就職や転職活動の際、履歴書とあわせて職務経歴書を提出するのが一般的ですが、書類の書き方1つであなたの印象を大きく変えることになることを念頭に置いておきましょう。職務経歴書は、履歴書とは異なり、これまでにどのような仕事を経験して、どのようなスキルを身につけてきたのかなどを要約した書類になります。言い換えれば、履歴書では伝えきれないことを補助する役割もあり、採用担当者が関心を持つようなポイントをしっかりと押さえて書く必要があります。今回はこれから保育園に就職・転職をお考えの方に向けて、書類選考や面接の際に必要となる職務経歴書について、どのように書けば採用担当者に良い印象を与えることができるのか、作成方法の手順から書くべきポイントなどを詳しく解説していきますので是非参考にしてみてください!
職務経歴書の作成にあたっては、単にこれまでの職務経験を羅列するだけはなく、あなたが得意とする分野や、これまでに身に付けたスキル、仕事における成果や実績、応募先の園との接点を見出してまとめることが必要です。採用担当者はあなたの職務経歴を見て、あなたがこれまでに身につけた経験やスキルを”どのように活かすことができるのか”をイメージするので、履歴書よりも職務経歴書を重視する傾向がありますが、あなたが職務経歴を上手に自己PRすることができれば、採用の確率をグンと上げることができます。
採用枠が少ない上に人気のある園の場合、書類選考を無事通過した候補者のみ面接を行うので、あなたのこれまでの経験を初めは書類だけで判断されることになります。
したがって、職務経歴書に書かれていることが極めて重要になりますが、書類に目を通すのは「学歴や資格が中心では?」と思われていたら、職務経歴書の重要性を今一度見直してみてください。職務経歴書をうまく作成することができれば、応募者多数の人気の園でも面接の機会を得られる可能性は高まるはずです。
一昔前までは、「履歴書も職務経歴書も心をこめて”手書き”で!」と言われることが多くあったと思いますが、職務経歴書に関しては手書きではなく、パソコンでの作成をおススメします。wordやExcelを使用して作成するのが一般的ですが、印刷した際にきれいに仕上がるのであれば形式は問いません。
用紙のサイズはA4を使用し、2枚にまとめるようにしましょう。採用担当者が複数の応募の中から一つひとつ確認することを想定すると、職務経歴書を読みやすいように最適な分量でまとめることが重要なポイントの1つです。1枚では少なく、3枚以上だと多すぎるため、2枚にまとめるように心がけましょう。
書式としては、用紙は縦長で、横書きにして作成するのが一般的ですが、内容はもちろんのこと、すっきりしていて読みやすいレイアウトに整えることも考慮してください。
整理された書類は、読みやすさだけでなく、「文章作成能力やプレゼンテーション能力の高さ」を印象として与えることができるでしょう。
最初にすべきことは、自分に職務経験などに合わせた職務経歴書の形式を選ぶことです。この形式の選び方によって、経歴を整理して読みやすくするだけでなく、貴方が経験してきたことをどのように協調するのかも方法が変わってきます。主には、編年体形式、逆編年体形、キャリア形式の3つが挙げられますが、順番に効果や役割もみていきましょう。
①編年体形式 |
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最も一般的な職務経歴書の形式ですが、職務経歴書の古い順番に履歴書のように、入社退社の時期を軸にして異動・昇格・勤務内容や実績を記載していきます。 この方法は、どのように経験を積み、何を得てきたのか、貴方の経験を時系列に積み上げてアピールできるので、同じ業界や業務に携わってきた方にはお勧めの形式です。 一般的な書式で一番書きやすいため、迷ったら編年体形式にしましょう。 |
②逆編年体形式 |
最も一般的な職務経歴書の形式ですが、職務経歴書の古い順番に履歴書のように、入社退社の時期を軸にして異動・昇格・勤務内容や実績を記載していきます。 この方法は、どのように経験を積み、何を得てきたのか、貴方の経験を時系列に積み上げてアピールできるので、同じ業界や業務に携わってきた方にはお勧めの形式です。 一般的な書式で一番書きやすいため、迷ったら編年体形式にしましょう。 |
③キャリア形式 |
技術職や専門性の高い職種などに携わってきた方や、転職経験の多い方に向いている形式です。あえて時系列にこだわらず、プロジェクト内容ごとに記載する方式を採用するので、業務内容などのアピールしたい部分に趣を置いて書くのが特徴となります。 但し、プロジェクト内容ごとに記載する場合、逆に転職などの経過がわかりにくいという欠点も出てくるので、プロジェクト内容の中でも時系列にするなど、編年体形式を組み合わせて補うようにして下さい。 |
形式を決めたら、実際に職務経歴書の作成を進めていきましょう。
ここでは、編年体形式で作成することを仮定して説明しますが、職務経歴書の基本的なテンプレートなどを使って、今まで勤めた会社の職経歴を時系列に整理して箇条書きもしくは簡単な文章で書き出してみてください。コツとしては、最初から完璧な文章や書類を作ろうとはせず、最初に順序立てて骨組みを作ることに重点を置き、経験を積み重ねたことで身に着けたことや、自身の課題や得意分野も整理しながら、伝えるべき内容を要約するなどして、繰り返しブラッシュアップして完成に向けることです。
次は、職務経歴書に記載すべき項目毎のポイントを順番に説明していきます。
・職務経歴書のテンプレートサンプル
画像のテンプレートサンプルは、見本として作成してみましたが、下記内容の解説と照らし合わせながらご確認下さい。
・職経歴書の様々なテンプレート集
このほかにも、下記のようなテンプレートの用意もありますので、どのような形式で書くかも含め、貴方が使いやすいものを選んでください。
① 日付、氏名、住所、電話、Eメール |
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日付は、提出日を書きましょう。また、氏名、住所などは履歴書にも書いていますが、職務経歴書にも記載します。面接官などが職務経歴書に書かれている基本情報で連絡する場合も想定し、くれぐれも間違いがないように記載してください。 |
② 職歴の要約 |
最初に自身の職務経歴を「あらすじ」としてまとめましょう。細かな職務経歴に目を通す前に、貴方の職歴の概略を伝えることになりますが、分かりやすく簡潔にまとめることがポイントで、この項目は書類選考の通過率が変わるほど重要だと言われています。 |
③ 職務経歴 |
このパートは、経験社数などによって個人差はありますが、1社あたり約3~5行程度で簡潔にまとめるようにして下さい。ここでは、文章を短くまとめるために、自身の熱意などはあまり記載せず、具体的な成果を中心にまとめていくと良いでしょう。 |
④ 主な経験 |
応募先の企業が求めている経験に合致した内容で書かれていることが重視です。そのためにも、求人内容を今一度確認し、募集背景や求める人材などをしっかりと把握し、どのような経験が期待されているのか汲み取るようにして下さい。 また、経験の浅い人にとっては、何を書くべきか悩むところですが、前職で「何を経験したのか」を書くことが少なければ、「どのような姿勢で取り組んだのか」に重点を置いて書くと良いでしょう。大切なことは、経験がなくても、意欲的に創意工夫しながら仕事に取り組んだことが伝わることです。 |
⑤ 資格・免許・特技・スキル |
資格や免許は、保育士資格、認定ベビーシッター、絵本専門士、TOEICなど、保育士の仕事で役立ちそうな資格を取得していて記載できるとベストです。 また、特技や技能は、できるだけ具体的にどのような場面で特技や技能が活かせるのかを書くことが重要と言えるでしょう。 例えば、「保護者の方と〇〇をしたことで良好なコミュニケーションが図れた」や「Wordを使って行事に関するお手紙を作成した」などが一例として挙げられます。 |
⑥ 自己PR |
自己PRは、応募先企業に対して、貴方の強みや熱意を伝えるとともに、「入社後に活躍してくれそうな人材であること」をイメージしてもらうことが大切です。 特に自己PRは、何を書いたら良いのか迷う人も多いと思いますので、次の項目で例文を挙げて細かく解説していきます。 |
職務経歴書は、企業が求めている貴方の経験や技能を簡潔に要約して伝えることが重要です。そして、骨組みが出来た後は、重複や無駄な文章がないか、記載した内容で伝わりそうかなどを繰り返しチェックしてみてください。文章作成が苦手な方にとって2枚も職務経歴書をまとめるのは難しいと感じるかもしれませんが、自分を売り込む絶好のチャンスとなりますので気合をいれて書きましょう♪
自己PRで書くべきポイントについて、様々な経験などを想定して例文を挙げましたが、主な経験をまとめる内容としても活用できる内容もありますので、参考にしながら作成をしてみてください。
<保育士経験未経験の方向けの自己PR> |
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未経験から保育士にチャレンジする場合には、保育士の資格を取得していることが前提となりますが、保育士を目指している理由や熱意などを伝えることが大切です。 |
~保育士を目指している熱意をアピールする形の例文~ |
・保育士になる志を軸にして書くようなケース 知育玩具の販売の仕事の経験を通じて、もっと直接的に子供たちと触れ合いたい気持ちが強くなり、通信講座を活用して保育士資格を取得しました。 |
<保育士経験1年~5年までの方向けの自己PR> |
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経験の浅い方は、実績や成果をアピールするよりも、業務への姿勢や経験してきたことが今後に活かせるといった内容や、人柄における長所やマインドなどをアピールしましょう。経験が浅くても、業務で上げてきた成果や実績が書けるようなら、実績をアピールするのは効果的です。 |
~転職の理由や業務への姿勢や経験をアピールする形の例文~ |
・転職の理由を軸にして書くようなケース 保育士として4年間勤めてきた中で、子供達1人ひとりの個性を尊重しながら関わってきましたが、園児の人数が多いため、1人にかかる時間を十分にとれないことから、もっと園児に寄り添った保育がしたいと感じるようになりました。そのため少人数制の貴園でこれまで経験したことを活かし、新たな形でスタートできたら良いなと思います。 |
・保育士の経験を軸にして書くようなケース 保育の業務では、子供1人ひとりの性格や成長過程に合わせた関わり方を心がけ、子供達が安心して楽しく保育園で過ごせるように努めてきました。子供達の成長を手助けし共に様々なことを共有し私自身ももっと成長していきたいと思っています。そしてこれからも1人ひとりの子供の気持ちに寄り添える保育士を目指したいと考えています。 |
~自身が取り組んだ業務内容をアピールする形の例文~ |
・子供たちとの関わりを軸にして書くようなケース 保育士として4年間勤務してきた中で、もっとも印象深いことの中に、4歳児の子供たちと毎日毎日大きくてきれいな泥団子を作るため、繰り返し制作に取り組んだことがありました。何度も何度も試行錯誤を繰り返し、もっと大きく!もっときれいに!と、子供たちの工夫しながら真剣に取り組んでいる姿に胸を打たれ、お迎えにきた保護者の方と一緒に感動と喜びを分かち合う経験はとても貴重な体験です。時間で区切る、カリキュラム通りに保育を進めることも大切ですが、子供たちの本気の姿ととことん向き合うことも、保育士として重要な要素ではないかと考えます。 |
・細かい事への気配りを軸にして書くようなケース 運動会や発表会で、誰も気がつかなかった危険な個所を見つけすばやく対処することで未然に事故を防ぐことができました。 |
・担任のサポート業務を軸にして書くようなケース 副担任として補助をしていた頃では担任の方がスムーズに業務を行えるように先にやっておくことや後片付けなどをすばやく行い、また支持にも素直に従いサポート体制を万全に整えることができました。 |
<保育士経験5年~ベテラン年数の方向け自己PR> |
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ある程度の経験を積んだ方には、保育を長く経験して知り得たことや、主任の経験などをアピール!実績が伴っていることが多いため、実績をアピールする形をとると良いですね。 |
~まとまった実績や成果をアピールする形の例文~ |
・良好な職場環境作りを軸にして書くようなケース 現在主任をしており、保育士○○名をまとめておりますが、部下の悩みや相談を聞ける機会を設けさらに積極的にコミュニケーションをとることで、意見を通しやすく皆で協力しあう職場環境を作ることができました。 |