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全保育士さんの悩みの種!?【保育指導案作成】を何とかしたい!

保育士さんの相談で多いのが保育指導案の作成です。
新人保育士さん、ベテラン保育士さん問わず、指導案作成は事務作業の中でも、かなり大きな負担となっている様です。
今回は、その負担を少しでも和らげるべく、指導案作成のヒントをまとめてみました。

まずは保育指導案とは何か、おさらいしましょう!

保育指導案とは、保育士が保育の目標を具体化し、ねらいや内容を設定して、目標達成のためにどの時期にどのような活動をしたらよいかを明らかにしていくものです。活動を可能にするための環境構成、活動の展開を望ましい方向に導いていく保育士の援助等を明確にし、指導案を作成します。
ちょっと堅苦しいかもしれませんが、厚生労働省の定める「保育所保育指針」に、保育者が目指すべき方向性が示されており、指導案についても「保育の計画及び評価」として記載されています。
一度は目を通しておくとよいでしょう。

厚生労働省が定める「保育所保育指針」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/hoiku04/pdf/hoiku04a.pdf

厚生労働省が定める「保育所保育指針解説書」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/hoiku04/pdf/hoiku04b.pdf

指導案の作成に当たっては、すべての子供が入所中に安定した生活を送り、充実した活動ができるよう、柔軟で発展的なもの、なおかつ一貫性のあるものとなるよう、配慮することも重要です。

長期→短期へ!?指導案作成の種類と目的

指導案には長期のものと短期のものがあります。
子供に体験させたい活動内容、そこから育てたい力(ねらい)、そのための準備(環境構成)を、時系列にそって考案し、計画をたてていきます。

長期指導案
4月からの一年間を通してたてる「年間計画」と、年間計画を月単位に落とし込んだ「月案」の二種類があります。

短期指導案
上述した月案を実施するために、週単位に落とし込んだ「週案」、さらに週案を一日単位に落とし込んだ「日案」があります。日案は、日ごとの保育スケジュールを、細かく立ててゆくことになります。
つまり、順序としては、初めに年間計画に着手し、月案→週案→日案と、順を追って細かく作りこんでいく流れになります。
大変な作業ではありますが、向こう1年間の保育の質を決める重要な資料ですから、ぜひ、ポイントを押さえてよいものを作成してみてください。

悩んでいる時間はない!?指導案作成に留意したいポイント

各指導案のスムーズな作成にあたって、共通する留意事項を抑えておきましょう。

子供の実態の把握と発達の理解
子供具体的の家庭環境、発達状態、興味関心事、生活・遊びの取組、保育士や友達との関わり方等、子供について理解を深めましょう。
日々子供たちと接する中での理解ももちろん重要ですが、発達心理学や幼児心理学で、一般的な幼児の姿を学んでおくことも大切です。

「ねらい」と「内容」の明確化
ねらいは、保育園生活を通して、子どもたちに身につけてほしい、学んでほしい事柄になります。内容は、ねらいを達成させるために必要と思われる指導内容です。
ここには、具体的な活動の内容だけでなく、活動を通して得られる達成感や満足感、協調性といった、内面的な要素も含まれます。

保育の環境構成
環境構成とは、ねらいや内容を明らかにした後に、どのような環境を準備するかということです。「安全で安心できる環境」「発達に応じた環境」「興味や欲求に応じた環境」「課題性を持つ環境」等を組み合わせ、子供が自ら関わっていきたくなる環境をいかに作っていくかがポイントになります。

必要に応じた修正
指導案に縛られることなく、子供の興味や関心の広がり、あるいは様々な変化に伴って、案の修正や変更を柔軟に行うことも大切です。

s-挿入_保育指導案

具体的にどうすれば!?各指導案を書く上での留意点とは?

では具体的に指導案を書く際にはどうすればよいのでしょうか?
ポイントを押さえていきましょう♪

長期指導計画を作成するときに気を付けたいこと


▼年間計画

  • 気候による子どもの体調の変化も配慮して季節ごとの計画を考える
  • 行事は長期的な見通しを持って行う
  • 計画通りに進まないことも考えて計画には柔軟性を持たせる
  • 園全体の方針も考慮し、年間計画を考える


▼月案

  • 年間計画に基づいて考える
  • 前月の子どもの姿や興味関心を考え、今月のねらいを設定する
  • その月の季節の特徴や行事などを考慮し、計画を練る

短期指導計画を作成するときに気を付けたいこと


▼週案

  • 月案のねらいや内容から脱線したり、計画が断片的にならないようにする
  • その1週間の、曜日や子どもの体調なども考慮する
  • 天候や気温などをあらかじめ把握した上で検討する


▼日案

  • 昨日、今日、明日の繋がりを大切にし作成する
  • 週案と照らし合わせ、ずれがないかを確認する
  • 天候や気温などをあらかじめ把握する
  • その日の反省や評価の観点なども考えておき、後の計画に活かす

どの指導案を書く上でも、大切なことは、子どものことを考えて、どうしたら子どもが楽しいと思える環境がつくれるか、
どうしたら自分も子どもと楽しく生き生きと過ごせるか、だと思います。
生き生きした表情で子どもたちに話しかけると、子どもたちの心をグイッとわしづかみにすることが出来るんです!
そんな遊びや環境を作っていけるよう設定していきましょう♪

ツールを活用して、保育指導案作成の負担を減らそう!

保育指導案の作成については、さまざまな書籍も発売されていますが、今回はウェブ上に掲載されている便利なツールをご紹介します。


保育指導案作成の親分です。

保育所保育指針


保育指導案作成のポイントを簡単にまとめてあります。

幼稚園・保育所編 保育指導案作成のポイント


高知県の教育委員会による指導計画手引は流れにそってわかりやすくまとまっています。(日案の例あり)

指導計画・園内研修の手引き


お茶の水女子大学子ども発達教育研究センター 『幼児教育ハンドブック』

年間指導計画・月案・週案・日案のつくり方(ひな形・例あり)

<まとめ>

仕事は、目標と目標達成に向けた計画、そして振返りを行うことでより高い成果やモチベーションにつながります。大変かもしれませんが、頭を悩ませて苦労して作成した指導案は、日々の保育の道標となり、さらに保育者としての振返りや自己評価にも大いに役立ちます。
「悩みの種…」として抱え込んでいる指導案かもしれませんが、今後の保育をよりよくしてくれる頼もしい存在になってくれるといいですね。

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