保育士になるためには保育士試験に合格し保育資格を取得する必要がありますが、その過程で保育試験の二次試験である実技試験は避けて通れません。
その実技試験についての情報を保育士の資格取得を目指している方や筆記試験に合格しこれから実技試験を控えている方の参考になるように紹介していきたいと思います。
保育士資格取得の方法は大きく分けて2つあり、1つは厚生労働省が指定している大学・短期大学・専門学校などの保育士養成校を卒業することで卒業と同時に資格を取得する方法、もう一つは保育士試験を受験し合格することで資格を取得する方法です。
今回は保育士試験を受験して資格を取得する流れを紹介します。
保育士試験の受験に必要な以下の受験資格を満たす
または
通信・通学講座または独学で保育士試験の学習をする
受験申請書の提出
【提出期限】
前期:2月下旬
後期:7月下旬
筆記試験
【試験日程】
前期:4月下旬2日間(土日)
後期:10月下旬2日間(土日)
【筆記試験の結果通知】
前期:6月中旬送付
後期:11月中旬送付
※筆記試験にすべて合格した者のみ実技試験へ
実技試験
前期:7月上旬の1日(日曜)
後期:12月上旬の1日(日曜)
合格した後、保育士登録証の交付手続きを行う
このように実技試験へ進むためには筆記試験をすべて合格することが必須です。
また実技試験は保育士になるための最終試験であり、試験後保育士になってからすぐに役立つような内容になっています。
保育士の実技試験には3つのテーマがあり、その中から自分で2つ選択して受けることができます。
テーマは以下の3つになります。
試験官の前で、ピアノ・ギター・アコーディオンのいずれかを使って弾き語りを行う課題曲は2曲あり楽譜の持ち込み可能で前奏や後奏をつけても良い。
ピアノ以外の楽器は持参になり、ギターはアンプの使用が不可であるためアコースティック・ギター、アコーディオンの場合は独奏用を使用。
B4用紙に鉛筆または色鉛筆を用いて保育園での活動の一場面についての絵を書きます。
どの場面の絵を描くかはその場で出題され、試験時間45分以内に仕上げます。
あらかじめ用意してある課題の中から1つ選び、実際に目の前に20人程度の園児がいることを想定して3分間お話をする。
絵本などの台本や人形などの道具を使うことは禁止。
平成26年の実技試験の課題例を紹介します。
実際に幼児の前で歌って聞かせることを想定し、課題曲を弾き歌いする
【課題曲】
「おつかいありさん」:作詞 関根栄一・作曲 團伊玖磨
「おへそ」:作詞・作曲 佐々木美子
事例を基に4つの条件をすべて満たして用紙の枠内に絵画で表現しなさい
【事例】
保育園の4歳児クラスで近くの公園にお散歩に行くことになりました。
手をつないで歩いて向かいます。
みんな楽しみにしていたのでうれしそうにしています。
【条件】
3歳児のクラスの子供20人程度が実際に自分の前にいることを想定し下記の1~4のお話のうち1つを選択し子供が集中して聴けるようお話をする
【課題】
お話の編集、展開は自由ですが3分以内になるように進めてください。
3つの課題のうち、自分に合った課題を選択することは実技試験の対策でもありますのでしっかり内容を確認し下記を基に選択することをおススメします
【音楽表現】:音楽表現は前もって課題が出題されているため事前に練習することが可能です。ピアノが得意で人前で歌うのが苦手ではない方向け
【造形表現】:問題の内容は試験当日その場で出題されるため、絵を描くことが得意で臨機応変に対応できる方向け
【言語表現】:事前に課題が出題されいくつかの中から選べるようになっています。
絵本や道具の持ち込みができないためお話を暗記する必要があり、人前で緊張せず暗唱できる方、絵本が好きでお話が上手な方向け
実技試験は三つあるうちの二つを自分で選択することになりますが、保育士試験受験申請の時点に選び記入しなければならないため、あらかじめ実技試験の内容を調べ自分に合ったものを選んでおく必要があります。
また実技試験を受ける際の心の準備とは、すべてを想定し何事にも対処できるように考えておくことです。
今回紹介した対策以外にも良いと思った対策方法をどんどん取り入れ万全の体制を整えておくことで自信がつき緊張することなく試験に臨むことができます。