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ブランコに滑り台…保育園での外遊び~狙いと注意点~

ようやく春になったと思ったら、すぐに暑い暑い夏の到来。
室内遊びばかりでは子どもたちも発散しきれず欲求不満になってしまいます・・・。
安全に十分気を付けて、外で思いっきり楽しく遊ばせてあげたいですよね♪
子どもたちの大好きな水遊びも積極的に取り入れ、楽しい夏の思い出をたくさん作りましょう♪

しっかり取り入れたい!保育園の外遊び

子どもが育つうえで、とても大切な外遊び。
保育所保育指針には、「環境」は、「周囲の様々な環境に好奇心や探求心を持って関わり、それらを生活に取り入れていく力を養う」とあります。
さらに、ねらいとして、

  1. 身近な環境に親しみ、自然と触れ合う中で様々な事象に興味や関心を持つ
  2. 身近な環境に自分から関わり、発見を楽しんだり、考えたりし、それを生活に取り入れようとする
  3. 身近な事物を見たり、考えたり、扱ったりする中で、物の性質や数量、文字などに対する感覚を豊かにする

とあります。
保育士がどのような環境を子どもに与えるかはとても重要ですよね。
外遊びという環境は、子どもたちにとって好奇心や探求心を育てるとても良い機会ですよ。
では、具体的に外遊びというとどのような遊び方があるでしょうか。
ブランコ、すべり台、鉄棒、そして砂場などたくさんの遊具があります。
順番を待つことやおもちゃの譲り合いなど、そこには小さな社会があり、子どもたちが自分の体験をもとに社会を学べるとてもよい場です。
さらに、

  • ブランコ
    バランス感覚を養う
  • すべり台
    つかむ動作、しゃがむ動作、のぼる動作、さらに高低差の体験をすることが出来る、滑走面を頭から滑ったり、滑走面を駆け上がったりなど遊びが広がる
  • 鉄棒
    運動の基礎を身に付ける
  • 砂場
    手指をよく使い、力をコントロールできるようになる、砂でお団子やご飯を作るなどして想像力を養う、情緒を安定させる、砂場をしっかり踏みしめることで歩く力を養う

など、良いことばかり。
それら大型の遊具以外にも一人で遊べる縄跳びやボールなども全身を動かすのにはとても良いですよね。
そして、すのこやござ、板などがあると、いろいろなものに見立てた遊びが広がりますね。
自ら作り上げていくという行為は、自発性、想像力を養うことも出来ます。
大人では考え付かないような遊びを子どもたちは作り上げます。
とても楽しい外遊びに子どもたちは夢中ですが、保育士さんなど周りの大人は、一人ひとりの子どもの様子に十分注意を払う必要があります。
まずは、外遊びの時間帯です!
出来るだけ午前中の涼しい時間帯に行うのが子どもたちの体調を考えると良いですね。
そして、遊び終わったらしっかり水分を摂り、休息するようにしましょう。

遊びの途中でも様子を見ながら水分の補給を心がけることも大切です。
首まで保護される帽子をかぶり、嫌がらなければ、薄手の長袖シャツを羽織り、日焼けと虫よけの対策も忘れずに!
虫よけ対策としては、子どもたちが外へ出る前に虫よけスプレーを付け、子どもが触れられない場所で蚊取り線香を焚くようにするとよいですね。
虫よけスプレーですが、ディートという忌避剤として使用される化学物質が子どもの肌に良くないとも言われています。
小さな乳幼児には出来ればディート不使用の虫よけスプレーを利用する方が賢明でしょう。
ディート不使用の虫よけスプレーは最近よく目にしますが、かなりのお値段がします・・・。
とっても簡単に手作りできるので、ぜひ作ってみることをお勧めします。
手作りの虫除けは、成分がわかっているのでとっても安心です♪

手作りの虫よけスプレー

(材料)
無水エタノール・・・10ml
水・・・90ml
精油・・・20滴

(作り方)

  1. 無水エタノールと精油を混ぜる。
  2. 水を加えてよく振りまぜればできあがり♪

以上!実際に作ってみると、とっても簡単なんです。
手作り虫よけスプレーでしたら乳幼児にも安心して使用できます。
精油は、虫の嫌がる香りであるシトロネラをベースに、ラベンダーやゼラニウム、ペパーミントなどをブレンドして使用すると良いでしょう。
レモンやオレンジなどの柑橘系はシミなどの原因となる光毒性があるので避けた方がよいでしょう。
そして、1か月以内には使い切りましょう。
蚊取り線香も、科学物質が含まれているものが多く出回っていますが、天然除虫菊で作られたものの方が安心ですね。
大人以上に子どもの小さな身体には負担となりますので、保育士さんは気を付けてあげてほしいですね。

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夏はプール!注意点とねらい

夏の外遊びというと、プールですよね。

子どもたちは水遊びが大好き。
安全面に気を付けて、ぜひ取り入れたいですよね。
保育園のプールというと本格的な大きいプールではなく、家庭用よりは少し大きめのプールが一般的でしょうか。
泳ぐというよりは水遊びといった感じになるかと思います。
注意点として、

  • 水遊びは、首が完全にすわった子どもを対象にする
  • 日陰を出来るだけ確保するようにプールを設置するよう心がける
  • 子ども達は水の冷たさで、ついつい遊びに熱中してしまいがちですが、保育士さんは子ども達の様子をしっかり見て、切り上げるタイミングを見つける

水遊びが子どもたちに与える影響をまとめると、下記の通りです。

  • 夏という季節を感じる
  • 満足感や開放感を与える
  • 情緒が安定する
  • 「冷たい」、「つかめない」、「顔がぬれる」など、言葉では尽くせないほど様々な刺激を通じ5感が刺激される

などとても良い影響を与えるようです。
大人にとっても水の中にいる時の感覚は、とても特別なものがありますよね。
これらの良い影響を考えると、ぜひ保育園でプール遊びを取り入れたくなりますよね。
ただし、水を通しての感染症も同時に注意する必要があります。特に気をつけたいものを牡蠣にまとめましたので、頭に入れておくとよいでしょう。

  • プール熱(咽頭結膜熱)
    アデノウイルスによって起きる病気で、発熱、のどの腫れや痛み、結膜炎などの症状が出ます。プールの塩素消毒を徹底し、プール遊び後のうがいや洗顔を徹底、さらにタオルは各自のものを使用しましょう。
  • はやり目(流行性角結膜炎)
    結膜炎の症状だけでなく、眼球の表面を覆う角膜にも炎症が及びます。プール熱同様、アデノウイルスが原因で、水よりも接触による感染が高いので、タオルの貸し借りは控えましょう。
  • アポロ病(急性出血性結膜炎)
    エンテロウイルスが原因。結膜や眼けんの充血、白目の部分に出血が起こります。
  • みずいぼ(伝染性軟属腫)
    1~10ミリの白っぽい半球状の隆起で、中央部にへこみがあります。ポックスウイルスによって起きこり、接触によって感染するので、タオルの貸し借りを避け、プールから上がったら十分にシャワーを浴びさせましょう。

どの感染症も、タオルの貸し借りをしない、プール後に身体を清潔に保つことが重要なようですね。

こんな日は気を付けて!外遊び

まずは、子ども達は大人よりも地面に近いということを頭に入れておきましょう。
大人よりも地面からの照り返しを受けてしまうので大人以上に暑くなります。
子どもたちの顔色など様子を見て、のぼせていないか注意しましょう。
具体的にどのような点に注意すればよいでしょうか。

光化学スモック

太陽からの紫外線と大気中の物質が化学反応を起こし、作り出す汚染物質です。
最高気温25度以上、日中2,5時間以上の日照りがある、夏型の気圧配置であるなどの条件がそろうと発生しやすくなります。目や喉などを中心に人体への影響があるとされますので、光化学スモック注意報が発令された場合は、外遊びは中断し、速やかに室内へ移動するようにしましょう。
もしも目や喉の痛みを訴える子どもがいた場合は、目を洗う、うがいをするなどして安静に過ごすようにしましょう。

熱中症

高温多湿の日に起こりやすいのが熱中症です。熱中症は、体にこもった熱をうまく放出・熱交換することができず、体内の温度調節機能が破たんしてしまうために発症します。暑いのに上手く汗をかけなかったり、湿度が高いため、汗が蒸発せず、上手く体を冷やすことができないと発症しやすくなります。
子どもは大人よりも新陳代謝が活発で平常時の体温が高めであり、さらに体温調節が未熟なため知らないうちに熱中症にかかっているということも少なくありません。周囲の大人が目を配ってあげる必要があります。
具体的な症状としては、

  • めまい
  • 失神
  • 大量の汗、または全く汗が出なくなる
  • 頭痛
  • 倦怠感

などがあげられます。
上記のような症状が出た場合には、早急に応急処置をしましょう。

熱中症の応急処置
  • 日陰や涼しいところへ移動する。
  • 足を30センチほど高くして寝かせる。
  • 脇の下、手足の付け根など太い血管が通っている箇所を氷や水で冷やす。
  • 水分と塩分を摂る。

重度になると意識障害なども起こります。
意識障害が起きた場合は、すぐに救急車を呼び、窒息の原因にもなるので水分補給は行わないように注意しましょう。
熱中症にかからないためにも、こまめな水分補給をし、規則正しい生活が大事ですね。
保護者の方々にも協力をしてもらう必要がありますね。

日焼け

昔は日光浴が推奨されていた時代もありましたが、現代では紫外線が人体に与える影響から、出来る限り日焼けをしないよう心掛けるようにと言われています。
日焼け止めが肌に負担がかかるということから、子どもに日焼け止めを塗るのに抵抗のある親も多くいるようです。
特に肌に負担がかかるといわれる紫外線吸収剤不使用の商品も多く出回るようになりました。
オーガニックコスメの日焼け止めなどを利用し、紫外線から子どもたちを守りたいものですね。

まとめ>

子どもたちの成長に欠かすことのできない外遊び。
夏という季節を感じ、遊びのなかでたくさんのことを学んでほしいですね。
しかし、外遊びには危険も伴いますので、子どもたちが思う存分遊べるように保育士さんは注意深く見守ってあげてください。
暑い夏を乗り越えた子どもたちは、ちょっぴりたくましくなっているはずです。

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