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夏の季節に要注意!保育園で気をつけたい感染症の種類とその対策について徹底解説!

本格的な夏が到来し、保育園ではプール保育や水遊びが楽しくなる季節ですが、夏の暑さで免疫力が落ちしまい、子どもは特に感染症にかかりやすい時期になります。
そこで今回は、「子どもの三大夏風邪」として有名な「手足口病」「ヘルパンギーナ」「咽頭結膜熱(プール熱)」をはじめとした“夏にかかりやすい感染症”について詳しくご紹介します。併せて保育園での感染症対策も取り上げていますので、感染予防と感染拡大を防ぐためにもしっかり学んでいきましょう。

まずは知ろう!感染経路について

はじめに“感染症”とは、細菌やウイルス、真菌、寄生虫などが皮膚や粘膜などから体内に侵入して増殖し、「人から人へ」と移りいろいろな症状としてあらわれる病気です。特に夏場に流行る感染症は鼻水や咳などの症状はあまりないことが多く、発疹や発熱、下痢やおう吐、のどの痛みや腫れなどの症状が出るのが特徴です。そして胃腸が不調になるため、子どもだけはなく大人も身体全体の免疫力が低下し長引くことも多くなります。
では、どのような流れで感染するのでしょうか。ここで代表的な感染経路をいくつかご紹介したいと思います。保育園では感染拡大や二次被害を起こさないためにも、保育士の方は感染経路の周知やある程度の知識は持ち合わせておきましょう。

飛沫感染

咳やくしゃみなどにより病原体を含んだ唾液や気道分泌物が“飛散”し、粘膜などに付着したことで起こる感染です。予防策としては直接、咳やくしゃみを吸い込まないようマスクや手洗い等の手指の衛生管理などが効果的とされます。

空気感染(飛沫核感染)

咳やくしゃみで飛沫した病原体が“空気中”に浮遊し、吸い込むことで感染します。これは直接触れたりや飛沫を浴びていなくとも、閉鎖された空間で感染症を発症している人と一緒にいる場合や、発症している人がその場にいなくても感染する可能性があります。そのため空気感染の予防には「発症している人の隔離」と「部屋の換気」が基本となります。また、飛沫核を病室外に出ない空調設備の個室や陰圧室が望ましいとされています。

接触感染

タオルを共有したり、同じグラスを使ったりなど物体の表面を介して間接的な接触や、握手、抱っこ、キスなどの直接的に触れることで病原体がついて感染します。予防策としては、手指の衛生管理の徹底やタオルの共用は絶対にしないこと。さらに手洗い時にはペーパータオルで拭うことが理想的となります。

糞口感染

排泄物に含まれていた病原体は、トイレ後の手洗いが十分でないまま食品を触ったり、おむつ交換などをしたりすると、経口摂取によって感染することです。予防策は、手洗い、うがいは徹底したうえで、オムツ交換時の衛生管理と汚染されている箇所や物の消毒を行うことです。この他にも、皮膚や粘膜へ血液体液が接触して感染する「血液媒介感染」や、病原体を保有する蚊に刺されて感染する「蚊媒介感染」などがあります。予防策としては、子供達が長時間集団で生活している保育園では、個別に絆創膏などの保護テープをしたり、殺虫器や虫よけスプレーやなどを使ったりすることが挙げられます。特に、子供とスキンシップが多い保育士や保護者自身も感染を拡大させないために注意が必要ですね。

現時点で流行している感染症を知る方法

東京都感染症情報センター(詳細は下記ご参照)は、年齢別にどのような疾病で感染している人がいるのか、感染症に関する定点報告をしています。それによると、現時点(2019年7月29日~2019年8月4日時点)では、1歳の子供が「手足口病」「RSウイルス感染症」「ヘルパンギーナ」などに感染している件数や比率が高いことがわりました。
この定点報告を確認すると、「いま流行している感染症」の状態が直ぐにわかりますので、園での予防や対策に役立つことも多いでしょう。

■現時点で流行している感染症
・手足口病(1098)
・RSウイルス感染症(218)
・ヘルパンギーナ(207)
出典:東京都感染症情報センター「定点報告疾病集計表」
※2019年7月29日 – 2019年8月4日時点
※()内は発生件数です。
■東京都感染症情報センター
感染症情報センターは、国の感染症発生動向調査実施要綱に基づき設置されるもので、各都道府県等域内に1カ所、原則として地方衛生研究所の中に設置することとなっています。東京都では、東京都健康安全研究センター内に基幹地方感染症情報センターを設置し、企画調整部健康危機管理情報課疫学情報担当がその役割を担っています。

要注意!夏に気をつけたい”8つの感染症”まとめ

それでは、子供が夏にかかりやすく”特に気をつけたい感染症”をご紹介します。
※少しでも下記のような症状が、子供もしくは保育士自身にも見られた場合には、自己判断せずに必ず早めに専門医の受診をしてください。

①手足口病とは

概要

手足口病は「子供の夏風邪」の代表として有名ですが、5歳以下の小児に多く見られ、7月にピークを迎えるウイルス性の感染症です。原因となるウイルスは、腸管内で増殖する「エンテロウイルス」や、急性突発性心筋炎などを引き起こす「コクサッキーウイルス」といわれるような複数のウイルスの種類があり、何度もかかる可能性があります。まれに大人にも感染するので保育士ならび保護者も気を付けておきたい病です。

手足口病の症状

潜伏期間3~6日後に、口内の粘膜や手のひらや足の裏、足の甲などに水疱性の発疹が現れて、1~3日間発熱を伴うことがあります。水疱は、かさぶたにならずに1週間程度でなくなります。中には、数ヶ月後に手足の爪がはがれてしまうことがありますが、大事には至らず、すぐに新しい爪が生えてくることが多いようです。しかし口内にできた水疱がつぶれた後にできる口内炎がひどくなってしまい、食事や飲みものを受けつけなくなり“脱水症状”を引き起こすこともあります。
原因となるウイルスの「エンテロウイルス」は、無菌性髄膜炎の90%を占めるため、まれに髄膜炎や小脳失調症などの中枢疾患のほかに、心筋炎、肺水腫などの合併症も起こす場合があり、重症化することもあるので注意が必要です。一般的な予後は良好となり、口内炎に対して鎮痛薬で痛みを和らげ、粘膜保護剤の軟膏などが処方され数日の経過で回復します。

手足口病の感染経路

手足口病は、唾液や鼻水がついたおもちゃを貸し借りするなど、手が触れることで感染する「接触感染」とくしゃみなどの際に出る飛沫によって感染する「飛沫感染」が主な感染経路となります。また、感染してしまった場合、口(呼吸器)から1~2週間、便から2~4週間にわたってウイルスが排泄されるため、おむつなどの交換後に汚染された手指を介して感染が広がる可能性もあります。

保育園への登園目安

熱が下がって1日以上経過し、口腔内の水泡や潰瘍の影響がなく“普段の食事がとれる”状態になってからと考えましょう。

②ヘルパンギーナとは

概要

ヘルパンギーナは6~8月からの初夏の時期に、乳幼児に多く流行する代表的なウイルス性の感染症の夏風邪です。主に「コクサッキーウイルスA群」が原因で、ウイルスの型がいくつかあるため何度もかかってしまうことがあり、大人にもまれに発症する病気です。

ヘルパンギーナの症状

ヘルパンギーナは、潜伏期間の2~6日を経て、突然の39℃以上の高熱が1~3日続き、同時に口蓋垂(のどちんこ)の周辺に赤く腫れ小さな水疱がたくさんできるのが特徴です。水疱は2~3日でつぶれて黄色い潰瘍になり、のどの痛みが強いため食事や水分を受けつけなくなることから「脱水症状」を起こすこともありますのでご注意を。また、高熱から「熱性けいれん」やごくまれに髄膜炎、心筋炎を合併することも可能性もあります。髄膜炎では頭痛や嘔吐、頸部硬直のサイン、心筋炎では心不全兆候に注意をして、症状があればすぐに専門医を受診してください。

ヘルパンギーナの感染経路

ヘルパンギーナは、くしゃみなどの「飛沫感染」と唾液や鼻水がついたものに手が触れることで「接触感染」が主な感染経路といわれています。さらに、感染してしまった場合、口(呼吸器)から1~2週間、便から2~4週間にわたってウイルスが排出されるので、排便あるいはオムツ交換後の手洗いを徹底する必要があります。

保育園への登園目安

熱が下がって1日以上経過し、口腔内の水泡や潰瘍の影響がなく、“普段の食事がとれる” 状態になってからと考えましょう。

③溶連菌感染症(猩紅熱・しょうこうねつ)とは

概要

猩紅熱(しょうこうねつ)とは、「A群溶血性連鎖球菌」と呼ばれる細菌で引き起こされる細菌性疾患のことです。また、「A群溶血性連鎖球菌」は、感染症疾患としてありふれた病原体のひとつであり、幼児から児童にかかること多く、咽頭炎や皮膚感染症などを引き起こすことが知られています。そのなかで猩紅熱を発症すると、主に全身の皮膚に発疹が広くみられ、咽頭炎や扁桃炎などが現れます。

溶連菌感染症の症状

「A群溶血性連鎖球菌」は、潜伏期間2~5日が経過した後、急激な「発熱」と咽頭炎・扁桃炎の「喉の痛み」から始まること多く、扁桃には膿が付着し、吐き気や嘔吐、腹痛などの消化器症状も伴う咽頭炎・扁桃炎症状から始まります。続いて、咽頭炎・扁桃炎症状が現れてからおおよそ1日後に、全身に皮膚に小さい点状で赤みを帯びた発疹や紙ヤスリのようなザラザラな感触をした肌の症状が出るといわれています。とくに脇の下の凹んだ部分や足の付け根(鼠径部)に現れることが多く、反対に鼻の下や口元、手のひら、足の裏には発疹が少ないとされます。また、舌には「イチゴ舌」と呼ばれるぶつぶつが出現することもあります。こうした発疹は1週間ほどで治まりを見せ、3~4週程で顔面や手のひらの皮膚、指先の皮膚がめくれ快復していきます。猩紅熱の特徴は、通常の風邪と違い咳や鼻水が出にくいことです。確実に溶連菌を退治し、合併症を引き起こさないためにも症状が治まっても抗菌薬は5~10日間ほど飲み続けなくてはいけません。

溶連菌感染症の感染経路

猩紅熱の原因菌となる「A群溶血性連鎖球菌」は、唾液や鼻水を介して広がる「飛沫感染」が主流ですが、食材を介して感染することもあります。

保育園への登園目安

熱が下がり伝染のおそれがなくなった「発病後7日を経過してから」とされています。
※文部科学省より『適切な抗菌薬療法開始後24時間以内に感染力は失せるため、それ以降、登校(園)は可能である』
※厚生労働省のガイドラインより『抗菌薬内服後24~48時間経過していること』

④アデノウイルス感染症:咽頭結膜炎(プール熱)とは

概要

アデノウイルス感染症は、様々な症状を示す急性感染症です。したがって“咽頭結膜炎(プール熱)”をはじめとした“流行性角結膜炎(はやり目)”などを引き起こします。また、咽頭結膜炎(プール熱)は年間を通じて発症しますが、とくにプールに入る時期(6月末頃から夏季にかけて)にプールの水を介して流行が拡大することが多いので、“プール熱”とも呼ばれています。

アデノウイルス感染症:咽頭結膜炎(プール熱)の症状

潜伏期間の2~14日を経過した後、咽頭炎(のどの痛み)や結膜炎(目の充血)、39℃前後の発熱が数日~1週間ほど続く症状から、「咽頭結膜熱」と呼ばれています。また頭痛や食欲不振が3~7日続くこともあり、眼の症状としては充血や涙の量の過多、まぶしさを感じるなどが挙げられます。熱発や咽頭炎がある場合は、熱が下がっても元気になるまで安静に、水分をしっかり取らせてあげてください。とくに2歳までの子どもは肺炎と合併してしまうと重症化しますので注意が必要となります。

アデノウイルス感染症:咽頭結膜炎(プール熱)の感染経路

咽頭結膜熱(プール熱)は、咳やくしゃみなどの飛沫によって感染する「飛沫感染」も感染経路となりますが、目やにも感染源になるため、ハンカチやタオル、ティッシュの共用や手指を介した「接触感染」によって感染します。さらに塩素消毒が不十分なプールに入ることでも引き起こされます。また「アデノウイルス」は、回復後も2週間~1ヶ月程度はウイルスが便から排出がされるためおむつなどの交換後に汚染された手指を介して感染が広がる可能性があります。

保育園への登園目安

主な症状(発熱、のどのはれ、眼の充血)が消えてから2日を経過してからと考えましょう。
※登園が許可されても、基本的に1カ月程度はプールへの参加はできません。手洗いを心がけて、他の子供にうつさないように気を付けてください。

⑤アデノウイルス感染症:流行性角結膜炎(はやり目)とは

概要

流行性角結膜炎(はやり目)も「アデノウイルス」から引き起こされるウイルス性結膜炎です。 目やにが多くでたり充血したり、症状が重い場合には黒目に傷がつき傷跡が残る角膜混濁や、まぶたの裏側に炎症の白い膜(偽膜)ができることがあります。

アデノウイルス感染症:流行性角結膜炎(はやり目)の症状

はやり目(流行性角結膜炎)の場合、潜伏期間は1~2週間とされ、まぶたの裏側にブツブツができ、起きても目が開かないほどの目やにや涙が増え、かゆみ、しょぼしょぼ感、ゴロゴロ感、眩しい感じなどの初期症状があらわれます。はやり目(流行性角結膜炎)は非常に感染力強いため、この初期症状があらわれた時点ですぐに眼科の受診を行ってください。発病後7~14日日程度で治る場合が多いのですが、症状が進行すると出血した耳の前のリンパ線の腫れ、まぶたの急激な腫れ、白目がブヨブヨしてくる(結膜浮腫)、発熱が起こる可能性があります。栄養補給と十分に休息し、他の感染を防ぐため抗菌点眼や炎症を押さえるため、低濃度のステロイド点眼などを使用して治療することが大切となります。最悪の場合、後遺症として角膜に混濁が残り、失明に至る危険性もあるためです。

アデノウイルス感染症:流行性角結膜炎(はやり目)の感染経路

はやり目の感染力が非常に強く、はやり目にかかってしまった子どもが使ったタオルや触ったものに、他の子どもが使用し目をこすったりしただで高い確率で感染する「接触感染」です。プールに入る時には“水中ゴーグルを使用”や“充血や目やに等の症状がある場合はプールに入るのを控える”を徹底しましょう。

保育園への登園の目安

はやり目(流行性角結膜炎)は、症状が軽減してきても、感染力が強く残りやすいため、学校保健安全法によって「医師に感染のおそれがないと認められる」までとなっています。また、保育士や保護者の方もかかる恐れや、感染拡大の可能性もあるので、医師の指示を受けたうえで出勤・登園してください。

⑥りんご病(伝染性紅斑)とは

概要

りんご病は、「ヒトパルボウイルスB19」が原因のウイルス感染症です。健康な子どもならあまり緊急度の高い病気ではなく、風邪を思わせる症状や関節痛、全身倦怠感などが先行します。ただ、まれに神経・心臓・血液等の病気を起こすこともあるので、溶血性貧血など特定の持病をお持ちの子どもは注意が必要です。流行時期は主に冬から春となっていますが夏にかけてもかかる子どももいます。とくに5~10歳も未就学児に多く見られますが大人でも感染するもので、妊婦がかかってしまうと胎児に悪い影響が出てしまいます。

りんご病(伝染性紅斑)の症状

りんご病の潜伏期間は10~20日とされ、感染から初期段階では発熱、頭痛、筋肉痛、倦怠感などみられますが、無症状のこともあります。おおよそ1週間後に発疹が出ます。この発疹の特徴的な症状として、頬にできる紅色の皮疹である紅斑が「平手打ち様紅斑」「りんご様紅斑」「蝶が羽を広げたような形の蝶形紅斑」と表現されます。1~4日後、手足や胴体にも紅斑(こうはん)見られていき、2日程度経過すると不規則に退色してレース様やまだら模様に変化してきます。また紅斑はかゆみや熱を伴い、関節痛を訴えることもありますが、1~3週間程度で消えることが多いです。

りんご病(伝染性紅斑)の感染経路

通常は「飛沫感染」もしくは「接触感染」ですが、まれにウイルス血症の時期に採取された血液製剤からの感染もあります。ただ、紅斑出現の時期には殆ど感染力はなく、ウイルス排泄時期には特徴的な症状が現れないため診断が難しいとされ効果的な二次感染の予防策が現状では見られないようです。

保育園への登園目安

頬に発疹(紅斑)が出てきた時にはもうほとんど感染力がないため、感染後約10日~1週間で登園は可能となります。

⑦とびひ(伝染性膿痂疹)とは

概要

とびひ(伝染性膿痂疹)は、とくに高温多湿となる5~6月の夏に、皮膚の抵抗力がまだ弱い0~6歳の子どもに多く見られる病気です。虫さされやあせも、かき傷、すり傷、湿疹などから「黄色ブドウ球菌」や「レンサ球菌」といった細菌が入り込んで発症します。掻きむしった手を介して人に感染していき、水疱があっという間に全身へ広がる様子が、火事の火の粉が飛び火する様に似ているため「とびひ」と呼ばれています。

とびひの症状

潜伏期間は2~10日間ですが、感染した菌の量や傷の状態によって変動します。とびひには主に、水ぶくれができる「水疱性膿痂疹」とかさぶたができる「痂皮性膿痂疹」の2種類があります。

1.水疱性膿痂疹

皮膚にできた水ぶくれが次第に膿をもつようになり、やがて破れると皮膚がめくれてただれます。かゆみも伴うため、そこを掻いた手で体の他の部分を触ると症状が体のあちこちに拡大していってしまいます。また水疱性膿痂疹の原因菌である「黄色ブドウ球菌」は、鼻の入り口の粘膜についているため、鼻から始まることがよくあります。

2.痂皮性膿痂疹

皮膚の一部に膿をもった水ぶくれができ、厚いかさぶたとなります。炎症が強くリンパ節が腫れ、発熱やのどの痛みを伴うこともあります。主に「化膿レンサ球菌」が原因となりますが「黄色ブドウ球菌」も同時に感染していることが多くみられます。
とびひの治療には、原因となる細菌を退治するための抗菌薬が使用され、かゆみが強い場合は、かゆみを抑える治療も行われます。そして一番大切なことは皮膚を清潔し、ひっかかないようにガーゼで覆うことが重要です。進行が酷くならないうちに治療を始めるとより早く治すことができるので、早めに皮膚科や小児科を受診しましょう。

とびひの感染経路

とびひは傷を掻いたり、鼻をいじった手指を介して菌が拡大していく「接触感染」であり、タオルや衣類を介して移ることもあります。現状とくにワクチンはないため、子どもの爪を短く切ったり、外出や遊んだ後には必ず手を洗うことを徹底してください。

保育園への登園目安

医師が感染の危険性がないと認めるまでとなります。

⑧インフルエンザとは

概要

インフルエンザは、一般的に冬に流行するものだと思われている方も多いと思いますが、夏にも流行することが明らかとなっています。過去には、2009年8月~10月にインフルエンザA型が流行のピークとなり、2015年7月末~8月にはインフルエンザA型の集団感染が沖縄県を中心に流行したことがありました。インフルエンザは、低温と低湿度を好むため「夏にはほとんど流行しない」といわれてきましたが、確かに冬に流行することは多いものの、夏にもかかることは知っておきましょう。特に周囲の方でインフルエンザに感染した場合、夏でも注意が必要です。

インフルエンザの症状

インフルエンザは、1~4日間の潜伏期間を経て、突然に発熱(38℃以上の高熱)し、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛などがおき、鼻水・咳などの呼吸器症状が出ます。
合併症として、気管支炎、肺炎、中耳炎などのほか、重症肺炎などにならないように注意しなければなりません。特に、5歳未満の子どもはインフルエンザにかかると重症化しやすく、インフルエンザに伴って、意識障害(呼びかけに答えないなど)、意味不明の言動、持続性のけいれんなどの症状が現れる「急性脳症(インフルエンザ脳症)」は死に至ることさえあります。夏でもインフルエンザが疑われる症状が見られたら、できるだけ早く医療機関での診察を受けてください。

インフルエンザの感染経路

通常のインフルエンザウイルスや新型インフルエンザウイルスの感染は、咳やくしゃみによる「飛沫感染」や接触によってウイルスが体内に入る「接触感染」で起こります。しかし、インフルエンザウイルスに感染しても無症状や臨床的にはインフルエンザとは診断し難い軽症の場合もあります。そのため意識せずとも飛沫や接触により感染拡大もすることから、とくに濃厚な接触機会の多い保育園や幼稚園などの集団生活施設では、インフルエンザの集団発生をコントロールすることは大変困難だとされています。

保育園への登園目安

学校保健安全法施行規則第19条において「発症後から5日を経過し、かつ、解熱後3日が経過するまで」と考えましょう。

参考文献
・日本小児皮膚科学会
・東京都福祉保健局東京こども医療ガイド
・相模原市役所こどものかかりやすい病気
・いのちをつなぐSARAYA
・シオノギ製薬
・Medical Note
・勝どきみなみクリニック
・ゆうき耳鼻咽喉科
・maruho
・高梁医師会
・スマイル眼科クリニック
・医療法人 新光会

保育園で行うべき“8つの感染症対策”!

保育士及び保護者などが子供の為に感染症対策を行う目的は、まずは「自身が感染源となり、周囲に移したりしないように細心の注意を払うこと」が大前提となります。
また、感染症対策の知識は、集団保育をする特性上、子供同士の感染を防ぐためにも、保育士にとって無くてはならない知識ともいえます。そうした意味でも、これから保育の仕事をされる方や、すでに保育士の職員として働かれている方は、下記で取り上げた感染症対策のポイントを抑えていただき、感染の拡大を最小限に抑えられるような保育を心がけてください。

感染症対策【その①】感染源対策を万全に備えましょう

園内に何らかの原因で感染症を発症した子供が出た場合、基本的には完治するまで(医師が感染の危険性がないと認めるまで)、その子供の登園・出勤を控えてもらうようにして下さい。
保育士が感染症になった場合も同様ですが、もしも感染者が多いような場合には、休園することも視野にいれてください。

感染症対策【その②】感染経路別の対策を講じましょう

感染経路別のそれぞれに応じた正しい感染症対策を取りましょう。夏場に限ったことではありませんが、日頃からタオルやコップなど、手や口に触れるものは子ども達一人ひとり個別のもの使用することを心がけます。とくにプールに入る時季にはタオルに気をつかってください。

感染症対策【その③】予防接種を促しましょう

感染症の予防には、ワクチンの接種が効果的です。あらかじめ予防接種をすることによって、免疫を与え未然に感染症を防ぐことができます。保育園への入園前に出来るだけ予防接種を済ませておくことや、保護者の方にも年齢ごとに接種可能なワクチンの呼びかけなどを行うことが大切です。

感染症対策【その④】子どもならびに保護者そして保育園全体で健康教育を進めましょう

子供たちにうがいや手洗いすることなどの健康教育を行い、感染症対策として予防することは重要です。また、乳児などでこうした理解が難しい子供の場合には、保護園との連携を強化し、感染症などが流行する時期には、保護園向けに注意喚起のお便りを出しましょう。園はもちろんのこと、親子で健康に対する意識を高めていくことは、感染症対策にも大きな効果を発揮します。

感染症対策【その⑤】衛生環境と薬の把握を徹底しましょう

保育園内外における共用部分などの衛生管理を日頃から心がけましょう。
特に、衛生管理上、消毒薬の種類や使い方を把握することはもちろん、消毒薬の置く場所や管理する場所などは、適切な配置をすることも重要です。

感染症対策【その⑥】保育園職員の清潔さを保ちましょう

子供とスキンシップの多い保育士や保育園の職員は、常に清潔さを保ち、衛生知識の向上に努めることが大切です。乳幼児のおむつ替え時には、使い捨て手袋を使用し、新しいおむつを付ける前には必ず手袋を外し、ウイルスが他へ付着しないように気を付けましょう。血液や傷口に振れる際にも手袋を着用することをオススメします。

感染症対策【その⑦】バランスの良い睡眠や食事を推進しましょう

不規則な睡眠や食生活で体が弱っていると、感染症などの病気にかかる可能性も高めることにもなるでしょう。例えば、睡眠時間であれば、新生児0~3ヶ月は14~17時間、乳児の4~11ヶ月は12~15時間、幼児の1~2歳は11~14時間、3~5歳は10~13時間が最適な睡眠時間と言われています(米国国立睡眠財団公表)。また、栄養バランスの取れた食事は重要となりますが、夏場は水分補給や、あまり冷たいものを摂りすぎないような生活習慣を推進しましょう。

感染症対策【その⑧】正しい手洗いを覚えて徹底しましょう

最後に基本的なことではありますが、感染症の予防には最も重要な手洗いを取り上げます。
多くの病原微生物は、物を介して手から手へと拡がり、それが感染拡大のきっかけとなります。手は見た目に汚れていなくても病原性微生物が付着している可能性があります。
そこで、手洗いの重要性を改めるため、正しい手洗いの方法を紹介します。

正しい手洗い方法
以下の手順を“30秒以上”石けんを用いて流水で行います!
① 液体石けんを泡立て、手のひらをよくこする
② 手の甲を伸ばすようにこする
③ 指先と爪の間を念入りにこする
④ 両指を組み、指の間を洗う
⑤ 親指を反対の手でにぎり、ねじりように洗う
⑥ 手首を洗い、よくすすぎ、よく乾燥させる
※水を止める際に出来れば、指先を使わずに手首やひじ、ペーパータオルを使用するとさらに良いでしょう。
※年齢の低い子ども達にはすべての手順は難しいので、保護者や保育士が手本や介助してあげて、少しずつ正しい手洗いを覚えさせていきましょう。

「衛生的手洗い」の参考動画

参考・引用

・厚生労働省「保育所における感染症対策ガイドライン(2018 年改訂版)」
・いのちをつなぐSARAYA 感染と予防
・米国国立睡眠財団公表「必要と考えられている人間の年齢別睡眠時間」

保育園で想定される“救急対応”を要する子どもの傷病について―小児救急医療現場より

季節柄の感染症もさることながら、保育園では子供達が集団生活をしていく中で、保育中に傷病・事故がやむを得ずに起きてしまうことがあります。そこで、実際に小児救急が遭遇した保育園で多い子供の傷病についてまとめてみました。保育士の方は、子供が怪我などをした場合には、自身の感覚で判断したりせず、速やかに医師の診断や処置を施してもらうようにして下さい。

怪我(事故外傷)

自分では気を付けているつもりでも、子供同士が喧嘩をして怪我をしたり、園児が自分で転んで怪我をしたりする場合もあるでしょう。そのような時、特に注意しなければならないことは “頭を打ってしまうこと”です。救急出動や病院に子どもが来る件数で、この症状が一番多いそうです。頭を打ってしまった場合、頭を打ったにも関わらず「すぐ泣かない」「嘔吐してしまった」「たんこぶがたくさんできている」などの症状が見られた場合、意識障害を引き起こしてしまうようなこともあるのでかなり注意が必要です。「たんこぶどころかブヨブヨとした血腫」ができている時には、頭の骨が折れていたり頭の中が出血していたり、脳挫傷を起こしている比率高いため非常に危険な状態です。嘔吐などはもちろんですが、頭の傷は程度に関わらず、即座に救急を呼び、精密検査ができる病院に行くことをオススメします。また、保育園では、“お腹を打ってしまう子”も多いそうです。子供がお腹を打ってしまうと、大人と違いお腹の容積の割に肝臓など臓器が大きいため、お腹の皮膚は全く異変が見られませんが、目には見えない臓器が損傷していることあります。そのような場合、肝臓、腎臓、脾臓がちょっとでも崩れた状態になれば、嘔吐する症状が現れます。子供がお腹をぶつける現場を保育士が確認できない場合もあるので、子供が嘔吐しているような状態ならすぐ病院へ連れて行ってください。一方、すぐに嘔吐しない場合は、何らかの棒や自転車のハンドルなどでみぞおちをついていまい、膵臓が割れたり、十二指腸の粘膜の中に血腫ができたりする時が多いそうです。普段から子供の状態をしっかりと見ておくことや、少しでも具合が悪そうな子供がいれば声をかけて確認することなど、外傷や症状が直ぐ見えなくても注意しなければなりません。

乳幼児突然死症候群(SIDS)と窒息

保育園で起きてしまう傷病の中に、乳幼児に多い「乳幼児突然死症候群(SIDS)」というものがあります。この乳幼児突然死症候群(以下、SIDS)は、乳児期の死亡原因として“第4位”となっており、平成29年には77名の赤ちゃんがこのSIDSで亡くなっています(厚生労働省「平成29年度 乳幼児突然死症候群(SIDS)について」)。
SIDSと窒息は非常に鑑別が難しいものなのですが、少し前まで元気にしていた乳幼児が“事故ではなく眠っている間に突然死亡してしまう病気”です。
SIDSは家庭で起こることは少なく、保育園など“家庭外”で起きてしまうことが多く、詳しい原因の解明には至っていません。
しかし、ほとんどのSIDSの症例は、生後2~6ヶ月までに非常に多く見られ、保育園の“預け始め”に集中します。「昨日から保育園に預か出した時」や「試しに預けの時」など、子供が何かしらの環境変化に対する反応ができずに、SIDSを起こすのではないかとされています。確固たる医学的な根拠はありませんが、乳幼児の環境変化に伴うストレスの要因となりかねない保育園では、とくにSIDSが発生しやすい乳幼児の見守りや観察に注意が必要です。下記の4つポイントに気を付けことにより、SIDSの発症率は低くなり未然に防げる確率が高くなるというデータがありますので、知識を高めておきましょう。

SIDSの発症率を低くするポイント①1歳になるまでは、あおむけに寝かせましょう

SIDSは、うつぶせ・あおむけのどちらでも発症する可能性があるものですが、うつぶせ寝は仰向け寝より3倍ものリスクがあるとことが研究者の調査からわかっています。これは睡眠中の窒息事故を防ぐ上で、参考になる大切なことなので覚えておいてください。

SIDSの発症率を低くするポイント②可能な限り母乳で育てましょう

母乳での育児は、乳幼児の成長にとって最適だとされ、SIDSの発生率も低くなるといわれています。人工乳が特段悪いわけでも発生原因ありませんが、参考情報として把握しておきましょう。ちなみに、保育園によっては、定期的に保護者から母乳を頂いてあげているところもあります。

SIDSの発症率を低くするポイント③乳幼児を暖めすぎない

どうしても冬や夏の冷房対策にと部屋を暖め過ぎたり、布団をかけ過ぎたり、厚着をさせてしまったりしてしまいがちです。まだ体温調節でもできない乳幼児にとって、高体温となることで、SIDSを引き起こしてしまう原因の可能性があります。できるだけ通気性や吸湿性の良い衣服を着せ、不必要な靴下や帽子は脱がしましょう。

SIDSの発症率を低くするポイント④妊娠中や乳幼児の前でのタバコはやめましょう

妊娠が喫煙することによって、お腹の中の赤ちゃんの体重が増えにくく呼吸中枢にも悪影響を及ぼすとされています。そしてタバコはSIDSの発生にも大きな危険因子だとされているため、妊婦自身の喫煙そして妊婦や乳幼児の傍での喫煙は控えてください。

窒息について

内閣府は、2018年に報告された保育施設や幼稚園、認定こども園にて、事故で死亡したのは9人と発表しました。亡くなった子供は、0歳が4人、1歳が4人、6歳が1人です。
このうち、発生状況別では「睡眠中」が8人で「その他」が1人でしたが、うつぶせ寝で亡くなった子供が2人確認されました。保育園では、午睡など睡眠時に最も多く発生しており、その多くはうつぶせ寝の状態で窒息にいたってしまっています。窒息の予防には、睡眠時の体調の急変を見逃さないため「保育士が子ども達一人ひとりを確実に見守られる体制」と「うつぶせ寝にさせないこと」「定期的な呼吸や顔色のチェック」を行うことなどが得策だと考えられています。

■睡眠中の死亡事故のうち「うつぶせ寝」の数
  認可保育所 認可外保育施設 合計
平成24年 2名 3名 5名
平成25年 2名 7名 9名
平成26年 0名 4名 4名
平成27年 0名 6名 6名
平成28年 2名 2名 4名
平成29年 0名 1名 1名
平成30年 0名 2名 2名

※出典:内閣府子ども・子育て本部「平成 30 年教育・保育施設等における事故報告集計」
※平成26 年までは地方単独保育施設、その他の認可外保育施設と分類して把握していない。
※平成27~30年の地方単独保育施設における「うつぶせ寝」は 0 名。

高熱(高熱性疾患)

保育園では、基本的に子どもの体温37.5度以上で「発熱」とみなして子供を預からないシステムとなっていますが、保育中に発熱が見られる場合もあるかと思います。保護者の中には「熱はあったけど元気そうだったから解熱剤を飲ませて保育園に預けました」など、熱に関して注視していない方もいらっしゃいます。しかし感染症による発熱(高熱)は、対処や判断を間違ってしまうと重症化する可能性があります。

高熱から重症化の可能性があるチェックポイント

上記の症状がみられる場合には、早めの病院への往診が必要となりますが、「いつもの顔つきとちょっと違う」といった時には用心しないといけない状態です。専門医への受診を強く勧めます。

けいれん(内科的中枢性疾患)

保育園またはご家庭でも救急車を呼ぶことが多い症状として、高熱に次いで頭の中の病気でもある中枢性疾患の「けいれん」が挙げられます。子供に多くみられるけいれんは、熱がある「有熱性けいれん」と熱のない「無熱性けいれん」に分けられます。「有熱性けいれん」は、1~3歳児に多く発症し、熱が出始めてから24時間以内にけいれんが起こります。
また、「無熱性けいれん」は、脳の細胞が通常とは異なる活動をすることで引き起こされる病の「てんかん」による原因が多く、脳波異常を伴い、同じ形の発作を繰り返すことが特徴で、7割は小児期に初発すると言われています。保育園では起こる事例としては、登園時の朝には熱がない状態で、次第に昼から熱が高くなり、保護者が来る間にけいれんが起こることが多いそう。その場合のけいれんの際は以下のポイントを注力して観察し救急に伝えてください。

また、けいれんは数分で止まる時もありますが、再びけいれんが続く可能性もあります。
「もうよくなったのか」と自己判断をせず、けいれんしている状態を確認したら、必ず病院へと連れていってください。重症化してしまうと大変危険なこともあり、「救急車が到着してけいれんが止まっていればそれに越したことはないくらいの気持ち」で救急を呼びましょう。けいれんを引き起こす病気の中に「髄膜炎」というものあり、「エンテロウイルス」という夏場に流行るウイルスが「無菌性髄膜炎」を発症させます。保育園でも非常に流行りやすいもので、同じ園から何人もの子供が髄膜炎で入院するということも起きてしまう可能性があります。
少し熱があっても元気だから大丈夫と保育園に登園させてしまうこともあるようですが、その結果として不必要に体力を消耗させ、髄膜炎を引き起こす可能性もあります。

けいれんを発症した際の対処法
・呼吸を促すため上着のボタンを外すなどして衣類を緩める
・嘔吐による窒息防止に右側臥位※にして様子をみる
・風の通るところに寝かせてあげる
※右側臥位…右側を下に横向きに寝ている姿勢です。身体のバランスとリラックスした安定性を保つために腰を引き“くの字”の状態にします。

呼吸苦(呼吸器疾患)

呼吸苦は、上気道、気管・気管支、肺、胸膜等の呼吸器に起こる疾患の総称です。
肺や気管支に異常があるとすれば、心臓の機能が弱まって酸素を運ぶ血液が全身に十分に行きわたらなくなり、結果として酸素不足になります。原因は、食物や薬のアレルギーもしくは、精神的なストレスによって引き起こす場合もあります。呼吸苦の病気で主に多い症状は下記になります。

「肺炎」も子供に多くみられ病気ですが、実は肺炎は決して高熱が出るというわけではないため、日中はほぼ保育可能な微熱で、降園してから夜になって子供の熱が上がってくるパターンが多い症状と言えるでしょう。また、「気道異物」は、子供がピーナツなどの豆類やニンジン、キュウリ、セロリなどの硬いもの誤嚥し、食事中などで突然咳き込み出してしまう症状です。
とくに3歳以下の子供に多い傾向があり、3歳を過ぎるまでは“嚙み砕く”行為を用いる食材には気をつけてあげましょう。

腹痛(消化器疾患)

救急を要する腹痛となると「脱水」が一番の問題となりますが、保育園にて救急を呼ぶかどうかの判断は難しいこともあります。ぜひ下記のポイントを判断の参考にしてください。

救急を呼ぶ腹痛のポイント
・顔色が悪い
・お腹を触るとすごく固い

こういった場合には、救急や病院へと急ぎましょう。4,5歳の子どもになると甘えて、構って欲しいために「お腹がいたい」と仮病を使ってしまう子供もいますので、冷静にしっかりと状況を見極めることも必要です。このほかにも、子供の様子が朝は何ともなかったのにお昼前から突然お腹を痛がり、吐いてしまうといった症例には、「腸閉塞性疾患」の「腸重積症」や「内ヘルニア」などの場合があります。オムツを外してみて、左右の大腿部の付け根にある溝の内側にある下腹部の三角形状の鼠蹊部が盛り上がっているようなら「腸閉塞」の恐れもあります。
そして、細菌による「食中毒」も保育園では可能性がある病気です。鶏卵に多い「サルモネラ」という、ひどい血便を起こして痛がるもの、細菌性腸炎を起こしてしまうことになります。「カンピロバクター」というのも鶏肉で感染するものや牛肉に多い「0‐157」が多くみられます。これらは“まだ煮えていないのを食べている”ことが起因しているため、保育園では必ずしっかりと火が通したものを食事に出しましょう。更には、もう一つ保育園で起きる傷病として「アレルギー性紫斑病」というがあり、就学前の子供に多くみられものです。
下半身と脛あたりに出血斑がみられ、足関節や膝関節が腫れて痛がって歩かない等の症状です。「出血斑」と「湿疹」の見分け方としては、そこを押して赤みが消えれば「湿疹」です。押しても赤みが消えないときには「出血」だと考えられます。時折、下痢をしているのに保育園へ登園する子供もいます。これはノロやロタなど急性の腸炎が終わった後、腸の粘膜は正常に戻っていても腸のリズムだけがまだ元に戻らずに“食欲と元気があって、お腹も痛くなくても排せつは下痢をしてしまう”というケースが考えられます。子供の様子がおかしければ、保護者に確認することも必要です。

参考文献
・厚生労働省「乳幼児突然死症候群(SIDS)について」
・内閣府子ども・子育て本部「平成 30 年教育・保育施設等における事故報告集計」
・チャイルド・リサーチ・ネット
・公益財団法人母子健康協会「第28回 母子健康協会シンポジウム」
まとめ
保育園では、長い時間子どもたちと一緒に過ごします。そのため、保育士は感染症やケガなどの対応を日々求められることがあるので、「冷静な対処」「緊急時の対策」「医療機関との連携」を日頃から心掛けることが大切です。また感染症が感染をしてしまってかたらでは遅いので、今回ご紹介したような予防対策の徹底と感染症についての正しい知識を蓄えておきましょう。そして保護者と協力して子ども達の健やかな成長を見守っていきましょう。