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保育士さんが必ず出会う!?発達障害のこどもへの加配と療育とは?

日本において、発生率が6%とも言われている発達障害。
保育園のクラスを25人とすると、クラスに1~2名程度は発達障害の子供が含まれる計算にになります。
保育士さんがお仕事の中で発達障害の子供に出会ったとき、知っておきたい加配と療育という子供への対応方法について、まとめてみました。

保育園で行う、子供への加配とは?

加配とは、生まれつきの発達障害などによって、ほかの子供たちと同じように保育園の生活を送ることが難しい子供に配慮を加えて、子供の生活を支えることです。
保育園で、この加配を行う保育士さんを「加配保育士」といい、クラスの中で、他の子供たちよりも苦手なことが多く、保育園での生活の流れについていけない子供に対応することになります。基本的には、

  • 自閉症と医師の診断を受け、療育手帳を持っている
  • ADHD(注意欠陥多動性障害)と診断を受け、療育手帳を持っている

など、すでに乳幼児検診などで、発達障害と診断されて療育手帳を持っている子供たちが対象となり、保護者の希望もあって保育園も加配保育士をその子供につけることとなります。
一方で、少々厄介なのが、療育手帳も持っていない、保護者が子供の発達障害を認めたがらないというケース。
現場の保育士からみると明らかに他の子供たちより、情緒面が不安定だったり、集団生活が難しい、他の子供たちに怪我をさせてしまうなどのトラブルが多いといった場合、保育園側の判断により、加配を行うことあります。
加配保育士は、担任の補助をする補助保育士とは違い、基本的には対象の子供の為の人員なので、その子供の介助に専念することになります。
他の子供たちより苦手なことの多いこどものそばにいて支えてくれる加配保育士は、その子供にとって、とても頼りになる存在ですね。
加配保育士は、保育士の資格だけでできますので、働くなかで、障がいの知識や様々な検討ケースを知ることで、加配の技術を身につけ、子供たちの心のよりどころとなれたら素敵ですね。
児童心理カウンセラーなどの資格の勉強も有効かもしれません。

発達障害の子供への療育とは?

療育とは障がいを持った子供が、社会的に自立できるようにサポートすることです。言葉や、からだの発達において、できないことをできるようにし、子供が生活しやすくするために、専門的な教育支援の流れにそって療育施設において行われます。
子供の発達段階に合わせ、早い段階から行うことが大切で、療育の目的と種類は以下のように様々です。


◆応用行動分析学(ABA:Applied Behavior Analysis)

子供の行動を科学的に分析し、行動が起こる起こらないの理由を明らかにし、新しい行動を獲得しやすく、不適切な行動は起きにくくするため、指示や行動のあとに起こる結果を変えたりします。


◆TEACCH(Treatment and Education of Autisutic and related Communication handicapped CHildren)

自閉症の子供に、望ましい行動をとるための道筋を、目で見える形でわかりやすくするため絵や写真をカード化したり、子供が自身を取り巻く環境をわかりやすくします。


◆認知行動療法

物事の理解や解釈の方法を修正する認知療法と、学習理論に基づいて行動を修正する行動療法を合わせたもの。子供の自助力の回復や向上を目的とし、具体的な目標を立て、目標達成のために様々な技法を用いる、問題解決型の心理療法です。


◆SST(Social Skills Training)

自分の気持ちや要求を相手に伝えたり、相手から言われたことへの対応ができるように、チームで生活の中で起こる人とのやりとりを、それぞれの役を決めてロール・プレイングを行い、実生活の中での対応の仕方を学びます。


◆作業療法(OT:Occupational Therapy)

日常生活の動作や仕事、遊びなど色々な動作を、手芸や簡単な体操、歌のレクレーションなど、作業活動のトレーニングを行うことで、身体の基本能力から、生活する為の活動の応用能力、そして社会生活適応能力という3つの能力を維持・改善します。


◆理学療法(PT:Physical Therapy)

主に身体に障害がある場合に、運動療法・物理療法により、食事、排泄、更衣、入浴、起床、移動など日常生活動作の訓練やそれにつながる運動を行い、身体機能の改善をはかります。


◆遊戯療法

言語能力が未発達な子供が、自分の考えや感情を言葉で表現することができるように、お絵かきや音楽、お話しづくり遊びをコミュニケーションの手段として用いる治療法です。


◆箱庭療法

子供に箱と材料を渡して、自由な箱庭づくりをさせます。
カウンセリングでは自分の心をうまく表現することができない子供の箱庭造りを通じて、カウンセラーが子供の心の状態を理解します。


◆音楽療法

音楽を聴いたり、楽器の演奏、歌を歌うことで、気持を開放して心と体に生じる現象を利用して、障がいの改善に役立てます。


◆ビジョンケア

眼球ばかりでなく、脳や体に新しい習慣をつけて、物事を両目でしっかりととらえ、どのようなものかをみて、脳で判断し、どのように行動するか、視覚機能をケアし、見るための知能を高めていきます。
「保育園での加配」と「療育施設での療育」の違い
保育園は、療育を目的としている施設と違い、親が働いている、病気の状態にある等の理由で、家庭で子供を保育できない場合に、家庭に代わって子供を保育することを目的としています。加配は、発達障害の子供が、集団生活の場で、他のこども達とお互いに困ることのないよう設けられた仕組みです。
療育施設は、さまざまな療育の目的と種類があるため、医師、保育士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、言語療法士、臨床心理士、児童指導員、介護福祉士など、各分野に長けた専門のスタッフが働いています。
そのため、年齢でクラス分けされる保育園とは違い、子供の発達段階に応じて、細かくクラス分けされており、毎日通うこともあれば、週に何日と決まって通う場合もあります。
保育園に通う子供で、療育施設にも通っているという場合もありますし、子供の発達について心配している保護者からの相談が保育園にあることも多い為、違いはありますが、お互いに情報等の連携が必要となってきます。

<まとめ>

加配と療育の療法についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
日々のお仕事の中で、加配や療育の必要な子供に対する知識と経験を積んでおくことで、スキルアップにつながりますし、保育士さんとしてのお仕事の幅も広がりそうですね。

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