現代病と言っても過言ではない「鬱(うつ)病」。保育士とは無縁だなんてことはありませんよね。むしろ悩みが多くストレスを溜めがちな保育士さんだからこそ、鬱を抱えている方がたくさんいらっしゃいます。とあるアンケート調査によると保育士さんのおよそ30%がうつ病と診断されています。
今回はそんな知っておいて損はないうつ病について、原因から早期発見のサイン、正しい治療ケアなど詳しくご紹介していきます。
うつ病は一言で説明するにはとてもむずかしく、たいへんに繊細な病気です。
まず、私たちには元々脳のエネルギーを利用した自然治癒力という機能が備わっています。これは、日常生活の中で憂うつな気分やストレスなどで生じた様々な不具合を時間の経過とともに快復へと導いてくれる有り難い力です。
ですが、この自然治癒力が利用している脳のエネルギーが欠乏してしまい、脳のシステム全体がトラブルを起こしてしまうと自然治癒力の働きが低下し時間の経過とともに改善していかずに悪化してしまいます。そうして、生活に支障をきたしてしまうことが「うつ病」とされています。
したがって「気の持ちようでしょ?」と勘違いしている方は誤解しないでください!
うつ病はれっきとした「病気」です。病気は治療をしなければ治りません。
ここでうつ病の種類をご紹介します。症状の特徴・原因で分類しています。
ここで、うつ病になってしまう原因とさらになぜ保育士に多いのかについてお話しします。
もちろん、うつ病を引き起こしてしまう原因は多種多様、千差万別、人それぞれです。さらに原因はひとつではありませんので「要因」といった考え方の方が良いかと思います。色んな要因がとても複雑に絡み合って発症してしまうのです。
主な要因としては2つ
ほか、「遺伝的要因」「慢性的な身体疾患での要因」なども考えられます。
この主な環境要因と性格要因がマッチングしやすいのが…
「保育士」というお仕事。
まずは保育士さんの抱えるストレス環境…
お仕事は子どもと接することにくわえて、保護者とのコミュニケーションや、保育の報告書や日誌などを書く事務仕事も多いものですよね。そのため、子ども達と接することに体力的にも精神的にも精一杯の力を注いだ上に、事務仕事のための時間外労働が発生することもあります。
さらに、社会性等のスキルも求められてしまうこともありますよね。保育園の近くに住む保育士は日常いつでも保育士とみられ、オンとオフがあまりないこともストレスの1つです。最近は男性保育士さんも増えてきてはいますが、保育園はまだまだ女性が多い職場であり、男女ともに職場の人間関係からのストレスや、保護者とのトラブルもストレスとなります。
そして、追い打ちをかけるように毎日が忙しく残業も多くて休みも取りにくい環境だとしたら…リフレッシュできる機会が不足し身体も心もが疲れきってしまい、体の疲れが続くことでストレスが解消しにくくなる悪循環。そもそも「いのちを預かっている」責任が重圧に感じてきてしまう方もいらっしゃるでしょう。
次に保育士さんに多い性格について…
という方が多くはないでしょうか?
どうしてもこういった性格の方は、脳のエネルギーの放出が多くそれに伴ってエネルギーが枯渇しやすくなってしまい、自然治癒力では快復できない程までになり、うつ病の原因・要因に影響していると考えられます。
このように身体的なストレスと精神的なストレスが、多くかかってしまう保育士さんはうつ病のリスクが高いといえるのです。
「自分ひとりで、子ども達のためにもっと頑張らないといけない」
と、言い聞かせていませんか?
とてもとても誇りあることですが、この言葉が保育士がうつ病なりやすい原因になっている可能性があります。
どの病気も早期発見が大事です!
下記の症状がみられたら、うつ病のサインかもしれません。
これらの症状が2週間以上続く際には、無理せずにお早めに医療機関へとご相談ください。
さて、ここまで読んでくださって快復するのかと不安に感じている方もいらっしゃるかもしれませんね。だいじょうぶですよ。適切な治療・対応をすることで、約7割の方が1年以内には快復するとされています。
正しいケアや方法を知り、ひとりっきりで悩まずにいっしょに乗り越えていきましょう。
うつ病の治療としては、下記の3つが柱となります。
ただ肝心なのは、この3つ治療を組み合わせて始めればすぐに治療が終わるというものではありません。
じっくりと自分のペースで出来るだけ前向きに治して行くことが大切です◎
また国としても保育士のことを考えメンタルヘルス対策を打ち出しています。
厚生労働省研究班が保育園へ調査を行い、業務環境で改善したい課題として、給与賞与の改善(65%)、職員数の増加(52%)、事務雑用の改善(50%)、休暇の確保(48%)などが挙げられています。また、回答した2,672施設のうち、メンタルヘルスケアが必要な保育士が1人以上いる保育園は719施設(26.9%)もありました。
よって2015年12月から従業員50人以上の企業はストレスチェックが義務化されています。ですが、小規模な保育園は対象外となるため、予算や時間がないという理由でストレスチェックを諦めている民営の保育園があるのも事実です。しかし今後、より強化していく取り組みもありますしメンタルヘルスケア制度を福利厚生に用意している保育園も増えていきています。
いかがでしたかでしょうか。
あまり人に話せなくて、調べることも憚られていた保育士さんのお力添えになっていたら幸いです。
どうしても、うつ病の原因を生み出しがちで、悪化させやすい環境におかれしてしまう職業です。
「子どもが好きで保育士を志した!」
「子どもの頃からの夢でした!」
「毎日、可愛い子ども達と過ごすことができ、幸せ!」
その気持ちを忘れたくないですよね。しょうがないと諦める前に、誰かに相談してみるのも良いですよ。
お話しを聞いてくれる専門機関もございます。相談窓口や病院検索を設けています。
また、相談しても一向に解決しない!と思いましたら、考え方を一転させて「転職」という手もあります。
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