寒い冬も終わり、気候が良くなってくると、ほっと一息、つい気も緩んできますね。
でも気温が上がってくるにつれ、心配になってくるのが、園児に持たせるお弁当です。
腐敗を防ぎ、安心して美味しいお弁当を持たせるにはどうしたらよいのか、今回は、これからの季節にぜひ読んでいただきたい、腐敗について取り上げていきたいと思います。
これさえ知っておけば、怖くない!大切な家族を守るために押えておきたい食中毒・食べ物が腐ってしまう原因や対策について、解説していきたいと思います。
せっかく作ったお弁当が腐ってしまい、それを口にしてしまうと、台無しどころか大惨事です。
早起きをして愛情こめて手作りしたのに、お弁当箱を開いた瞬間、若干怪しい臭いが…なんて、残念すぎますね。
そんな悲惨な事態を免れる為に、まずはお弁当がどうやって腐っていくのか、そのメカニズムについて解説していきたいと思います。
お弁当が腐るわけ、それは、お弁当箱内の細菌が増殖したからです。
お弁当内に潜む細菌が増殖する温度は、15度~40度、さらに30度~40度で、一番活発に増殖すると言われています。
また、増殖に欠かせないのが、湿気、栄養です。
夏場のお弁当箱の中は、細菌にとって、すぐに増殖に適した環境になってしまうのです。
このような状態でお弁当を置いておけば、ものの数時間で食中毒を起こすほどの細菌が増殖してしまいます。
お弁当作りに、食中毒対策は、必要不可欠なことがわかりますね。
それでは、具体的に、食中毒の症状を見ていきましょう。
食中毒の原因には、細菌、ウイルス、自然毒、化学物質などがあります。
これら、食中毒の原因となる食材を食べてから、実際に身体に何らかの症状が出るまでの期間や、具体的な症状、対処方法は、それぞれ異なります。
主な食中毒の症状と原因を見ていきましょう。
毒素型
ブドウ球菌(一番身近な食中毒の原因となる。人の手を介して感染する。おにぎり、お寿司、サンドイッチ、和菓子など)、ボツリヌス菌(酸素のあるところでは増殖できない。真空パック、瓶詰め、缶詰め、発酵食品など)、セレウス菌(嘔吐型)(チャーハン、仕出し弁当など)。
下痢や嘔吐が主な症状ですが、ボツリヌス菌は、呼吸困難などを引き起こすこともあるので注意が必要。
感染型
カンピロバクター(生乳、肉類など)、サルモネラ(鶏肉、卵、牛肉など、生ものや、半加工物は注意)セレウス菌(下痢型)(ハム、ソーセージなどの加工食品)、O-157(牛肉、生乳、ローストビーフ、サンドイッチなど)、腸炎ビブリオ(海水の魚介類、お寿司、刺身など。水温15度以上で増える。)。
腹痛、下痢、嘔吐、場合によっては、発熱なども引き起こす。O-157は、お年寄りや小さな子供は注意が必要。
また、食中毒予防の3原則というものがあります。
それぞれの原因について、詳しくみていきましょう。
原則1:細菌をつけない
食中毒の原因となる細菌は、肉、魚や野菜に、もともとついていることがあります。
もし、食材に細菌がついていた場合、その菌を、他の食材や調理器具に付けないことが重要です。
食材をビニール袋に入れて個別に保存したり、包丁やまな板を食材を切るたびに、しっかり洗浄をするのはそのためです。
また、もし、手に細菌が付着してしまえば、手で触ったものすべてが細菌に汚染してしまうことになりますね。
手の洗浄、消毒も抜かりなく行いましょう。
原則2:細菌を増やさない。
たとえ、食材に細菌がついていたとしても、食中毒が起きる量まで、菌の量が増えなければ、発症することはありません。
食材は、使うまでは10度以下の冷蔵庫で保管し、調理を開始したら、最後まで一気に仕上げましょう。
原則3:細菌をやっつける。
食中毒を引き起こす細菌は、一般的に加熱すると死滅します。加熱調理は、もっとも有効な殺菌方法ですが、加熱が十分でないと、細菌を増殖させる行為につながることもあります。
中心部までしっかり加熱することを心がけましょう。
また、ノロウイルスで有名な、非細菌性食中毒もあります。
これは、生牡蠣を食べたことが原因で起こることが多いですが、ケーキやサラダなどでもノロウイルスにかかることもあるようです。ノロウイルスの怖いところは、感染力が非常に高いことで、数個~数百個のウイルスでも感染することで知られています。
加熱調理(85~90度で90秒間以上の加熱)が有効な予防になります。
この他、魚肉タンパク質のアミノ酸の一部が腐敗するときに、大量のヒスタミンを作り出し、これを摂取することでヒスタミン食中毒になることもあります。
生で食べるものは特に鮮度の良い食材を選びましょう。
食品の購入時
家に着いたら
調理する前に
調理中
“いただきます”の時に
もし、料理が残ったら
さらに、お弁当を腐りにくくする9つのポイントは、
お弁当の容器はこうする!!
お弁当箱、取り箸は清潔なものを使用する。⇒とり箸は、食品ごとに変える。お弁当箱の内側に、食品にかけても大丈夫なアルコールスプレーをしたり、薄めたお酢で拭くと、より良い。
お弁当をつめるときはこうする!!
お弁当を包む時はこうする!!
保冷剤付きランチベルト
保冷剤とランチベルトが一緒になっているものです。
保冷剤が、お弁当袋の中でずれることがないので、冷やしたい場所をキープ。お弁当を確実に冷やします。園児が喜ぶ可愛い形の保冷剤も多いので、お気に入りを探してみては。
柄付きアルミホイル
おかずとおかずの仕切りに使います。傷みやすい時期の仕切りは、生野菜などよりも、使い捨てのアルミホイルやバランが有効です。可愛いアルミホイルを使って、仕切りましょう。
一口カップゼリー
幼稚園、保育園によってはNGな所もありますが、凍らせた一口カップゼリーを用意して、デザートとしてお弁当に入れて置けば、保冷剤の代わりになり、手間のかからない簡単デザートにもなります。
カップゼリーがダメなところは、バナナ、パイナップル、みかん、ぶどうなどを凍らせて持たせても。
お弁当に入れると効果的な食材は、梅干、お酢、しそ、生姜、わさびなどがあります。
これらの食材には、殺菌作用があり、細菌の繁殖を防ぐ効果があるためです。
これらの食材を上手に使って、夏場のお弁当も安心、なおかつおいしく仕上げましょう。
お酢の効果でお弁当も安心!”簡単!豚肉のさっぱりアスパラロール♪”
- 豚ロースしゃぶしゃぶ用または薄切り・・・300g
- アスパラガス・・・10本(120g)
- 人参・・・100g(中1本)
- にんにく(チューブ可)・・・2センチ位
- 塩・・・ひとつまみ
- 片栗粉・・・大2
- 酒・・・大2
- 砂糖・・・大1
- はちみつ・・・大2
- 醤油・・・大2と1/2
- 酢・・・大2
- 水・・・大2~3
- サラダ油・・・適量
<作り方概要>
※詳しい作り方はcookpadの『ほいくジョブのキッチン』に掲載しています。
お酢を使っているので、殺菌効果があり、さっぱりしています。
バラ肉などでもできますが、お弁当には、脂身の少ないロースや火の通りを良くするため薄切りが良いでしょう。
お弁当箱に詰める時は、斜めに切り口をカットすると、人参とアスパラガスが見えて彩りよくなります。
簡単!桜えびしんじょ・コーンしんじょ♪
[材料]それぞれ12個分
【桜えびしんじょ】(フードプロセッサーを使って乾燥桜えびもなめらかな食感に)
- はんぺん・・・2枚(120g)
- 乾燥桜えび・・・大2
- しそ・・・2枚
- しょうが(チューブ)・・・5mm~1cm
- 片栗粉・・・大1/2
- サラダ油・・・大2~3
【コーンしんじょ】(ビニールを使って洗い物も少なく、粗い種とコーンのつぶつぶが美味しい)
- はんぺん・・・2枚(120g)
- コーン・・・20g
- 長芋・・・60g
- しそ・・・2枚
- しょうが(チューブ)・・・5mm~1cm
- 片栗粉・・・大1/2
- サラダ油・・・大2~3
- 食品用ビニール袋・・・1枚
<作り方概要>
【桜えびしんじょ】
【コーンしんじょ】
※詳しい作り方はcookpadの『ほいくジョブのキッチン』に掲載しています。
殺菌作用のある、しょうが、しそを使いました。
桜えびの方は、うっすらピンク色、コーンの方は、はんぺんの白とシソの緑で3色がとても綺麗です。
長芋がはいっていますので、手で丸めようとすると痒くなるので、皮膚の弱い方は注意してください。
2種類のしんじょは、材料はほぼ一緒ですが、FPにかけるか、手で潰すかによって、出来上がりの食感が異なります。ぜひ、2種類作って違いを楽しんでください。
いかがでしたか?
食中毒は、実は身近で怖いものということがわかりましたね。
子供は大人に比べて特に抵抗力が低いので、注意が必要です。
しかしだからといって、お弁当作りも逃げられません。
暑い時期に限らず、衛生清潔を保つことを習慣にし、ポイントをしっかり押さえて安心安全なお弁当を作りましょう。