こちらをご覧の皆様の中には、これから保育園の見学を控えている転職活動中の保育士さんもいるでしょう。しかし、何の準備もなく保育園の見学に行くのはオススメできません。
園見学の前準備は必要不可欠で、転職成功への大事なプロセスになります。
では、園見学の前に、いったい何を準備すればいいのでしょうか。
ここでは園見学について、知識ゼロの人でもわかりやすいよう、必要な事前準備、そして当日の注意点などについてガイドしていきます。
そもそも、なぜそこまで保育園見学は重要なのでしょうか?
それは、一口に保育園といっても様々なところがあり、経営理念や環境も大きく違っているからです。数ある保育園の中から自分にぴったりの信頼できる保育園をピックアップするには、事前にしっかりと見学に行く事が大切です。求人応募をする前に、保育園を見学して自分のその目で確認しましょう。無事保育園に就職、転職できたとしても、入った後で雰囲気が悪かったり、人間関係のトラブルが多い事に気づいても、後悔先に立たずです。内定が決まってから保育園の実体を知るというのは順番として好ましくありません。まずは保育園を見学して、どんな保育園なのか、何か問題はないかなど探っていく必要があります。
勿論、見学したからといってその保育園のことがすべてわかるわけではありませんが、全く見学しないよりもリスクが軽減できます。人間関係は落ち着いているか、子供たちは活き活きと過ごせているかなど、見学する時のポイントは多々あります。ただ客観的に眺めるだけでなく、自分がこの保育園で働いている姿が容易にイメージできるかという観点で見ていくのもいいでしょう。
また、雰囲気の悪い保育園であれば、そこに預けられている子供たちにも影響しますし、職員だって楽しく働く事ができませんよね。そうしたことも頭に入れながら見学をしてみましょう。
一度見学するだけでも有力情報を集める事ができ、就職してから「こんなはずじゃなかった…!」というような失敗を避けられます。今は、ネット上にも保育園のサイトや口コミ、評判などが掲載されていて容易に情報収集することはできますが、実際に見学して、自分の目で見て感じてきた方が、リアルに保育園の雰囲気をつかむ事ができますよね。
見学での印象は満点でも実際勤務してみたら第一印象と違う…なんて事も有り得ますが、不思議な事に逆のパターンというのはあまりないのです。見学の時に印象が悪かった保育園が、勤めてみたら意外と良かったというケースはなかなかないのです。
園見学でどこを見るべきかについては意識が向きますが、逆に自分自身も見られているということも、念頭においておきましょう。
気になる保育園があれば見学をしておくべきですが、面接ではないからといっておざなりな態度をとってはいけません。受付に対する態度や、待機している時の姿勢や表情にも気を遣いましょう。見学中も職員などに明るく挨拶し、事前に十分下調べをした上で、担当者に積極的に質問するとやる気がアピールできます。HPに書いてあるようなことを質問するのではなく、一歩突っ込んだ質問ができるといいですね。
また、身だしなみも印象に大きく影響します。以下のポイントに気をつけて見学に向かいましょう!
好感度アップの服装と言えばやはりフォーマルスタイルです。スーツだと堅苦しいから嫌という人でしたら、ジャケット着用したオフィスカジュアルのスタイルでもいいでしょう。とにかく清潔感が大事です!白や薄いパステルカラーは大丈夫ですが、派手な色は避けましょう。スカートの場合はひざ丈くらいにしておきます。
髪が長い人はお辞儀した時に垂れさがってしまい見苦しくなるので、結んでおくと好印象です。
発色のよすぎるアイシャドウや濃すぎるアイラインは、華やかさはアピールできますがきつい印象になりやすいです。厚化粧は職場に馴染まないので、手抜きに見えない程度の薄化粧がオススメです。
保育園への転職を考えている場合、新卒者のように明確に定められた時期に応募や選考が進むわけではありません。自分の好きな時期に応募し、先方の都合日に合わせ選考試験が進んでいきます。職員の入れ替わりが増える年度切り替えは、一年の中で最も人材ニーズも高まります。つまり1月~3月は求人が増える可能性が高いです。そのため、余裕をもって年内に見学を済ませて採用試験に取り組んでおくと滑り出しもスムーズです。
中途採用の場合、流れはシンプルですが、まだ現職についている場合、平行して転職活動を進めていかなければならず、多忙な中で活動していかなければなりません。さらに転職においては学校の就業セミナーやキャリアセンターなどを活用する事はできないので、ご自身で求人情報をリサーチし、応募していく必要があります。説明会を開催しないところも多いので、自分で情報調査しなければなりません。限られた休日などを上手に利用して、見学をしてきましょう。
見学中にすれ違った職員には、進んで明るく挨拶しましょう。意外と態度やしぐさは見られているものです。
こちらも、職員が気持ちよく挨拶を返してくれるか、表情は柔らかいかなども見てみましょう。
見学中も、通常の保育は行われています。園児たちの中には、好奇心旺盛で近寄ってきたり話しかけてきたりする子供もいるかもしれませんが、一定の距離を置いて、保育の邪魔にならないように気を付けましょう。
限られた時間内で見学する時はポイントを絞って見ていくといいでしょう。
ここでは、見学時に必ず押さえたいチェックポイントを挙げてみます。
子供たちの雰囲気が良いと自分が働いているところも想像しやすく、気持ちよく働けそうですね。
反対に子供に活気がなかったり、喧嘩が耐えないようであれば、何か園として問題があることも考えられます。
見学中、職員同士明るくコミュニケーションしている姿があるかどうかチェックしてみてください。
会話があってもギスギスしていたり、上司が一方的にまくし立てるような光景があれば、人間関係が少し心配です。そもそも会話すらないのは何かしら問題がありそうですね。
たった1回の見学で読み取るのは難しいですが、園全体のムードにも、アンテナを張ってみましょう。
職員同士の人間関係、衛生管理の行き届き具合、子供たちの雰囲気…様々な要因によって、保育園全体のムードが決まってきますし、そうした雰囲気は表に現れてくるものです。
ベテラン保育士の数が圧倒的に多い保育園には注意が必要かもしれません。
働きやすい良い職場のため、離職率が低く長期間働ける職場としてとらえることもできますが、若い保育士が入ってきても、何らかの理由ですぐ離職している可能性があります。反対に若い先生がやけに多いと経験が浅い分、保育方針が定まっていなかったり、長く勤務しにくい環境があるのかもしれません。バランスの良いところがベストです。
一人で遊んでいる子供や泣き喚いている子供に、職員はどのように対応しているでしょうか。また、延長保育や休日保育など、どのような保育を実施しているでしょうか。保育園には独自の方針があります。HPで予習してきた園の理念や保育指針に対し、実態は伴っているか、どういった対応をしているのか、しっかり見極めましょう。
安全管理は、保育園の門や出入り口に子どもだけが出入りできるような隙間はないか、窓の近くに大きな荷物が置きっぱなしになっていないかなどをチェックすると良いでしょう。衛生管理については、トイレの清掃状況、園全体のにおい、水道周りや教室などからわかります。できて当たり前の衛生管理ができていないと、心配ですよね。
給食やおやつの時間に見学ができた場合、園児それぞれの月齢にあった適切な量が与えられているか、またおかずの大きさ、彩りバランスはどうかなどを見ることにより、子供たちのことをきちんと考えられているかを見ることができます。
いかがでしたでしょうか。
保育園見学の重要性や、見学中の注意点などについてポイントが把握できたでしょうか。
転職活動において、見学はとても大切なプロセスです。資料で調べただけの場合と、実際に見学するのとでは、その保育園から感じる印象や抱く印象は必ず異なるはずです。見学をする事によってその施設の「本当の姿」を垣間見る事ができます。少しでも魅力を感じている保育園があるのならば、ぜひ積極的に見学に行きましょう!また、ただ気になっているだけ、迷っているというような保育園でも、見学をすることによって、自分に合う合わないがはっきりしてくると思います。他の保育園と比較するのにその知識は役立つので、転職先選びの良い判断材料にするためにも、少しでも気になる保育園があれば進んで保育園見学をしていきましょう。