子供から大人まで楽しめるイベントの1つがクリスマス。子供たちにとってのクリスマスは、家族でろうそくに火を灯してケーキを食べたり、クリスマスツリーやオーナメントで飾り付けをしながらサンタクロースからのプレゼントを心待ちにしたりと、期待に胸弾ませる日になることでしょう。キリスト教系の保育園であれば、協会に行って賛美歌の合唱や説教を聞いたり、劇などを披露したりするところも多いようです。
そこまで本格的ではなくとも、クリスマスの時期に近づけば、子供たちを楽しませようと様々な企画を考えます。今回は、多くの子供たちが楽しみにしているクリスマス会を成功させるため、「どのような準備や進め方が良いのか」「何をすると子供が喜ぶのか」などの工夫やアイデアを紹介したいと思います!
保育園のクリスマス会って具体的にどのようなことをやるのか、保育士として初めてクリスマスを迎える方は知らないことも多いのではないでしょうか。保育園のクリスマス会は、保育士による出し物や園児による出し物、みんなで楽しめるゲームなど、できることは沢山あります。毎年恒例になっている出し物などがある場合は、先輩保育士に昨年までの実施要領を聞きながら準備を進めていくと比較的スムーズに計画が立てやすくなるでしょう。
しかし、せっかくなので、子供たちが喜ぶような新しい出し物を披露することも考えたいものです。全てを変えなくても、恒例のプログラムの中に新しいアイデアを入れるなど、一部分を変更してみる工夫をしてみるのもいいかもしれません。加えて、出し物は誰が行うのかも決める必要がありますが、保育士主導で進めるだけでなく、園児にも参加する役割を与えることで、よりクリスマス会を盛り上げて楽しめるようにすることが出来ます。
また、保育士の出し物を見るのは何歳児クラス、子供の出し物を行うのは何歳児クラス、といったように基準を決めなければなりません。特に乳児クラスは幼児クラスよりも30分近く給食の時間が早い場合があり、生活リズムが違います。乳児クラスもゲームや遊びに参加し、出し物を見たりするのであれば、会の最初の方に組み込み、集中力のある間に楽しめるように工夫しましょう。
クリスマス会を企画する際に押さええておきたいポイント |
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①毎年恒例の出し物にするか、新しいことをするのか決める。 ②出し物は誰の役割にするのか決める(子供、保育士、サンタクロース等) ③子供たちの生活サイクルを考慮したプログラムを組み立てる。 |
次は、前述したポイントを考慮して、実際にプログラム案を組み立ててみました。まずは、プログラムに盛り込んだ項目や流れを確認してください。順を追って説明してきます。
クリスマス会プログラムの一例 | |
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10:00 | 開始の挨拶・歌 |
10:10 | 保育士からの出し物(劇やハンドベル、パネルシアターなど) |
10:30 | サンタクロース登場(プレゼント配布もしくはプレゼント交換) |
10:50 | 乳児クラスの園児は記念写真で終了 |
11:00 | 幼児クラスの出し物(じゃんけん列車、ドンじゃんけんなど) |
11:10 | 合唱や合奏 |
11:30 | 終了 |
※1日中クリスマスムードで子供たちが楽しめるようにしましょう。
最初に子供たちが楽しみにしているクリスマス会について、クリスマスが何であるかを簡単に説明して盛り上げていきましょう。また、クリスマス会の途中、もしも具合が悪くなったり、困ったことがあれば、先生に声をかけたり、近くのお友達に伝えるようにするように話しておくことも必要です。
開始の挨拶例 |
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クリスマスは、世界中の人たちの幸せを願ったイエエス・キリストという人の誕生を祝うお祭りです。パパやママ、おじいちゃんやおばあちゃん、そしてお友だちなど、みんなにも大切な人がいつでしょ?みんなが幸せになるように、やさしい気持ちになって、クリスマスをお祝いしましょう! |
「園児たちを楽しませたい!」そんな保育士の皆さんにおすすめの出し物をいくつかご紹介します。
パネル布を貼った舞台に絵を貼ったり外したりして展開する、おはなしや歌遊びをはじめとする教育法です。動きがあることで興味をひき集中力が持続する点が特徴といわれています。
おすすめの作品 |
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「森のクリスマス」 作・絵: きむら だいすけ 「赤鼻のトナカイ」 絵: 塚田 恭子、訳: 遠山 海彦 |
クリスマスに関連する絵本は沢山あります。クリスマスの由来や、サンタクロースの話など、種類も様々です。最近では仕掛け絵本や保育園での読み聞かせに最適なビッグブックなども人気があります。
おすすめの作品 |
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「まどから おくりもの」 作: 五味 太郎 「クリスマスってなあに」 作・絵: ディック・ブルーナ、訳: 舟崎 靖子 「ノンタン!サンタクロースだよ」 作・絵: キヨノ サチコ |
園児たちは集中力が切れるのが早いので、サンタクロースは序盤に登場させることをおススメします。サンタクロースの登場の際の演出は、鈴の音と一緒に突然登場するパターンと、みんなでサンタクロースの名前を呼んで登場してもらうパターンの主に2種類が挙げられます。どちらの登場方法であっても、サンタさん自身から「トナカイが引くソリでやってきた」「寒い国から来た」ことを園児の前で話すことで、子供たちもサンタの世界に入りやすくなります。ただし、人見知りやサンタを怖がって泣いてしまう子も少なくないので、そのような状況では無理せず保育士が子供を抱っこして、「サンタさん=怖い」というイメージがつかないように注意が必要です。また、子供の状況を見ながら、次の写真撮影の時にサンタの横に並んで撮影するなどの工夫もしてみてください。そして、子供が楽しみにするプレゼントは、サンタさんから渡すのも夢があって良いですが、子供同士でプレゼント交換するのも楽しめます。
なお、自治体によっては、男性職員がサンタクロースの恰好をして各保育園に挨拶回りをすることもあります。
ここまでのイベントで50分ほど経過していると仮定してみると、乳児クラスの園児の集中力もそろそろ限界に達してくる時間です。そこで、サンタクロースの記念写真を撮ったら、乳児クラスの園児は終了として、クラスに戻るように仕切ると良いでしょう。
次は幼児クラスの出し物の案です。ここでは、子供たちの参加性を重視して、下記のようなゲームを企画すると良いでしょう。主役は幼児クラスの子供たちにしますが、保育士の先生も一緒になってゲームに参加するのもおススメです。下記に挙げたゲームは、ほとんど準備を必要としないので、保育園にある物ですぐに始められる内容をご紹介します!
「じゃんけん列車」 (とても簡単なゲームです) |
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①最初はみんな1人でスタートします ②出会った人同士がじゃんけんをします ③負けた人は勝った人の後ろにくっついて列車を作ります ④後に列車の先頭になった人が勝ちです |
「ドンじゃんけん」 (椅子を何脚か用意して始めるゲームです) |
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①2つのチームにグループ分けをします ②直列に並んだ椅子の両端にグループごとに並びます ③両端からジグザグに進み、出会ったらじゃんけんをします ④勝った人はそのまま進み、負けたチームは次の人が進みます ⑤手の陣地までたどり着いたら得点が入ります ⑥限時間内で得点が多いチーム、または相手の陣地に近いチームが勝ちです |
プログラムの最後は、園児と一緒にクリスマスの歌や合奏をして終わりましょう。
合奏の場合には、タンバリンやカスタネットなどを園児と一緒に合奏できるような楽器を使います。合奏を行う際には、演奏できる先生以外の先生も積極的に参加してダンスを踊ったり、歌をうたったりすると、子供たちも喜んでくれるでしょう。雰囲気が良く、子供たちの記憶に残るような楽しい締めくくりを心がけてください。
おすすめの曲 |
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「ジングルベル」 作曲: James Lord Pierpont 「あわてんぼうのサンタクロース」作詞:吉岡治、作曲:小林亜星 「クリスマスの歌がきこえてくるよ」 作詞・作曲:新沢としひこ |
クリスマス会の当日だけでなく、待ち遠しいクリスマスに向けて、クラスで協力し合いながらクリスマスの飾りなどを制作するのもおススメです!ここでは、クリスマスにちなんだツリーやレースなどの飾りについて、いくつか制作物の案を紹介しておきましょう。
オリジナルリース作り(1歳児) |
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【材料】緑色の画用紙、リボン、シール(丸形や星形など) ①リース型に切った画用紙を用意します ②園児に好きなようにシールを貼ってもらいます ③完成したものにリボンをつけて完成 |
オリジナルツリー作り(2歳児) |
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【材料】緑色の画用紙、クレヨン、シール(丸形や星形など)、リボン ①ツリー型に切った画用紙を用意します ②園児にクレヨンやシールなどで自由に装飾してもらいます ③出来上がったツリーにリボンをつけて完成 |
サンタクロースのおひげ付け |
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【材料】画用紙(赤、うすだいだい、白、黒)、綿、のり、両面テープ ①サンタクロースの顔の土台を作ります ②園児に、顔のパーツを貼ってもらいます ③あごひげ部分にのり又は両面テープを貼ります ④綿を好きなように貼れば完成です |
クリスマス会を成功させるには、担当保育士はもちろん、クリスマス会に参加している保育士、園児たちが一体となって楽しむことが重要です。
そのような意味では、クリスマス会当日はもちろんですが、クリスマスツリーの飾りつけを園児と一緒にやったり、制作したものを廊下や教室に飾ったりしながら、子供たちと一緒に当日を楽しみに迎えることも、一体感を生むために必要な取り組みと言えるでしょう。
園によっては、給食にケーキを出してくれることもあるようです。年に一度の行事なので、園児と一緒に目いっぱい楽しんでください。