子育て経験のある方なら身をもって経験していると思いますが、2歳の子どもは、「魔の2歳児」と呼ばれ、ちょっと、いやかなり大変な時期なのです。
第一反抗期も始まり、お世話をする人にとってはとんでもなく忍耐が必要な時期となります。
この2歳児の対応に苦労している保育士さんは多いのではないでしょうか?
やりたい放題で自由奔放な2歳児に振り回されて困っている保育士さんに、2歳児の成長の過程とその向き合い方について紹介していきたいと思います。
2歳児は運動能力や言語能力が1歳の頃よりも格段に発達してきます。
それによって、できることや興味を持つことが少しずつ変わっていきます。
では2歳になるとどんなことができるようになり、どんなことに興味をもつのでしょう。
この時期は、物に名前があることを知り、「ママ」や「パ」パだけでなく「ワンワン」、「マンマ」、「クック」など単語をたくさん覚えて発します。
さらに名前などの主語だけではなく、「ワンワン いた」のように主語と述語を話せるようになる子もいます。
この頃は色々な言葉に興味を持つので、たくさんの言葉を教えてあげるといいですね。
1歳の頃はよく転んでいたと思いますが、2歳になってくるとだんだん転ばないで歩くことができるようになり、走ったりジャンプしたりもできるようになります。
また、低い段差をまたいだり、しゃがんで何かを拾ったり、階段を上ったりもできるようになります。
手先が器用になり、クレヨンをしっかり持てるようになりますので、殴り書き程度ですがお絵かきができるようになります。
それから、色々なことに興味を持つので、誰かがやっていることをよく見ていてマネします。
お掃除やお料理をするママ、ピアノを弾いている保育園の先生など、子供にとって身近な人は全てマネっこの対象になります。
このマネっこ遊びはやがて、ごっこ遊びに発展していきます。
まだまだ着替えやくつを履くのは難しい時期ですが、中には簡単な洋服を着れる子がいたり、大きなボタンなら通せたりする子もいるでしょう。
2歳になると膀胱も成長してくるので、おしっこの間隔も長くなってきます。
「おしっこでた!」、「ウンチでた!」と教えるようになったらトイレトレーニングを始めてもよいかもしれませんね。
2歳児は第一反抗期といって自発性や自立性が高まる時です。
自分で何でもやりたいのにできないもどかしさや、思っていることをうまく言葉に表現できないことから、やってあげようとしているのに反抗的な態度をとったり、「~だから嫌だ!」と言葉で伝えられないがためにイヤイヤして泣くことになったり、度々その苛立ちが爆発してぎゃん泣きになったりします。
また、この時期は他のお友達に興味を持つのですが、コミュニケーション能力がまだそこまで発達していないため、遊びたいのに上手に遊べないということが多くあります。
ごはんやお着替えでイヤイヤしたり、お友達とうまく遊べずトラブルになってしまうなんてことは日常茶飯事だと思いますが、発達の過程ですから、温かく見守ってあげたいですね。
わらべ唄
いくつか、オススメのわらべ唄をご紹介します。
お手本を見せてあげて、ぜひ子どもたちみんなでやってみて下さい。
♪あぶくたった
♪かもめかもめ
♪ひらいたひらいた
♪あがり目さがり目
みんなでゲーム
2歳になりたては、ルールのあるゲームは難しいかもしれませんが、“たけのこいっぽん”や“ぞうさんとくものす”などの集団の遊びを少しずつやっていくと、お友達との遊び方をそこから学んでゆけます。
積み木やお絵かき
集団で遊ぶことも大事ですが1人で自由に遊ぶことも二歳児には大切です。
積み木やお絵かき、または大き目のブロックなどで自由に遊ばせましょう。
2歳児の多くはやりたがりやさんです!どうしてそんなに一生懸命やりたがるのか?!
それは先生やママやパパ、周りの大人に認めてもらうためです!
泣きながら何でもかんでもやりたがりますが、見守ってあげて、できたらたくさんほめてあげましょう。
保育士さんもやることがたくさんあり、時間がかかってしまったり他の準備に手間取って遅くなったりしてしまうかもしれませんが、「ちゃんと見てたよ!すごいね!」の言葉で子供に自信がつき、“やりたがりやさん”は“しっかりさん”に成長することでしょう。
誤飲
2歳になっても口にものをいれてしまう子はたくさんいます。
小さなものや危険なものは手の届く場所には置かないようにしましょう。
転倒
子供には乗り越えられないであろう柵も、椅子や台になるようなものを持ってきて乗り越えようとする子もいます。
油断もすきもありませんから、よく見ておきましょう。
危険を予知できない
まだ視野がとても狭く、広い範囲に注意を配ることができません。
大きい子が遊んでいるところに入っていってしまうと事故に繋がりますから、やはりよく見ておく必要があります。
やりたがることを否定しない
成長における大事な段階ですので極力やらせてあげるようにしたり、そっと手をかしてサポートしてあげましょう。
この時期は自分で何でもかんでもやりたがり、挑戦することで、自分のできることや今できることの限界を知る大事な時期です。
対応の仕方がわからないときは、子供の立場になって考えてみることでわかることもあると思います。
保育士さんも様々な子供に試行錯誤すると思いますが、どんな子も忍耐強く受け止めてあげることで成長の手助けになるのではないでしょうか。
大変な部分をたくさん取り上げましたが、2歳児の子供はまだまだ幼く無邪気で、歩く姿も一生懸命何かをする姿もとってもかわいいです。
忍耐は必要ですが、そんな愛らしい姿を見ていると大変なことも忘れて楽しく成長を手伝っていけることでしょう。