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小規模認可保育所って何?保育士さんにとってのメリットは?

小規模保育施設とは何かご存知ですか?これは、子育て支援新制度で、新たに認可事業とされた認可を受ける事により、公的な資金補助が受けられるものです。この事からも、認可外からの移行や、新園増設・開設が増えつつあります!
保育士さんにとって、認可があるかないかによって、働く上で便利・不便などはあるのでしょうか?今回は、小規模認可保育所について、詳しく解説していきます!

小規模認可保育所って何?

小規模認可保育所とは、国が指定している設置基準を満たし、都道府県知事に認可された施設の事です。国から補助金が出ており、保育料で園の経営を行っています。
定員が20人以上でなければ、認可基準に満たないため、19人以下の定員で行う小規模保育は、今まで認可外となっていましたが、新制度では、小規模保育施設は、市町村による認可事業となりました。認可を受けると、以下のような違いが生じてきます。

  • 改修経費や運営費に対して公的補助が受けられる
  • 改修経費や運営費に対して公的補助が受けられる
  • 入所申し込みを自治体が受け付ける
  • 選考は自治体の利用基準によって行われる
  • 保育料は自治体が保護者の収入に応じて定め、徴収する

認可外の場合は、認可外保育施設指導監督基準にならう事となっていますが、保育室の面積は、「概ね乳幼児1人当たり1.65平方メートル以上であること」となっています。また、人材配置ついても、「概ね」となっています。認定基準では、保育士さんの配置や保育室などの面積が、より充実したものとなっています。

「子ども・子育て支援法」施工の背景と伴う位置づけ

「子ども・子育て支援法」というのがありますが、これは第183回通常国会にて可決され、平成27年4月~施行している子育てに関する新しい法律です。

子ども・子育て支援法
(平成二十四年八月二十二日法律第六十五号)

 第一章 総則

(目的)
第一条  この法律は、我が国における急速な少子化の進行並びに家庭及び地域を取り巻く環境の変化に鑑み、児童福祉法 (昭和二十二年法律第百六十四号)その他の子どもに関する法律による施策と相まって、子ども・子育て支援給付その他の子ども及び子どもを養育している者に必要な支援を行い、もって一人一人の子どもが健やかに成長することができる社会の実現に寄与することを目的とする。
(基本理念)
第二条  子ども・子育て支援は、父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、家庭、学校、地域、職域その他の社会のあらゆる分野における全ての構成員が、各々の役割を果たすとともに、相互に協力して行われなければならない。
2  子ども・子育て支援給付その他の子ども・子育て支援の内容及び水準は、全ての子どもが健やかに成長するように支援するものであって、良質かつ適切なものでなければならない。
3  子ども・子育て支援給付その他の子ども・子育て支援は、地域の実情に応じて、総合的かつ効率的に提供されるよう配慮して行われなければならない。
出典:日本法令牽引

「子ども・子育て支援法」は、現在大きな社会問題となっている少子高齢化問題を解消する手段の一つとして、定められました!


子ども・子育て支援法のポイント

子供を産み、育てやすい社会にしていく事を目的とした、子育て支援法の大きなポイント2を、3つにまとめてみます。


高品質な幼児期の学校教育・保育の総合的提供

  • 保育の量的拡大・確保
  • 地域の子育て支援を充実させる


少子高齢化問題について

日本は今、世界で最も高齢化が加速している国でもあり、人口も減少傾向です。
統計によると、2055年には、総人口が9,000万人を下回り、総人口に占める65歳以上の割合が41%になる事が予想されています!

小規模保育事業の認可基準

基準は、以下の通りです。

  • 基本的に、乳幼児に対して、入園時と年に2回健康診断を実施する
  • 保育室などは、基本的に1階に設置している
  • 満3才未満の幼児・児童の保育を前提とする
  • 乳児・児童の教育を継続するために保育所、幼稚園、認定子供園との連携をとる
  • 健康診断をする

配置人数や施設の基準など、保育士試験で苦労された方も多いのではと思います。
しかしながら、「子ども・子育て支援新制度」が始まり、小規模保育施設においては職員の配置基準よりも1名多くなりました。
また覚えなおす必要がありそうですね・・・。
職員の配置基準とは、子どもを預かる人数に対しての保育士の数となります。

0歳児を預かる場合は、子ども3人に対して、保育士1名。
1,2歳児を預かる場合は、子ども6人に対して、保育士1名。

と決まっています。
小規模保育士施設においては、職員の配置基準より1名多くなるということになります。

0歳児を預かる場合は、子ども3人に対して、保育士1名プラス1名の合計2名。
1,2歳児を預かる場合は、子ども6人に対して、保育士1名プラス1名の合計2名。

ということになります。
小規模保育施設で0歳児を6人預かるということは、保育士が3名必要ということになります。
とても手厚いですよね。
次に設備についてですが、


0-1歳児の設備の場合

乳児室またはほふく室、調理室または調理設備(調理のための過熱、保存等の調理機能を有する設備)及び便所を設けること。
乳児室またはほふく室の面積は、満2歳未満の乳幼児一人につき3.3㎡以上であること。
保育士の配置人数は満2歳未満の乳幼児3人につき1人。


満2歳児の設備の場合

保育室または遊戯室、屋外遊戯場(事業所付近にある他の公的施設の敷地その他の屋外遊戯場に代わるべき場所を含む)、調理室または調理設備及び便所を設けること。
保育室または遊戯室の面積は、満2歳以上の乳児一人につき1.98㎡以上、屋外遊戯場の面積は、満2歳以上の幼児1人につき3.3㎡以上であること。
以上のようなことが守られて小規模保育施設は運営されていくということになります。
さらに小規模認可保育施設は連携施設というものを設けています。

前述したとおり、小規模保育施設は0,1,2歳を対象とした施設となります。
3歳児は小規模保育施設を退所したあと、小学校に入るまでの間、新たに施設へ入る必要があります。
それが、連帯施設です。
連携施設とは、3歳児になり、小規模保育施設を退園した後、受け皿となる施設のことです。
連携施設としては、認可保育所、認定子ども園、幼稚園となります。
保護者にとってもとても安心ですよね。
また新たに保育所を探すというのも大変ですものね。
しかし、希望者が多くなった場合には、入れない場合もあるので注意は必要ですね。

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小規模認可保育所増設のメリットとは?

保育士の資格がなくても、保育所で働きたい方へのチャンスが広がったので、保育士として働きたい人にとっては、選択肢が増えたという事です!
実際に、長い間ベビーシッターや幼稚園の先生をしていた方など、保育士の資格はなくても、保育所で働いてみたいと思っている方は意外と多いです。
このような実地経験のある人材でしたら、資格の有無にこだわる必要はありません。
一般企業の中でも、資格よりも経験・実績をみるところは最近とても多いです。

保育士さんにとってのメリットって何かあるの?

ここでは、保育士として働く時のメリットについて考えてみます。
まず、お子様が大好きな人にとっては、言うまでもなく良い職場環境となるでしょう!

  • 家庭的な雰囲気で、子ども一人ひとりとじっくり向き合える
  • 大勢の子どもをカリキュラムに沿ってまとめるということではなく、一人ひとりの子どもの状況に応じた保育が出来る
  • 丁寧できめ細かい質の高い保育が行える
  • 給与や待遇面で低すぎることはなく、安定して長期間働ける
  • 延長保育や一時保育など、運営が規定で決まっているため過度な残業が少ない

保育園というと、低賃金で、残業が多いというイメージがありますが、そういったことが少しでも改善され、保育士さんが安心して働ける環境が整えばうれしいですよね。
子どもたちにとっても、いつも同じ保育士さんが関わってくれるということは、情緒の安定、そして絆が深まりますよね。
さらに、保護者にとっても、きちんと自分の子どもと向き合ってくれる保育者がいるということは、安心でき、本当にうれしいことですよね。

<まとめ>

「子ども・子育て新支援制度」が始まったことで、保育士さんが必要とされる場所がとても増えました。
子ども一人ひとりとじっくり向き合える環境はとても大事ですよね。
責任はとても重大ですが、保育士にとって、とてもやりがいを見いだせるのではないでしょうか。

せっかくならば、子どもとしっかりみっちり向き合って、密度の濃い時間を過ごしてみてください。
日々のちょっとした成長に涙するかもしれません。
子どもにとって信頼できる大人の存在はとても大事ですよね。

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