幼稚園教諭に限らず、就職・転職活動で必ず提出を求められる書類が“履歴書”です。その中で最も頭を悩ますと言っても過言ではない“志望動機”は「書くのが面倒」「どう書いたら良いかわからない」と思う方は少なくないはず。そこで今回は今後、幼稚園教諭が求められるポイントも含めて「好印象を与える志望動機の書き方」について、例文つきでご紹介していきます。転職をお考えの幼稚園教諭の方から幼稚園教諭を目指す学生の方まで、幅広い層に向けた記事となっていますので、志望する幼稚園から内定をもらえるように、より良い志望動機を一緒に考えていきましょう。
志望動機を作成する前に、まず幼稚園教諭の仕事内容について整理しておきましょう。
幼稚園教諭は、満3歳児から5歳(就学前)の子どもを対象に音楽・運動・遊びなどを通じて“教育”を行っています。例外としてプレ保育の一環で、2歳以下の子どもを預かることもあります。したがって、保育園と同様に子どもを預かっていることに変わりはありませんが、幼稚園教育要領に基づいたカリキュラムに沿って保育を行うため、子どものお世話だけではなく“先生”として指導をする立場となるので、「健康、人間関係、環境、言葉、表現」において、子ども達一人ひとりの個性を活かして成長をサポートすることが役目です。そして日々の子どもの健康チェックや集団生活でのルール・適切な生活習慣を教え、生きていく為に必要な基礎となる人間性・社会性を養い育みます。
しかし、これだけが幼稚園教諭の仕事ではありません。幼稚園によってはバスでの送り迎えから、保護者と子育てについてのコミュニケーションを取ることも仕事に含まれます。くわえて四季を通じたイベント行事の準備、園だより作成、保育計画の立案、連絡帳記入、クラス懇親会の報告書などの事務作業も幼稚園教諭の大事なお仕事になります。
上記だけでも、幼稚園教諭の仕事は子ども達のお世話をするだけでなく、体力やコミュニケーション、計画性などが必要であることがわかります。
では早速、幼稚園教諭が履歴書に志望動機を書く際の重要なポイントについてご紹介します。
志望動機を書くことが苦手な方は、まず「”なぜ”その幼稚園で働きたいのか」を明確にしましょう。その”なぜ”を軸にして、その根拠となる具体的なエピソードを肉付けしていくのが志望動機を作成する上で重要になります。さらには、将来の目標やその幼稚園でどのような貢献ができるのか、子どもとの向き合い方等を加えると、書面からも人間性が伝わり、より良い志望動機となるでしょう。
これら4つのポイントをおさえて書くことが、採用担当者から高い評価をもらえる志望動機になります。
決して同じ特色や規模の幼稚園はないので、数多くある幼稚園の中で、なぜこの幼稚園を選んだのかを明確にすることは、良い志望動機を作成するためだけでなく、自分自身の今後のキャリアを考える上でも非常に大切なことになります。
選考においては、前項で述べた仕事内容を任せることができるか、学ぶ意欲があるのかも重要なポイントになります。もし、なかなかペンが動かない場合は、採用担当者の視点に立って、自分なら「どんな人を採用するのか」「どんな人と働きたいのか」を想像してみるのも良いでしょう。
それでは、前述しましたポイントを踏まえて幼稚園教諭の志望動機を作成してみましょう!
これから紹介する例文を参考に、自分自身の言葉で書いていきましょう。
印象に残る志望動機として、志望する幼稚園の方針や雰囲気をよく知り、それに対して肯定的な文面が良いでしょう。例文①の志望動機のように、実体験をもとに、その園ではないといけない理由を具体的に述べています。さらに自分が経験してきたことを長所も含めてアピールすることで、どんなキャラクターなのかが伝わりやすく、採用担当者にとっても入職後長期的に活躍してもらるかがイメージしやすくなるでしょう。
この志望動機はまず初めに、自分の幼稚園教諭としての考えを主張した上で、自身の経験に基づく具体的な根拠を分かりやすく提示しています。ここでさらに自分の得意とする分野のアピールもすることで、採用担当者へ良い印象を与えるができます。また、どれだけ自分の考えと幼稚園の運営方針が一致しているかを述べることによって、幼稚園との親和性の高さが分かる志望動機となっています。
ブランクがあっても、過去に培ってきたスキルや、実際に子育てをした経験は必ずプラスになります。幼稚園の中でもとくに新園では“即戦力”として採用することも大いに考えられますので、ぜひこれまでの経験などをアピールをして採用担当者から高い評価を得られる志望動機にしましょう。また、なぜその幼稚園で職場復帰をしたいのかという理由も明記することで、より志望度を伝えることができるでしょう。
志望動機は自分を偽って書いても、良いことは一つもありません。たとえそれで入職できたとしても、長期的に活躍していくことは難しいでしょう。とくに幼稚園教諭という立場は、子ども達の見本であり人間性を重要視されます。ぜひ、「あなたらしさ」が伝わる本音を感じさせるものと、この幼稚園でなければならない「唯一無二の理由」を含めたものにしましょう。
ここで、今後幼稚園教諭に求められスキルをご紹介します。この注目されているポイントをおさえることによって、志望動機や自己PRにも活用していきましょう。
人手不足が叫ばれる保育業界において”体力”も求められる重要なポイントのひとつですが、多種多様な働き方をする保護者のニーズに対応できる保育園の人気が高まりをみせる中で、幼稚園の通常の保育時間は9~14時までと非常に短いため、幼稚園への入園希望者や施設数が減少している傾向にあります。近年ではこういった事態を解決すべく、子どもを長時間預かれるように延長保育や土曜日・長期休暇の預かり保育のサービスを導入する幼稚園が増えています。また、幼稚園と保育園を一元化した「認定こども園」が誕生した影響もあって、幼稚園教諭には長時間の勤務が可能となる「体力」「責任」が必要となっています。
さらに、今後も認定こども園は増えていく見込みです。認定こども園は、保育士資格持っていなくても働ける園は多いのですが、保育士資格も所持していると確実に求人の幅が広がります。志望動機においても、保育士資格を持っていることは大きなアピールに繋がるでしょう。もちろん急いで幼稚園教諭免許と保育士資格の取得をしなくても、2025年度3月までは特例制度によって、最短で保育士資格又は幼稚園教諭免許を取得することができます。この場合、志望動機には「保育士資格取得も目指す意気込み」を明記すると、学習意欲を伝えることができるでしょう。