできると、より幅広い子どもの対応が可能となります。

③医療の知識

さらに保育士が身につけておきたいスキルの一つとして“医療の知識”です。日々の保育の中でも子どもがケガをしてしまったり、感染症にかかってしまったりすることは、いくら気を付けていても起こってしまうものです。看護師ではないため原則的に医療行為は行えませんが、保育園に一人でも医療の知識を持ち、適切な対応や応急処置ができる保育士が居ると非常に安心感を与えられます。したがって子どもの大きな事故や危ない事態を防げるように、幼児医療の知識を得ていて越したことはありません。

④保育上での防災と危機管理能力

防災や安全管理も保育園で求められる専門性でしょう。大人では通常ケガをしない場所であっても、まだ身体能力も経験も未熟な子どもにとっては危険が潜んでいることがあります。保護者の代わりに子どもの命を預かる場所として、子どもの安全を保ちながら過ごす為に危険を察知して対応する能力は必要不可欠です。また災害時には、保護者が迎えにくるまで災害時の子どもの安全を守ることが保育園の役割です。子どもが災害時も安心して過ごせる環境を作ることが重要となります。

⑤日常生活の教養や事務スキル

保育士にとって日常生活のさまざまな知識も欠かせない立派なスキルです。子ども達は「なんで虹は7色なの」「この花のおなまえは?」などと目についた様々なことに疑問が生じ保育士に尋ねてきます。この一つひとつの疑問対してきちんと耳を傾けて応答してあげることが保育のうえで大切なことです。子どもの興味関心を引き出してあげることは情操教育の向上に繋がるため、正しい知識を答えられるように“一般的な教養”も持っておきましょう。
さらに、保育士は子どもの見守りの合間を縫って連絡帳の記入や預かり時間が終わってから指導計画書などの書類作成などしなければなりません。そこで持っておきたいスキルとして“綺麗な字”と“事務処理能力”です。これを身に付けることは、仕事の効率化や他保育士・保護者との連携・信頼関係を円滑にするためにも必要なことです。くわえて異業種への転職の際にも持っていて損はないスキルです。

このような5つの保育に関しスキルを身につけていくことは保育士にとして活躍するうえで必要となるでしょう。スキルアップには、実務経験を積んだり資格を取得したり、資格以外のことを極めていったりとさまざまな方法があります。ぜひ、自分に合った方法を探っていきましょう。

どんなスキルを磨いていったらいいの?

保育士さんに求められるスキルには、次のようなものがあります。

音楽

ピアノやオルガンを弾きながら、子供達と歌ったり、リズムに合わせて体を動かしたりする際に必要です。
楽器の音を聞かせて、幼児期にきれいな音や正しいメロディを知る事はとても大切です。

絵画

年齢に合わせた絵や制作を保育に取り入れて楽しむ事が必要です。
保育士さんが絵を描く事で、子供とのコミュニケーションにつながります。

言語・表現

絵本や紙芝居、ごっこ遊びや劇などを演じて表現する際に子供を楽しませる表現のスキルが必要です。

きれいな字

字が整っていることで、それを見る保護者から信頼感を持ってもらえます。
また、子供に教えたりすることもあるため、「字」は正確に丁寧に書く事が大切です。

危機管理能力

子供の安全を保ちながら保育を行う為に、危険を察知して対応する能力は欠かせません。

応急措置

急なケガや病気の際、大きな事態を防ぐ対応の為、幼児医療の知識が必要です。
心理学やカウンセリング、アートセラピー、カラーセラピー、食育アドバイザー、ペン字、パソコン講座、英語など、活用できる資格はたくさんあります。

保育士のスキルアップに役立つ!取得しておきたい資格9つ!

ここで保育士としてのスキルアップにぜひ取得しておきたい、役立つ資格をご紹介します。

①リトミック指導員

リトミックは、リズム遊びやダンス・歌などの活動を通して、子どものリズム感の発達や五感の発達、感受性や協調性・創造性などを促し育成をすること目的としています。このリトミックを教える先生のことを“リトミック指導員”と呼び、保育で手遊び歌や童謡などを歌うことが多い保育士さんにとても人気の資格です。資格認定団体はいくつか設けられており、それぞれカリキュラムや制度が違うので自分に合ったものを選びましょう。
代表的なリトミック指導員の資格認定団体は下記になります。

リトミック指導員はこういった資格認定団体での指定のスクールに通ったり、講座を受講することで資格を得ることができます。音楽の楽しさを子ども達に伝えたい方、リトミックに力を入れている保育園に勤務しているような場合にはとてもオススメな資格となっています。また、リトミック研修も設けられているので、一回受けるだけでも保育園での保育に取り入れやすいものが多いです。

②絵本専門士

スキルアップを考えている保育士の中でも最も人気な資格なのが“絵本専門士”です。
絵本専門士は、「独立行政法人 国立青少年教育振興機構」が認定する2014年に設けられた民間資格で、絵本に関する知識や読み聞かせのより高い実践、子どもの健やかな成長のために適切な絵本選び、手遊び・創作活動などの技能も高められます。

…などのスキルが、合計で約50時間の講座の受講と修了課題を通して身につけることができ、絵本の魅力を伝えるプロフェッショナルとして活躍することが可能となります。保育の現場ではもちろんですが、企業や教育機関での絵本作り企画・講演と活躍の場所を広げることもできます。

③運動保育士

昨今、子どもの体力低下や運動への意欲低下が見られ問題視されています。なおかつ2020年の東京オリンピックへの盛り上がりを受けて。着目されているのが“運動保育士”です。運動保育士は、「柳沢プログラム」に基づいた方法により、子どもたちの健全な身体と心を育む運動遊びのエキスパートです。運動保育士会こどもプラスが各地で開催している講座「運動遊び実践コース」「子育て脳機能コース」を受講することで取得出来ます。それぞれのコースに初級・中級・上級のレベルがあるので、安心して目標設定をしながら資格取得を目指せます。

④チャイルドマインダー

チャイルドマインダーとは、家庭的保育の専門家であり少人数における保育のスペシャリストです。日本ではあまり耳馴染みがないかもしれませんが、イギリスでは何と100年以上もの古い歴史を持っている職業の資格です。基本的に少人数保育で対応していき、0~12歳までを対象とした子ども一人ひとりの個性を尊重し、ありのままの自然の姿を深い愛情とともに自立心を育む安全・安心な保育を目的として、保護者ともより近い信頼関係を築いていきます。チャイルドマインダーには在宅型と訪問型、在宅+訪問型の3パターンの働き方があり主には在宅による自宅開業として開業している方が多い資格です。さらに、この資格はイギリス発祥ともあり海外でも活躍できるものとなります。民間の認定資格なので、チャイルドマインダーの養成講座を受講し、認定試験(筆記試験のみ)に合格すれば取得ができますよ。

⑤ベビーサイン講師

まだ言葉が喋れない乳幼児と簡単な手話やジェスチャーを使ってコミュニケーションを取る「ベビーサイン」を教える講師の資格です。0歳児から預かる保育士にとって、少しでも乳幼児とのコミュニケーションが豊かになれば保育もしやすいこと間違いなしです。ベビーサイン講師資格は「一般社団法人日本ベビーサイン協会」が開催する講座を受講し、試験に合格することで取得ができます。

⑥ベビーマッサージインストラクター

ベビーマッサージとは、乳幼児の脳・心・体の発達を促すことを目的とした着衣のまま施術を行うことができるマッサージです。乳幼児にやさしくマッサージすることでスキンシップを図り、体調を整える効果や良好な親子関係・人間関係の構築につながっていき、とくに産婦人科医などの医療施設で働く保育士や看護師の方にオススメの資格となっています。ベビーマッサージ資格は「日本アタッチメント育児協会」などのいくつかの民間団体が資格を発行しているので、研修会に参加すれば取得できます。またインストラクターとして教室を開くことも可能です。

⑦イングリッシュエキスパート保育士

どんどんと国際化が進み、インターナショナル保育園や外国の子ども・保護者と関わることが多くなってきました。そんな時代のニーズに合わせて保育現場も英語が必要になってきており、英語教育の低年齢化が進められています。そこで「一般社団法人 保育英語検定協会」が認定を行っている保育英語検定をスキルアップに活かしてみてはいかがでしょうか。保育英語検定は子ども達を英語の環境に慣れさせることを目的とし、英語の歌やダンスを習得します。そして保育士資格所持者には、イングリッシュエキスパート保育士証が発行されます。

⑧認定病児保育スペシャリスト

認定病児保育スペシャリストとは「一般財団法人 日本病児保育協会」によって認定されている病児保育のプロになるための民間資格のことです。病期やケガなど体調不良の子どもに対応できる病児保育に特化したスキルを身に付けることができます。保育園で突然子どもが病気になった際やケガをした時に、冷静に適切な対応をすることが可能となり、資格取得してすぐに保育の現場で活かすことのできる資格です。日本病児保育協会が開くWeb講座を受講し、試験・実習・認定試験をクリアして取得可能となっています。

⑨こども環境管理士

「子ども達に自然の面白さを教えたい」「環境教育に強い保育士になりたい」そんな保育士の方にオススメの資格です。こども環境管理士は、子どもに自然と触れ合う機会をつくり、遊びたくなるような保育環境をつくるプロフェッショナルの方のこと。あまり聞きなれない資格ですが、こども環境管理士資格試験は環境大臣・文部科学大臣により環境人材認定等事業にも登録されています。
他にも保育士のスキルアップに活かせる資格はまだまだあります。下記にまとめましたので、興味がある資格や講座は積極的に挑んでみましょう。

幼稚園教諭・保育ソーシャルワーカー・保育カウンセラー・育児セラピスト・チャイルドケア・チャイルドコーチング・セラピスト・栄養士・調理師・交流分析士・社会保険労務士・整理収納教育士・事務スキル・おもちゃコンサルタント・レクリエーションインストラクター・森林インストラクター・アートセラピー・カラーセラピー・食育アドバイザー・ペン字・パソコン講座…など

行政主導の「保育士等キャリアアップ研修」をスキルアップにつなげましょう!

実は行政も保育士のスキルアップやキャリアアップの後押しを積極的に行っています。行政主導の各地方自治体よる“保育士等キャリアアップ研修”というもの行われており、これを受講することでもスキルアップとキャリアアップも目指せる可能となります。この研究の目的としては保育士の専門性の強化と待遇向上を目指しており、経験年数などの条件を満たしてるだけで、正規社員に限らずに契約社員・パート・派遣社員など非正規雇用者も受講が可能となっています。
さらに決めれた研修講座を受け、技能を習得することでキャリアアップを目指すことができます。このキャリアアップは、手当が支給されるため処遇改善にも繋がる仕組みとなっています。

研修する分野

“保育士等キャリアアップ研修”の中では主に以下の8つの分野を学びます。

※出典:厚生労働省『保育士等キャリアアップ研修ガイドラインの概要』『保育士のキャリアアップの仕組みの構築と 処遇改善について』

保育士の新たな役職

“保育士等キャリアアップ研修”の実施に併せて、園長・主任保育士・保育士と役職が少なかった保育園において「副主任保育士」「専門リーダー」「職務分野別リーダー」の3つの役職が新しく設けられました。

役職 キャリアアップ条件 処遇改善される金額
副主任保育士 ●経験年数概ね7年以上
●職務分野別リーダーを経験
●マネジメント+3つ以上
●副主任保育士としての発令
40,000円/月
専門リーダー
(現場専門の保育士)
●経験年数概ね7年以上
●職務分野別リーダーを経験
●4つ以上の分野の研修を修了
●専門リーダーとしての発令
40,000円/月
職務分野別リーダー
(研修修了した分野のリーダー職)
●経験年数概ね3年以上
●担当する職務分野研修を修了
●修了した研修分野に係わる職務分野別リーダーとしての発令
5,000円/月

諸注意

※研修受講者が全員キャリアアップできるわけではありません。
※副主任保育士・専門リーダーについた保育士のうち、40,000円が支給されるのは全体の1/2名です。
※キャリアアップ研修による手当は各保育園にまとめて支給されるため、確実に分配する金額を除いた手当額は園の方針によって分配方法が変わります。
この諸注意にもあるように、この役職に就くことができる人数は決められています。

副主任保育士と専門リーダー 園の全職種・全職員の“1/3”(園長と主任保育士を除く)
職務分野別リーダー 園の全職種・全職員の“1/5”(園長と主任保育士を除く)

保育士等キャリアアップ研修を受講するメリット

保育士の中には、確実にキャリアアップができずに手当がもらえないのなら受講する意味がないのではと考えてしまう方もいらっしゃるかと思います。しかしスキルアップを目指している保育士の方には、受講しておくこと損はなく将来的にも役に立ちますよ。

受講のメリット

また、厚生労働省は今後も保育士の処遇改善やスキルアップのための研修が、より充実することへ前向きな意欲を示しており、これからもっと役職の増加や手当の支給、幅広い分野での研修が設けられると考えられます。

“良い”保育士を目指すためには?

人それぞれに“良し悪し”の判断というものは価値観とともに変わってきます。それは保育園という小さな社会の中でも判断が揺らぐものであり、“良い保育士”となる為には、それぞれの園での保育の価値観や方針が自分の主張するものと一致していなければなりません。なぜなら“良い保育士”という価値観が一致していないことには、いくら努力をして「子ども達のため」「自分のため」とスキルアップをしたとしても、園からの“正当な評価”を得ることができずに、余計なこととして無駄足を踏んでしまう可能性があるからです。なおかつ保育園の方針を自分に寄せていくのは大変難しいことでしょう。
もしそんな現状に立たされ、得てきたスキルを活かしていきたいのなら、自分の得意なことが活かせる職場へと転職を考えてみても良いかもしれません。自分の得意なことや好きなもので保育を行うことができれば、パフォーマンスが上がり、より良い方向に結び付く傾向にあります。子どもたちは感受性が高く直感的に雰囲気を掴みとりやすいため、保育士が自信を持って行う保育は子ども達にとっても良い刺激になりますし信頼関係をも築きやすくなります。
何を持ってして“良い”保育士するかは難しいですが、園の方針通りにスキルを高めていくことも自分が描いた理想の保育士としての技能を突き詰めていくことも、どちらも良い保育士を目指すことには変わりはありません。大切なのは学び続けることに適した職場で、子どもの主体性を引き出す保育ができるかどうかということです。

まとめ
保育士のスキルアップ方法は、多種多様にあることがお分かりいただけたかと思います。ご紹介したすべての資格を習得する必要はありません、焦らずに自分や保育園の環境に合ったものでチェレンジして「理想とする保育士」に成長できることを目標にスキルアップを目指しましょう。スキルアップをする上で肝心な事は、スキルを得ただけで満足をしないことです。その培ったスキルを活かして、初めて周りからの評価を得ることができますが、決して焦らずご自身のペースで少しずつ身につけていきましょう。そうすれば子どもたちだけでなく、保護者や職場の先生からも信頼される保育士になることができるでしょう。