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保育士に向き不向きはある?自己判断で諦めるのはまだ早い!向いている人の特徴とは?

自分の好き嫌いに関わらず、仕事には向き不向きがあるのも事実です…しかし、向き不向きを短い時間の中で判断することは難しく、実際にはある程度の期間で働いてみないと分からことが多いものです。理想としていた保育士像と現実の保育現場でのギャップがあったような場合には、「自分は向いていないのでは?」とネガティブな思考が働いてしまうこともあるでしょう。今回は、保育士の向き不向きについて、より客観的で柔軟な物事の捉え方ができるようにするため、様々な角度から保育士の向き不向きを整理してみたいと思います。自分自身が「保育士は向いていないかも…」と感じても、意識を少し変えることによって、不得意だったことが得意になることも珍しいことではありません。保育士は、未来ある子供たちの成長に携わることができる大変魅力的な職業なので、仮に少しくらい失敗したとしても、むしろ自信の成長に繋がることが沢山あるはずです。

保育士の資格を取得したのに保育士にならない人が意外にも多くいる?

厚生労働省「保育士試験の実施状況(平成30年度)」発表によると、保育士試験受験者数は、全国では約68,388人、合格者数は13,500人(全免除を除く)いることを明らかにしています。保育士を目指している方を全体的にみれば、保育士養成施設などで学んでいる学生や、未受験者の方も加えると相当な数になるでしょう。>これだけ多くの保育士志望の方がいるにも関わらず、東京都福祉保健局「平成30年度東京都保育士実態調査結果(報告書)」によると、保育士の資格を取得した後、保育士として就業した人の割合が全体の61.1%(現在保育士として就業中)で、過去に保育士を経験して現在は就業していない人が12.5%(就業経験有)、資格を取得していながら保育士として全く働いていない人が26.4%(就業経験無)もいることが分かりました。理由として、同調査の他の項目も見てみると、調査対象者の中には、小学校、中学校、高等学校の教諭や、介護福祉士、看護師などの資格を取得している人も一定数いましたので、結果として保育士の仕事を選択しなかったことが考えられます。しかし、保育士の資格を取得しても保育士として働かない方の中には、専門学校や大学の保育士養成課程を修了した新卒者なども含まれており、実際に働いてもいない段階から保育士を断念してしまった方が約10~30%もいることが分かりました。この結果をみる限り、向き不向きを自己判断しているのではないかとも推定ができます。

保育士に向いてる人の5つの特徴?

保育士に向いていると思える人とは、どのような特徴があるのでしょうか?
決してすべての要素を備えていなければならないという訳ではありませんが、下記で取り上げるような特徴に当てはまる点が多く、おそらく保育士の仕事が「好き!」「天職!」だと自覚し、楽しんで働いている方で、保育士歴も長いのではないでしょうか。

特徴①子どもが好き!そもそも人と関わるのが好きな人

なんといっても“子どもが好き”であることが保育士にとってとても大切です。子どもが苦手では、毎日顔を合わせる子どもと接することが苦痛になってしまいます。どんなに仕事が辛くとも「子どもの笑顔がやりがいになる!」と考えられる人は、保育士の仕事も長く続けられるのではないでしょうか。そして、子育てのプロとして、子供の成長に合わせた学びや経験ができるように保育を考えていかなければなりません。保護者と同様に、子供に愛情があるからこそ、時には叱ることも必要になるでしょう。言い換えれば、こうした集団生活や人間関係の形成においては、何かのトラブルが起きることは珍しいことではありませんので、子供が好きなだけでなく、人と関わる仕事が好きであるかどうかは大切なポイントになります。

特徴②相手の立場になって物事を考える人

保育士は、子供はもちろんですが、保護者や地域の方々、保育士同士など、さまざまな人たちと関わりながら仕事をしています。そうした人たちとの関わりの中では、自分との相性が悪いもしくは、コミュニケーションが難しいと感じる方も出てくることでしょう。
最近ニュースなどで報道されているモンスターペアレントとのトラブルも、そのようなコミュニケーションが難しいケースの1つに該当するのかもしれません。このモンスターペアレントの見方を少し変えてみると、保護者は自分が見ていない時間の我が子が心配でたまらなく、ついついキツい言い方をしてしまうことがあるものだと捉えれば、その心配を解消するためにじっくりと話を聞いたり、親身になって取り組んだりすることが大切なのです。また、口頭だけでなく、連絡帳などの書面を通じて保護者とコミュニケーションを図ることもあるので、文章にも気を遣える細やかな配慮が必要なのではないでしょうか。

特徴③母性本能で子供たちに接していく人

子供たちは日々の日常生活などの経験から多くの事を学んでいます。そのため、保育士は保護者と同様、子供の心理を敏感に感じ取って、寄り添いながら、子供を温かく包み込むような母性本能が必要です。子どもたちは何かしらの反応が欲して「一緒に共感して欲しい」と話しかけてくることが多く、その際に他人の子供だからと冷めた態度で「へぇ、そうなんだ」では、子どもの感受性も伸びない上、嫌われてしまうかもしれません。たとえ興味のないことや苦手なことであっても、自分の子供のようにリアクションを取って、喜びを共感するような保育が大切となります。

特徴④子どもたちに負けないくらいの気力がある人

育ち盛りの子どもたちは一年中元気いっぱいに遊ぶのがお仕事。それを怪我やトラブルが起きないように見守りながら一緒に遊び、保育をするのも保育士の役割です。長時間のおんぶや抱っこでの腰痛・肩こり、公園を走り回ったり、地面に膝立ちで座ったりすることで臀部・腰・足への負担がかかるなど、想像以上に体力を必要とするのが保育の現場と言えるでしょう。そして、保育士は複数人の子どもたちに対して保育することになるので、想像以上に体力を酷使します。最近では男性保育士の活躍も多くみられるようになってきましたが、まだまだ女性が多い職場であることは変わりません。陶器の食器や机などの重い荷物を運んだり、行事の設営準備をしたりと、力仕事は意外と多くあります。こうしたことに加え、園は沢山の子供たちと一緒に過ごすことになるので、ウィルス性の風邪などで集団感染しやすいため、日頃から体調管理など、感染予防も徹底していなければなりません。保育士が感染症にかかった場合、子供に移ってしまうようなことになれば、大きな事態に発展しかねません。さらに、体調不良などにより休んでしまうと、他の保育士にも大きな負担がかかってしまいますので、体力に自信がある方や健康的な方が向いているといえるでしょう。

特徴⑤失敗こそが経験に繋がると信じられる人

保育に“何が正解なのか”を求めるのはとても難しく、良かれと思って取った行動でも、実際には子供が嫌な思いをしたと感じれば、泣いてしまうこともあります。このようなケースに出くわした時、ひとつひとつ気落ちしていると体が持たないので、“何事も経験”と捉え、割り切って受け流すくらいの精神力が求められるでしょう。前向きな気持ちに切り替えることができる方であれば「保育は楽しい」と、その場の状況をポジティブに受け取ることができます。もともと物事に動じない性格であれば苦にならないでしょうし、自分の成長にもつながると考えられる人であれば気にならないことかもしれません。切り替え方で、後天的に身につけることもできるのです。

保育士に向いていないと感じるような人の特徴を6つ紹介!

ここまでは、保育士に向いていると思われるような人の特徴を取り上げてみました。感覚的に、「私にもそれならありそうだ!」といった点は見つかりませんでしたか?もしも5つの特徴に共感できなくても、諦める必要は全くありません。後ほど改善策もご紹介しますのでご安心ください。続いて、保育士に向いてないと感じる人の特徴を紹介したいと思います。ここで取り上げる内容は、保育の仕事を長く続けるには、ちょっと厳しいなと感じてしまいそうな傾向を示したものになります。

特徴①声が小さく人前で話すことが苦手な恥ずかしがり屋さん

保育士は子どもたちの前で“大きな声”を出して、朝の挨拶やお遊戯のお手本、絵本を読み聞かせ、ピアノの弾き歌いなどをしなければなりません。また、保護者を前にして、イベント行事などの司会をすることもあります。このように子どもたちと一緒になって歌ったり踊ったりすることが恥ずかしいと思ったり、苦手意識を強く感じてしまう人もいるでしょう。もちろん、新卒や未経験の方であれば、最初は仕方のないことですが、数年経ってもなかなか克服できない場合は、続けることが辛く感じる可能性があります。

特徴②体力に自信がない方

保育士に向いている人の特徴でもお伝えしましたが、保育士は想像以上に体力を使います。人によっては、肉体労働だと感じる保育士さんもいるほどで、重い物を持ったり、走ったりすることが多い職場です。体力がないと、どんどん疲弊していき、それが表情や態度に出てしまうと、子どもや保護者、職員に悪い印象を与えてしまいかねません。

特徴③汚れに敏感な方

保育の現場で働く以上、汚れが気になると、なかなか仕事が進みません。どろんこになって元気に遊ぶ子どもたちの泥がついてしまったり、食事のときにソースがついてしまったり、時にはお漏らしや嘔吐物の処理をすることもあります。このような汚れが気になる場合は、精神的な負担が増えることが多くなるでしょう。

特徴④マニュアルに頼りすぎる人

なんといっても保育園はイベント行事が盛りだくさんです。主な行事だけでも下記のようなイベントが四季折々に行われています。

保育園の主な行事
4月 入学・進級式、子供の日制作
5月 親子遠足、母の日制作
6月 父の日制作
7月 プール、夏祭り、七夕制作
8月 プール
9月 運動会、敬老の日制作
10月 遠足、お芋ほり、ハロウィン
11月 七五三お祝い
12月 クリスマス会
1月 お餅つき、お正月制作
2月 豆まき、節分制作
3月 ひな祭り、お別れ会、卒園式

このような行事は、子供たちを楽しみながら学ぶことを考えていきますが、あまり「どうあるべきか」「例年通りに進めなければならない」など、あまりマニュアル的に考えすぎると、企画や製作したりすることが億劫になり、頭を悩ませることになるでしょう

特徴⑤文章作成が苦手な方

とにかく業務量が多い保育士は、子どもたちを見守ることだけが仕事ではありません。実は子どもを見守らない時間(登園前・休憩時間・降園後)の中で、事務作業をこなしています。日案、週案、月案、児童票、誕生会やクラス懇談会の計画、個人指導案・記録、グループ作りのためのグループ割表、年間計画、クラス・園だより、保護者との連絡帳など、様々な書類を作成する必要があります。パソコンや文章作成が苦手な方には負担となってしましそうですが、大切なことが多いので避けては通れません。

特徴⑥緊急事態への対処に不安がある方

保育の現場は、子供が怪我をしてしまったり、異物を飲み込んでしまったりするような事故が起こる場合もあります。また、保護者からのお叱りを受けたり、近隣住民からの園に対するご要望をいただいたりと、様々なことに対して適切な対応が必要となるでしょう。
そのような時、基本的には、落ち着いて対応できれば問題ないですが、慌てて行動してしまうと事態をさらに悪化させてしまうことがあります。急な事態に気が動転して自分がパニックなってしまいがちな人は、苦労することが出てくるかもしれません。

向き不向きというよりも、実際には経験や知識が不足している場合が多い

前述した保育士に向いていないと感じるような人に当てはまることが多くても、冷静に考えてみたことがあります。この記事を読んでいて気付いた方もいらっしゃると思いますが、実は知識や経験を積むことで対応できるようになることのほうが多いのではないでしょうか?
最初から完璧にこなせる人はいません。保育士の先生も、子供たちと一緒に成長していけば良いのです。少し物事の考え方の角度を変えてみたり、相手の立場で物事を考えて行動したりするだけでも、向いてないと思っていたことが大きく変わることも出てくるでしょう。
視点を変えれば、向いていない事とは“具体的に自分に何か足りないのか”を示していることに気が付くはずです。次に紹介することも参考にしていただきながら、時間がかかったとしても、貴方が理想とする保育士を目指してみてください。

①声が小さい方・恥ずかしがり屋さんに考えていただきたいこと

子供を注意するのに自分の声が小さいことを悩んでいる方であれば、無理に大きな声を出そうとはせず、あえて子供たちの前で困った顔をして黙ってみたらどうでしょう?感受性の強い子供たちは、先生が困っていることに気づく子も出てくるはずです。
しっかりした子であれば、「先生が困っている。先生が話すから静かにしよう」と応援してくれる子供がいるかもしれません。大きな声を出すことも必要かもしれませんが、園は集団生活を通して、子供たちが自ら学んでいく場でもあるのです。
また、大事なことを話すときは、指人形などで集中させたり、ベルを鳴らしたりと工夫をして、子どもたちを集中させることもできるでしょう。そして、人前が苦手で緊張してしまう方は、子供たちの表情や様子を見るようにしてみてください。先生だけでなく、子供たちも恥ずかしがり屋な子供がいるはずです。大人や子供といったことに関係なく、人にはそれぞれに性格や個性の違いがあるので、人前で話すことが恥ずかしいと感じる子もいることに気が付けば、少しは緊張もほぐれるのではないでしょうか?

②体力に自信がない方に考えていただきたいこと

重い物を運ぶ際には、1人で無理せず、2人で協力して運ぶなど、日頃から膝や腰を痛めないように気を付けることが大切です。休日などに時間を見つけてランニングしたり、ジムに通うのも良いですし、仕事帰りにあえて最寄り駅の一駅前で降りて自宅まで歩く方法も体力作りに有効です。冬には、乾燥と食生活に気をつけて免疫力アップしましょう。また、病児保育室や院内保育室などでは一般の保育園に比べてイベント行事も少なく、動き回ることもほとんどないので、どうしても体力に自信がない保育士の方であれば、自分にとって働きやすい環境を選択していけば改善することもあります。

③汚れに敏感な方に考えていただきたいこと

ほとんどの方は、汚れているよりは、綺麗な方が心地よいと感じるものです。あまり「汚れが苦手だとか潔癖症かも!」と自分を責めないようにしましょう。「これなら汚れても大丈夫!」といった境界線をしっかりと認識することも大事で、どのような汚れが自分にストレスになるのかも把握してみてください。そのうえで、園庭で遊んで汚れてしまった子どもたちや、吐いてしまって苦しい思いをしている子供を見た時に、その子供たちが快適に過ごすために何が必要なのかを考えて行動していけば、自ずと少しずつ慣れていくこともあるでしょう。潔癖症などの症状が過度な場合には、自分ひとりで悩まず、専門カウンセラーなどの話を聞いてみるのも手です。

④マニュアルに頼りすぎる人に考えていただきたいこと

保育園によっても行事の種類や頻度は異なりますが、イベント行事のほかにも、子供たちとのクッキングや、毎月のお誕生日会などを開くことが必要な場合があります。普段、貴方の友人や家族などのお誕生日祝う時には、相手が何をすれば喜ぶのか、シンプルにその点を考えるとアイデアは出てくるのではないでしょうか?過去に前例がないことでも、子供たちが喜んで成長に繋がることなら、臆する事無くチャレンジしてみる勇気を持ちましょう。それでもアイデアが出ない方でも心配はいりません。経験を積んでいくと「もっとこうすれば良かった!」と改善点に気づけるようになります。そして、全体の流れがわかれば、心にも余裕が生まれ、次の行事の準備を事前にスケジュール立てすることもできるようになるでしょう。先輩の保育士さんにアドバイスをもらうなどしてみるのも手です。

⑤文章作成が苦手な方に考えていただきたいこと

文章作成が苦手だと感じる方は、伝えたいことを最初に箇条書きにしてみましょう。大切なことは、箇条書きの短い文章であっても、相手にしっかりと伝わることです。しっかりと伝えるためは、5W1H(when、where、who、what、why、how)を意識して書くと効果的です。この要素を満たすだけでも、かなり伝わりやすくなるはずです。また、書類作成が得意な先輩保育士さんにアドバイスをもらいながら、参考として過去の書類を見せてもらうのもオススメです。最近は事務作業の効率化や残業の改善のため、事務作業をICT化している保育園も増えてきているのでチェックしてみてはいかがでしょうか。

⑥緊急事態への対処に不安のある方に考えていただきたいこと

緊急事態への対処に不安のある方は、責任感の強い方でしょう。自身で対処しようといった意識があるからこそ、不安になるのではないでしょうか?しかし、緊急性や内容にもよりますが、ひとりで解決しようとは思わないことが大事です。
大きな事態に発展すれば、最終的に園長の責任が問われます。一人で対処するのは無理でも、園全体で組織的に解決することのほうが大きな力を発揮するのは言うまでもありません。複数の人で対処することで、早期解決になる繋がることも多いことを知りましょう。

まとめ
今回の記事では、保育士の向き不向きについて取り上げてみました。
自分では向いていないと感じていたことも、実は知識や経験が不足していることが原因だと気づいたことはありませんでしたか?
今一度、保育士の仕事を見つめ直してみると、自分自身の強みがわかったり、逆に不足している部分がわかったりするのではないでしょうか?
また、保育士の資格を持っていれば、保育園以外にも、ベビーホテル、託児所、学童保育、放課後デイサービスなど、多くの保育施設で活躍することができますので、視野を広げるてみるだけでぴったりな職場も見つかるかもしれません。