秋は涼しくて気持ちのいい季節ですが、子供にとって気をつけなければいけない病気もたくさんあります。
今回は、子供が楽しく健康的に秋を乗り切れるように、大人が知っておくべき事をお伝えしていきます。
現在保育士の方は勿論、これから保育士を目指す方や小さい子供の保護者の方も、ぜひご参考にしてみてくださいね。
秋は気候の変わり目であり、日々の天気も変わりやすい時期です。春の気候ともよく似ていますが、日は短くなり地面も冷えてきて大気の状態も不安定になっていきます。9月に突入すると暑くも寒くもないカラっとした爽やかな日もありますが、秋雨前線の影響で台風や大雨が増えてきます。
10月が近づくとだんだん前線は南に下がり、移動性の高気圧に覆われます。10月中ごろからは長雨が続くこともしばしばあるでしょう。
秋晴れが続く事もあり、昼間どんなに暑くても、明け方から朝にかけてはかなり冷え込むのでこの時期に風邪をひく人も多いです。
夏が終わって秋に入っても子供にとって楽しい事はまだまだあります。一般的に秋というと、以下のようなイメージが浮かびますよね。
特に子供の頃は食欲旺盛なので、秋の味覚を子供の食生活に取り込んであげるといいでしょう。秋の食材は色とりどりで季節感があります。
年間を通して多くの食材が手に入る時代ですが、保育園では、ぜひ給食やお話などで旬の食材を子供たちに伝えていってほしいですね。
旬のものは、栄養価も高く、やはり格別においしいと思います。
子供たちに食べてほしい、秋が旬の食材
野菜 | かぼちゃ、さつまいも、あしたば、えのき、エリンギ、かぶ、サトイモ、しいたけ |
果物 | 栗、りんご、梨、柿 |
魚介類 | 鰯(いわし)、鰹(かつお)、鮭(さけ)、鯖(さば)、昆布、いくら |
「読書の秋」を楽しむなら、寝る前に絵本の読み聞かせをしてあげるのもおすすめです。特に子供の頃は虫やカエルなど、身近にいる生き物が好きな子が多いので、動物や昆虫がたくさん出てくる絵本を読んであげると喜びます。面白い仕掛けのある本もいいでしょう。
ただし、一度にたくさん読み聞かせようとするとお互いに疲れて飽きてしまうので、1~2冊くらいがいいと思います。
また、一方的に読みきるよりは、子供たちに質問を投げかけたり、子供同士絵本の中身についてお話してもらったり、考える機会を与えてあげるといいですね。
秋は夏と違って海水浴や花火、バーベキューなどのレジャーを楽しむ機会が減ってしまいますが、お金をかけなくても秋を楽しむ遊び方はたくさんあります。
次の例を参考にしてみてください。
キャンプというと夏のイメージが強いですが、秋のキャンプもいいものです。コオロギの鳴き声を聴いているだけでも秋を感じる事ができます。
夏は湿度が高くてジト~としていますが、秋になると乾燥してきて空気も澄んで綺麗です。
この気候を利用して星空観察するのもお子さんにとって良い体験となるでしょう。
保育園での取り組みとしては、夏に比べ暑さが和らぐので、近所の公園などにお散歩に出かけるのも楽しいです。
ビニール袋を用意して、好きなように「落ち葉」や「どんぐり」、「松ぼっくり」、「棒」などを拾ってくるのもいいですね。次の日には拾ってきたものを使って工作の時間を設けるのも、お勧めです。
ぜひ、気候のいい日には、自然に触れ合う機会をたくさん作ってあげてくださいね!
秋は感染症の入れ替わり時期でもあります。夏に多い手足口病やヘルパンギーナ、デング熱、プール熱などの感染リスクは減るものの、その代わりにマイコプラズマ肺炎、RSウイルス感染病などは秋や冬をピークにリスクが高まります。そのため、感染しないように常に体調管理に気を配り免疫力を高めておく必要があります。夏から秋に移り変わる時期は、気候の変化も大きいので、大人も子供も体調を崩しやすくなります。
気候の変化に反応して喘息が強くなったり、ノロウイルスに感染する危険もあります。(急な下痢や嘔吐が特徴です)
保育園の子供達は集団で活動している時間が長いので、感染リスクが高く、いかに予防しておくかで健康状態が変わってきます。
家庭・保育園、それぞれでできる予防策を講じ、子供達の健康を守っていきましょう。
子供は秋・冬になると色々な細菌やウイルスに感染しやすくなります。夏が終わって秋になると、気温もグンと下がってきて湿度も下がり乾燥していきます。このような環境は、ウイルス的には活発に活動しやすく、人への感染リスクが高まるのです。
また、秋になると「スポーツの秋」という事で外で遊ぶ人も増えてきます。人と接する機会が多いとそれだけ感染する可能性も高くなりますよね。寒くなってくると免疫力も低下してくるので、十分に対策や予防をしておく必要があります。
幼児期にかかりやすい病気のほとんどが実は感染症です。幼稚園や保育園などでは集団行動が基本となり、当然集団が集まるところでは感染リスクも高くなります。感染症はくしゃみや咳をしただけでも空気中にその細菌やウイルスが飛び散ってしまうので、人から人へと感染してしまうのです。
特に幼児期は、免疫システムは未熟で、様々な感染症にかかりやすいです。幼い子供たちがたくさん集まる保育園などでは自分が感染源になる事もあれば、他の子にうつされる場合だってあり得ます。
感染しても潜伏期間は症状が出ないので、マスクなどをつけずに普通に過ごしてしまうと、感染症を広めてしまう原因となります。
目の前の感染症予防に目を向け、みんなで一丸となって取り組みましょう。
予防接種を受ける事で感染防止する事ができます。冬に本格的なピークを迎えるこれらの感染症ですが、予防接種は冬になる前にやっておくのが基本です。特に兄弟、家族間でうつってしまう事が多いので、自分だけでなく家族揃って予防しておくと安心です。
多くの感染症は自分の免疫力で病原と闘い、時期が過ぎれば次第に回復してきます。しかし症状がなかなかよくならず、合併症を起こすような場合には集中的な治療が必要です。
けいれんと高熱を同時に起こす子供も多いです。38度以上の高熱が出るとひきつけを起こし、突然白目を向き、手足をかたくつっぱらせて全身をガタガタとふるわします。けいれんを起こしている時は子供の名前を呼んでも意識がなく、答えられません。この状態は5分もすれば治りますが、再発しやすいものなので、必ず受診し、母子手帳にはけいれんを起こしたことの記録を残すようにしましょう。
RSウイルスは飛沫感染や接触感染でうつります。予防としては、菌を防ぐためにマスクを着用し、手をよく洗う事です。保育園でも家族でも、徹底していきましょう。
秋に入るとノロウイルスが流行ってきます。吐いた後はきちんと処理し、ウイルスが空気中に飛散してしまわないように気をつけましょう。
ここでは、感染症以外で多い小児の症例についてご紹介していきます。
感染症以外の小児の病気
川崎病はいまだに原因不明の病ですが、子供に多い発熱を伴う病気です。とにかく高熱が長く続き、発疹が出て目は充血し、唇や舌も真っ赤になるのが特徴です。
手足も腫れ、首のリンパ節も腫れてしまいます。心臓血管に炎症が起こると動脈瘤ができて深刻になります。
最近は早めに診断して治療する事によって回復していく事も多いですが、1~3週間の入院が必要になる場合がほとんどです。
【川崎病の症状・まとめ】
関節リウマチや白血病でも熱が長く続きます。
夏に多い脱水症状などでも発熱する事があります。これが熱中症です。近年呼びかけが増えていますが、毎年熱中症による死者は必ず出ています。夏が終わっても、9月もまだ残暑で暑いので水分をこまめにとる事が大切です。このように、小児は熱を伴う症状がとても多いです。しかし発熱は「熱がある」という事実よりも、その原因の方が重要です。
秋以外に出やすい症状
冬に患った病気を春にも持ちこす事はあるものの、春から始まる病気は意外と少ないです。
子供にとっては入園の時期でもあり、新しい環境に不慣れな事も多く、何かと体調を崩しがちです。鼻水や発熱など、初期症状はすぐにキャッチしてあげましょう!
小さな子供は、夏には以下のような夏風邪の一種を起こしやすくなります。
熱以外にも発疹や口内炎を伴う病気が多いので、全身の状態をよく観察していき、ちょっとした変化にも気づけるようにしておけるといいです。
冬はインフルエンザやRSウイルスなどの感染症がはやるピークです。他にもノロウイルスやロタウィルスで嘔吐や下痢の症状が出てきます。冬の時期は寒さと乾燥が身体の免疫力に影響してきます。常に温度や湿度調節する事で予防につながるでしょう。消毒液を使って手を殺菌しておくのもいいです。
保育士さんは、子供のちょっとした異変から初期症状をいち早く見つけ、適切に対応していきましょう。そのためには、日頃から子供一人ひとりの様子を観察し、疑わしい症状がある場合には外での遊びを控えたり、別室で保育するなどして感染防止・悪化防止に努めましょう。
感染性胃腸炎などは、子供達のお世話をしているうちに、保育士さんに移ってしまうケースも多くあります。下痢や吐き気といった症状はつらいですし、適切な処置や、保育士さん自信も予防を怠らないようにしてください。